FMV-575D4にはCirrus Logic 5434というグラフィックスチップがマザーボード上に実装されています。ビデオメモリは2MBです。Cirrus Logic 5428, 5430, 5434 は低価格でそこそこの性能があると言うことでこの時代のマシンに多く採用されていたようです。さて、Cirrus Logic 5434は2D描画ではそこそこの性能(最近のものに比べるとかなり見劣りするが)だが、Direct Drawや Direct 3Dにハードウェア対応していない。高解像度でハイカラーやフルカラー表示ではフリッカーフリー表示ができないし、描画速度が格段に落ちる。さらにWindows95時代になりグラフィカルな表示が増えたので、グラフィックス性能が貧弱のものでは作業効率が悪くなるし、目が疲れる。そこで、最新のグラフィックスカードを購入し575D4 の表示能力をアップさせることにした。
購入したのは、低価格で高性能なS3社のVirge/DXを搭載した
アイ・オーデータ製GA-PGDX4/PCIである。ビデオメモリは35ns EDO DRAM 4MBで、Virge/DXはハードウェアでDirect Drawをサポートしている。セガラリーチャンピオンシップほか2本のDOS/Vゲームがおまけとしてついている。
ケースを開け2本あるPCIスロット(白いやつ)の上段の方に差し込んで、ケースを閉め電源を入れた。Windowsが起動し、要求されるがままにドライバをインストールした。再起動すると画面が歪んでいるのでディスプレイの調節つまみで調節した。また、再起動したときオンボードのCirrus Logicが検出されたので、 システムのプロパティからデバイス マネージャのディスプレイアダプタの項目にCirrus Logic PCIとGA-PGx/PCIが二つ並んでいて、Cirrus Logicの方には! がついていた。Cirrus Logicのプロパティ→デバイスの使用のチェックボックスをオフにして再起動した。これはFMV-575D4の特有の現象できちんと動作しているならば問題ないみたいである。GA-PGx/PCIを増設した効果があるのかどうか調べるためにベンチマークをとってみた。
CPU | VIDEO | HDD | MEMORY | ALL | |
---|---|---|---|---|---|
増設前 | 757 | 666 | 1309 | 328 | 739 |
増設後 | 814 | 2618 | 1269 | 328 | 1144 |
Wordprocssing | CAD/DRAW | Spreadsheet | Paint | Overall | |
---|---|---|---|---|---|
増設前 | 70.12/B16 | 109.87/B16 | 61.87/B16 | 78.87/B16 | 80.18/B16 |
増設後 | 108.93/B16 | 330.93/B16 | 230.87/B16 | 278.50/B16 | 273.31/B16 |
これを見る限りGA-PGDX4/PCIはきちんと動作しているようである。1074×768 ドットでフルカラー、ノンインターレースフリッカーフリー表示できるのがGOOD である。また、Direct Draw対応のエッガーランド(フリー版)をプレイしてみたところキャラの動きがむちゃむちゃ早くなっているのである。増設前は非常にぎくしゃくしたものだったが。Direct Drawにハードウェア対応していることはある。
FMV-575D4と相性の悪いグラフィックスカードがいくつかあるようだ。具体的に述べると、BIOSとの相性が悪いのである。特にカノープスの製品はBIOSの書き換えが必要である。カノープスの製品に小さな文字で「FMV-5xxD4と初期のD5はBIOS の書き換えが必要です」って書いているのを実際見ました。もし、買ったカード(カノープス製品に限らず)がうまく動作しない場合は富士通にBIOSを書き換えてもらおう。たいていは動くようである。サービスセンターに持ち込みで7,000円の出費はいたいが、買ってしまったものは仕方がないのだから。ちなみに私の買ったGA-PGDX4/PCI はBIOS を書き換えなくても動作します。
記載は96年当時のものです。富士通が現在もBIOS書き換えサービスを行っているかは不明です。富士通に直接お問い合わせ下さい。