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向上訓練の研究

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『創造性開発・問題解決・能力開発』

【 ファミリー・トレーニング 】

◆概要
 ファミリー・トレーニングは、別称職場ぐるみ訓練とも呼ばれている訓練技法技法です。
 ビジネス組織において期待される問題の発見、分析、計画などの実施活動を、その組織の全員で行いますが、問題の共有意識にかなりのずれがあります。ファミリー・トレーニング技法は、その名の示すように、全員参加、全員で討議、全員実行というように、職場ぐるみの取り組みをしているところに特徴があります。つまり、DマクレガーのY理論でいうところの人間の創造性、自主性を、やる気としてとらえ、やる気を出させるための流れを定形化している点です。
 この技法の基本的なポイントはつぎのようになります。
  1. 計画段階
    @職場のトップをその気にさせます。問題は、トップにやる気がなければ何ごともスターとしません。リーダーの強い意志とその推進にたいする意気込みです。
    Aメンバー全員にたいする周知徹底と、事前の準備が肝要です。
  2. 実施段階
    @職場の事前診断、当該職場の問題を明らかにします。
     そのため、企画担当者は、アンケート、面接、観察などの方法で、事前に問題を掌握します。
    A事前研修の実施、研修企画者がファミリートレーニングを成功させるために行う研修にします。(ファミリー・トレーニングについての理解を得るため)
  3. 職場での展開
     この段階では、特にしたのレベルにあるメンバーに発言の機会を十分に与え、参画の充実感を育てるように気を配ります。
  4. 実施後の評価
     職場においてのトレーニング展開後は、現場で実践します。その結果やさらに続ける実施過程においての新たな問題など、すべてを全員討議と評価を行い全員で解決していくようにします。
 この技法の精神は、全員参加による充実感の尊重です。ですから、留意点は、@討議を途中で打ち切らないため、時間余裕を取るとか、A当該職場リーダーに対して、メンバーの指導能力を伸ばしてやる、などの心くばりが大切になります。

実践活用例
戦略目標
 「某営業所の業績を向上させる」を、会社の方針として決定。当該現場で職場ぐるみの「職務中心となる」訓練を実施、訓練対象者は、統括マネジャー、マネジャー(所長)、サブマネジャー(所長代理)セールス、業務係とします。
 具体案は、新しい販売政策を顧客先に納得して貰うことを前提に、某営業所を舞台に職場ぐるみの訓練を実施することにしました。
  方法論として、まず、全員を事務所に集め、事前研修を行います。研修企画担当者(インストラクター)は、今回の研修企画について、その目的や環境背景についてわかりやすい言葉で説明します。さらに、研修の必然性や進め方を丁寧に、しかも、現実における営業所の問題点を、営業政策の徹底と業績向上に関連づけて出し惜しみなく提起します。そして、現地のセールスに発言の機会を最大限に与え問題を出し尽くすように仕向けます。

 次の段階では、問題の整理分析になります。問題をグループ化、さらにその中から選定していく作業を全員で忍耐強く進めます。その結果、新しい販売政策のメリットをどう説明するか、疑問点の受け答えをどの様に組み立て、かつ進めるか。など、セールス活動の進め方、商談の組立といった問題点が絞り込まれ派生する上司への要望点などが提案されることが推察できます。

 事前研修は、問題点の整理を次回訓練日まで研究の課題として終了しますが、リーダーは、必要な事前の打ち合わせや討議の進め方についての指導が必要になります。

  参考文献;教育訓練技法、教育技法研究会編、経営書院刊行

注:「下図、NEXTで次ページへ続く」



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