<3日目>
イスラムとローマ、そして地中海
PrevNextto the Index


●1999年11月7日(日)
7:00 起床。朝食は、パン中心の内容で、野菜がほとんどなかったような… たまには野菜も食べたくなってきたぞ…(^^;

9:00 出発。今日は、まずはムーレイ・イドリスの街へ向かいます。ここは、モロッコ初のイスラム王朝、イドリス朝が開かれた場所で、聖地なみの扱いなのだそうです。つまり、非ムスリムは入れないようになっていたらしいのです。が、最近になって、そういう人も入る事ができるようになったということで、私達もその恩恵に預れるというわけです。バスは街全体を見落とせる山の高台に上ってから、街中へと入ってきます。くねくねとした細い路地の続く、小さくて静かな街ですね。街に入ると、いきなり、オリーブ油の生成工場の見学をさせていただきます。臭いがちょっときついぞ… その後、現地ガイドさん(ツアー全体について回ってくれるガイドさんの他に、各都市ごとにその都市の現地ガイドさんがつくのです)に街中をくねくねと案内していただきます。

 歩いている間、物売りのおじさんが、やはり、寄ってきて、しつこく売りつけてきます。物はと言うと、モロッコのガイドブック。オールカラーで写真入りの、割ときれいそうなもので、しかも、日本語版! とりあえず、「How much?」と聞いてみると、「200DH.」(モロッコの通貨は、DH(ディルハム)) で、ちと高いかなということで、さっさと歩き去ろうとすると、なおもしつこく食らい付いてきます。そのあまりのしつこさに、こちらも、歩きながら値段交渉します。皆さんの後を追いながら、急な階段なんかを下りながら、懸命に交渉して、150DHで示談成立。ま、決して、損をしたとは思いませんし、なかなかいいものを買った、かな…?(^^;ゞ

ムーレイ・イドリスの街

聖地ムーレイ・イドリスの美しい街なみ

10:30 ムーレイ・イドリスのすぐ近くにある、ヴォルビリス遺跡にやってきます。ここまでは、イスラム文化を見てきたわけですが、ここは、そう、ローマ帝国の遺跡であります。モロッコの高原の中に、こんなローマの遺跡が出現するなんて、何か不思議な気もするのですが、それは、さすが、ローマ帝国の権勢の強さを示すものなのでしょう。カラカラ帝の凱旋門のような巨大な門や、カピトールのような大きな建物が建ち並ぶ様は、まさに荘厳であります。まるで、ここは、イタリアかギリシャか?と思わせるよう。(って、イタリアやギリシャがどんなんか知りませんが。)よくもまぁ、こんなものを作ったものです。しかも、実際の都市の規模はこれの数倍あったのでは、というのです。何よりもローマの都市の特徴でもある、劇場がまだ出土していないのだそうで、それを考えると、どうしても、今の遺跡の数倍以上の都市規模であったのではないか、というのが定説(?)なのだそうな。一体、どれだけ広大な都市がここに築かれていたのか…考えるだけでも恐ろしくなってきます。それに、さらに感心するのは、住居跡の床に残されたモザイクがきれいに残っていること。オルフェウスのモザイクや四季の女神のモザイクなど、ほんとに美しく保存されていて、感動ものでした。しばし、まだ見ぬローマへの思いに浸るひとときなのでした…

ヴォルビリスの遺跡大門
これがヴォルビリスの遺跡だ!
凱旋門
モザイク柱
四季の女神の描かれたモザイク
そびえ建つ柱の列

12:00 遺跡を歩き回って、ちょっと疲れたところで、昼食。遺跡を見下ろせるような高台にあるホテル、「Volubilis Inn」さんです。内容は、トマトとツナのサラダ、肉のクレープ包み、マトン肉の煮込み、といったものです。今回は、ちと辛かったのでワインはなし、とさせていただきました。(;_;)

13:30 出発。ヴォルビリスから、バスで一気に地中海岸のティトゥワンへと向かいます。最近にできたとかいう高速道路を使って、ちょっと回り道をするような格好で、バスは北上していきます。広大で肥沃な大地が車窓に広がり、実にダイナミックなモロッコの大地を感じることができます。どこまでも続く平原の中に、山羊の群れがいたり、さとうきびの畑が広がったり、見ていて、飽きないものです。途中、1回のトイレ休憩を取って、バスはひたすら、北を目指します。それにしても、モロッコの大地は広大だなぁ…

18:00 とっぷりと日も暮れてしまいましたが、ティトゥワンの街並が、バスの前方に見えてきます。山の中に、白くぼぉっと浮かび上がる街並は、とっても幻想的で美しいものです。バスは、街を通過して、郊外のホテルへと向かいます。

18:30 ようやくのことで、ホテルに到着。今日のお宿は、「HYATT Regency Marinasmir」さんです。…さすが、ハイアット、むっちゃ、いいホテルですね。リゾートホテルのような雰囲気で、お部屋も最高。まさに新婚旅行向けの宿にはぴったりですね。(^^; テラスからは、暗がりではっきりとは分かりませんが、地中海を眺めることができます。地中海! この目ではっきりと見届けるのは、明日にしましょう…

19:30 夕食。ホテルの階下にあるレストランでです。テーブルの演出が、まるでどこかの披露宴のよう。メニューは、野菜スープに、魚フィレのトマトソース、デザートのティラミスにコーヒーです。またまた私達は、これに追加でワインを注文。今回は「CAP BLANO」という白のワイン。昨日のよりはずっと口当りもいいですね。ついつい、飲んでしまいます…

23:00 はたと気がつくと、妻はもう寝てしまっている… 私も寝ることにしましょう。

← 前へ▲ もくじへ→ 次へ