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『創造性開 発・問題解決』

【ケース・スタディ技法】


◆概要
 ケース・スタディ技法は、事例研究法とも呼ばれているもので、具体的な管理活動のプロセスの中で、管理者 に求められる判断と決断を盛り込んだ事例を、個人あるいは小集団においての討議形式に基づいて、相互啓発と 自己啓発を期待する技法です。
 事例研究の技法は、幅が広く事例の内容によって種類も多くあります。ここでは一般的な次の技法について紹 介します。
  1. 短文事例法
     事例を構成する客観的事実の中に、管理者の期待する問題意識と情報、解決すべき方向を短文の中に 織り込んだものです。

  2. 長文事例方式(Harvard Graduate School of Business Administration)
     ハーバーと方式霜夜ばれているもので、短文事例法と比較して、事例を多角的にとらえた長文事例に よって、より多角的情報分析・評価により、自らの体験から問題設定と解決を個人あるいは小集団討議 によって合意形式を図る技法です。

  3. インシデントプロセス方式(Incident Process Method. MIT 方式 Massachucetts Institute of Technology)
     管理活動上に起こる「問題の発端となる小さい出来事」のみが提示されます。
     これに基づいて小集団討議を行い、提示された小さい出来事に必要な情報を討議によって整理するこ とによって、そのテーマの必要十分情報の視点を自己の経験との対比によって理解します。

  4. 経過事例法
     時間の経過に応じて事例を分割します。その分割された事例毎に管理的分析と判断しながら、全体と して管理者のあるべき発想と行動を認識するようにデザインされたケーススタディです。

  5. 行動事例法
     短文の事例を基に、管理者個人が増す研究をして、次に、その結果をロールプレーイングによって再 現します。その後、全体で討議することによって、自らの気づきと、自己変革を促進することを狙った ものです。

  6. イン・バスケット技法(In Basket or In Tray Method)
     未決箱(イン・バスケット)に入っている数十通の書類を処理するとき、「どの様な基準」と「どの ような判断」で処理して、既決箱(アウト・バスケット)に入れたかを分析してみると、管理者自身の 思考行動のパターンと能力、決断力、パーソナリティなどの総合力がそうした処理をさせたことが分か ります。
     これを、小集団討議を通して分析・討議することによって、管理者としての気づき、能力開発上の必 要点を明らかにして、自己革新プログラムの策定・実践をすることを目的とした技法です。



◆活用事例
 この技法の一般的な流れを、計画段階と実施段階に分けてポイントのみでまとめると、次のようになります。
まず、計画段階では、
@ 実施担当者(インストラクターが兼任します)派遣集コースの目的・対象者を決めます。
A 事例を盛り込むことの適否を決めます。
B 研修コースの目的・対象者に合致した事例を選びます。
C 事例を資料としてまとめます。
D 時間配分、研修室などの設営をします。

 次に、実施段階では、
@ 事例研究法の特色、効果、進め方の概要を説明します。
A 自己紹介などのウォーミングアップを行います。
B グループ分けや司会役を決めます。
C 事例を提示します。
D 事例の内容を認定させます。事例の中で表現されてないことは創作させません。
E 問題点の摘出をさせます。
F 解決策をまとめさせます。
G 最前の解決策を選択させます。
H 全体で解決策を検討させます。
I インストラクターによる結論づけとまとめの講義により締めくくりをする、という流れになります。
◆応用効果 例


表 このケースでのモデル プログラム     <所要時間240分>
ステップ 研修の内容及び実施要領  時間   備考 
1
2
3
 
4
5
6
7
8
研修の狙い、研修の進め方説明
事例の提示と補足説明
各自で事例熟読・内容に関する
質疑・事実の認定
問題点の摘出とその整理
解決策の検討と絞り込み
 休  憩 
グループ代表による発表と討議
結論づけ、まとめの講義
30分
2〜3
合計
20分
40分
50分
10分
60分
30分
インストラクター
 
受講者各自
 
各グループ
各グループ
全体
全体
インストラクター

参考文献;教育訓練技法、教育技法研究会編、経営書院刊行;教育研修ハンドブック、監修・著者 高橋 誠日本ビジネスレポート(株)刊行。注:「下図、NEXTで次ページへ続く」注:「下図、NEXTで次ページへ続く」


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