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- な り き り メ ッ セ ー ジ -
in "twiLite"
(トーキョーN◎VA、中央区南東。アミューズメントパーク“twiLite”南西エリア【メモリーズ・オヴ・エンプレス】。
一人のレポーター風の男が、数人の撮影スタッフに囲まれ、カメラの前で一つ咳払いをする)
国見龍三(以下、龍三)「このチャンネルを見てるみんな、HALLO orNICE-2-MEET-U。こちらはマリオン13’(サーティーンダッシュ)、“ナックルレポーター”国見龍三だ。
いつもならアンタが好きそうなアンモニアアベニューの喧噪やマフィアのアジト、ヤクザの事務所なんかを舞台に1時間全部血みどろの番組構成なんだが、今日はちょいと、いやかなり違う」
(龍三、突然黙り込む。‥‥やがて、そよ風が木の枝をゆっくりゆらすような音が聞こえ‥‥)
龍三「‥‥静かだろう?今いるのはアミューズメントパーク“twiLite”の一角【メモリーズ・オヴ・エンプレス】。
緑に包まれたアンティークな広場には、優しいたたずまいを見せるささやかな見せ物‥‥可愛らしいドロイドや失われし動物たち、過去や未来を垣間見る占い小屋。向こうの中央公園に赴けば、おだやかなる水の音、水面にコインを投げて願いをかける恋人達。そして空を見れば、宝石を投げかけたような満天の星空。
そう、今日はこのtwiLiteの風景を通して安らぎを満喫しようっていう、癒し系企画なのさ。いやー久々だなあ。パレード“infini-Lite”以来かな?
つーわけで、今夜は『Fast=Fist=Friday』特別編、総合アミューズメントパーク『twiLite』からの生中継(ライヴ)だぜ!」
(龍三、格好つけて踵を返そうとする。‥‥しかし何かを思い出したように、慌ててカメラに向き直る)
龍三「(いけね、また忘れるとこだった)この放送は、アミューズメントパーク『twiLite』、“粋な貴方を応援する”『RI財団』、他、見ての通りのスポンサー共で送ってんだ。よろしくな!
‥‥え?今日はつまらねえから寝る?
いーから黙って見ろッ!!!」
◆
(中央噴水庭園【ファウンテイン・オヴ・スターズ】。一組の男女がだらだらと歩いている。女の方は金髪にポニーテール、紅いワンピース、年の頃18、9。男の方は全身是筋肉の巨漢、角刈りの頭を蒼と金で染め分けている)
女「あー、なんか暇だなー。やっぱアンタと来るんじゃなかった」
男「んだと〜?折角このコロッセオのスーパースター、グレート・ヤルンベック様がわざわざ誘ってやったってのによオ(※男=以下ヤルンベック)」
女「(あさっての方を向いて)あのさー、聞いた話なんだけど、誰かさんがコロッセオの受付のお姉さんにデート申し込んで断られたんだってー。でね、そいつ‥‥」
ヤルンベック「(慌てて遮って)あ、あのよ、次何食う?いやあ、あの“AAA(トリプルエース)”インファーノと一緒に歩けるなんて、俺ア幸せモンだぜ。あっはっは(※女=以下、インファーノ)」
インファーノ「‥‥。じゃーさ、食べ物はもういいから、アレやろう」
ヤルンベック「アレ?」
(二人、北西ストリート【マジシャンズ・ウェスト】を歩き始める。その一角、人一人入れる程の大きさのBOXの前で)
ヤルンベック「‥‥『ますこっと・めーかー』?何じゃこりゃ」
インファーノ「平たく言うと、自分に似せたマスコットを作ってくれるのよ。いいよね〜こういうの」
ヤルンベック「てめえの顔した人形なんぞ作って、何が嬉しいんだか」
インファーノ「夢が無いな〜。好きな人と一緒に来て、お互いの人形を持つのよ!そうすれば、離れていても心は一緒‥‥(うっとり)」
ヤルンベック「ってお前の人形なんぞ持ちたくねえぞ、俺は(真面目くさって)」
インファーノ「ど阿呆!!あたしだってアンタのなんか持ちたくないわよ!どうせ持つなら、Dさんとか、ラドルフさんとか、アーレイさんとか、グレイグさんとか‥‥あと、ヤマカゼさんなんかも好みなのよね〜」
ヤルンベック「(つくづくオヤジ趣味だな、このガキは)‥‥Dの野郎なら、俺が渡してやってもいいぜ?(注:ヤルンベックは“D”とコロッセオではチームメイトです)」
インファーノ「断る。アンタの手が仲介されてる時点で幻滅だわ」
ヤルンベック「無茶苦茶言いやがんな、てめえ‥‥」
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(各スポットを一周した後、北西ストリートを歩きながら)
龍三「‥‥どうだった?意外に安らげるスポットが沢山あって、驚いたかい?ここは派手に遊ぶだけじゃなくて、こういう楽しみ方も出来るのさ。後は【朧屋】か【アルビオン】辺りで、小粋な酒と素敵な彼女を傍らに夜景を眺めれば、もう文句ないね。
(小声で)ああ、今日は血を一滴も見ないで済ませそうだ‥‥うん、たまにはこういう日があってもいいよな。
おっと、あそこの『ますこっとめーかー』でマスコットを作ってるカップルがいるぜ。ちょっとインタヴューしてみよう。しかし男の方、えらくでけーな‥‥
すいませーん、ちょっといいですか〜?」
インファーノ「え?」
ヤルンベック「ん?」
龍三「あのさ、実は今、twiLiteの見所を紹介して歩いてるんだけど‥‥」
インファーノ「えー何なに!?テレビ!?」
ヤルンベック「俺達もメジャーになったもんだぜ。プライベートの時もファンは俺達を離してくれねえらしいな!がっはっは!!」
龍三「‥‥は?(だ、誰だっけこいつら‥‥)いや、単にインタヴューなんだけど。twiLiteについての」
インファーノ「え、そうなの?なんだ‥‥(明らかに落胆)」
龍三「それよりさ、今、コレで遊んでたよね?てことは、君たちつきあってんの?」
インファーノ「何ですって?」
ヤルンベック「何だとオ?」
龍三「あ、そんなに照れなくてもいいって。それにしても彼氏、すげーガタイいいよな。彼女はやっぱりこの男らしさに惚れたとか?彼女は対照的にスリムで柔らかい感じ。アンバランスなのがかえってお似合いだよな」
インファーノ「何ですって?」
ヤルンベック「何だとオ?」
龍三「で、今日はどこ廻って来たんだい?いいスポットがあれば教えてくんないかなあ」
インファーノ・ヤルンベック「‥‥」
龍三「うん?」
インファーノ・ヤルンベック「‥‥(無言で振りかぶる)」
龍三「(何が起きようとしているのか気付く)!?ちょ、ちょっと待」
インファーノ・ヤルンベック「哈(ハ)ッッ!!!」←全力フルスイング
がスっッッッッ‥‥
龍三「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!(発声不能のまま画面外にぶっとばされる)」
インファーノ「もう最低!アンタ、どういう目してるわけ?」
ヤルンベック「まったくだ。こんな小娘がどう見れば俺様に釣り合う女に見える?」
インファーノ「‥‥あれ?ちょっと、それってどういう意味なのカナー?モニタの前のみんなは逆だと思ってると思うけどな〜」
ヤルンベック「んなわきゃねーだろ!!ちょいと細いくれえで舞い上がンなガキが!!」
龍三(画面外)「‥‥な‥‥何なんだよ(ごほごほ)‥‥俺が一体、何を‥‥」
ヤルンベック「‥‥お?まだ生きてやがったか。しぶてえ奴だ」
インファーノ「ふん。女を見る目ないと、色々痛い目見るってことよ」
龍三「(ぶちん)んだッてめーら!俺が何したっつーんだよッ!!」
ヤルンベック「おう、やるかあ!?こちとらグレートヤーモスのストリートじゃ300戦無敗を誇った“G・Y”ヤルンベック様だぜエ!!」
龍三「知らねーよそんな田舎!!こっちだってかつてはリーサルレポーター(最終記者)の異名をとった“ナックルレポーター”リューゾー様だアッ!!」
(以下、チャクラ同志の壮絶な殴り合いが始まる。冷静に回り続けるカメラ‥‥)
カメラマン(トループ)「あーあ、なんか結局今日も血の雨が降ったなあ‥‥あ、そろそろ時間じゃん。まあいいや、また適当に切って終わりにしよっと‥‥」
(撮影スタッフ、撤収を始める。龍三、相変わらずヤルンベックと殴り合っている)
インファーノ「あっ、ひよこさんだ〜。え?パンフレット?ああ、どうも。(ぺらぺらとめくる)へー、今日って500万人達成だったんだ。すごいわねえ。
そうだ。ね、どこか遊びに行かない?あたし、今一人でひまなんだ〜。
‥‥ああ、アレは気にしないで。知り合いかって?そんなわけないじゃない、あんな馬鹿そうな顔。じゃ行こ♪」
(インファーノ、ひよこと腕を組んで歩き出す。カメラも殴り合っている二人を無視してフェードアウト)
◆
- P L A Y E R S I D E -
うわーベタ。
ということで毎度お世話になっております、グリンです。
遅ればせながら、50000アクセス達成おめでとうございます。
今回はこの記念として持ちキャストによるなりきりメッセージを贈らせていただきました。
登場キャストは
“ナックルレポーター”リューゾー(国見 龍三)
(トーキー◎、フェイト、チャクラ●/26歳/♂/マリオンのトーキー)
“G・Y”ヤルンベック(ゲーリー=ヤルンベック)
(アラシ、チャクラ=チャクラ◎●/30代後半/♂/コロッセオのウォーカーパイロット)
“AAA”インファーノ
(アラシ=アラシ=アラシ◎●/19歳/♀/コロッセオのウォーカーパイロット)
+α(おまけ参照)です。偏りあるなあ(汗)
このうちインファーノはtwiLite未登場ですが、おめでたい席ということで今回だけはご勘弁を(笑)。
こういう形式は初めてでしたが、twiLite他で学んだ部分を色々と思い出しながら仕上げてみました。
しかし何だかんだで絵よりも手間暇がかかってしまい、何だか負けた気分(笑)
それでは、今後ともRI財団が粋な人々を応援するサイトとして発展し続けることを祈りつつ‥‥
◆
- お ま け -
(その場にいる全ての人間が去った後、相も変わらず拳を交えながら‥‥)
ヤルンベック?「そろそろ終わりにしないかね。この物騒な踊りを続けるのは、ここ流で言う“粋”ではないのだろう?」
龍三?「もはや迷惑も何もあったものではないとは思うが、賛成はしよう。我もこれでは“薄明の君”にも申し訳が立たぬ」
ヤルンベック?「(拳を引く)有り難い。一応言っておくと、“彼”が勝手に始めたことなんだがね(笑う)」
龍三?「(構えを解く)全ては力の指し示すままに歩を進めるが故。しかし、その本体たるぬしはそれを楽しんでいる風にも見える。如何?」
ヤルンベック?「かも知れないね。この身分でいられるのもあと僅かだから、今の内にと思うんだろう」
龍三?「まるで他人事だな」
ヤルンベック?「ああ、案外ね」
龍三?「‥‥まあ良い、刹那の時を思うままに楽しむも人の子の努め。我らはそうはいかぬ」
ヤルンベック?「ほう。“貴公”が何者かは存じないが、今の“刹那”は貴公も楽しんでいたように見えたが?」
龍三?「そうかものう(くっくっと笑う)。では、我はそろそろ行こう。ぬしも気を付けて行かれい、日沈まぬ国の、蒼き葉の将軍よ‥‥」
(龍三の体から何かが抜け出て、虚空に消えてゆく。龍三は呆としながら、その場を去って行く)
ヤルンベック?「(しばし見入る)忠告痛み入る。さらばだ、日出ずる国の、名も知らぬ祖霊よ。
‥‥さて、私も帰るとするか」
(ヤルンベック(の姿をした誰か)、ゆっくりと【エンペラーズ・ゲート】から出ていく)
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