<5日目> フェズでお買い物三昧? | |||||
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- ●1999年11月9日(火)
- 7:00 起床。ぐっすりと眠ったせいか、お腹の調子はだいぶ良くなってきました。これなら、1日、ツアーに参加できそうです。でも、まだ、たまに痛みはやってきますので、朝食は控えて、ヨーグルトのみ。
- 9:00 出発。今日は1日、フェズの市内観光です。まずは、旧市街(フェズ・エル・バリ)全体を見下ろせる、南の砦へ。高台に築かれた砦で、ここから、フェズの街全体を一望することができます。そして、どの辺りをこれから歩くか、添乗員さんから説明を聞きます。街の建物の壁がベージュ色に輝いているのが、印象的です。
- そして、いよいよ、フェズ・エル・バリへ、実際に入って行きます。バスは、東側の門を入った辺りまで行ってくれて、そこから先は、私達自身の足で歩くのです。バスを降りると、そこはもう、喧噪の世界。狭い道を、大勢の人々が行き交い、道の両側には、様々な店が連なり、時折、「バラック!」という大声とともに、荷を積んだロバが通り過ぎ… と、まさに人々の活気が息づいている街、という感じがします。でも、その道は、本当に狭くて、しかも、これがくねくねと曲がりくねったり、アップダウンしたりして、ここは、一体どこ?と不安に思うほど。もちろん、今日もフェズの現地ガイドさんがついているのだから、何も心配なことはないのですが、それでも、昼なお暗いトンネルのような道をぐるぐると、同じ箇所を回っているかのような錯覚に陥ってしまいます。
フェズ・エル・バリの細い路地を行く。
- そうやって、まずやってきたのは、アンダルース・モスク。ファティマの妹が造ったというモスクで、由緒あるところです。残念ながら、非ムスリムは入れませんので、門を見るだけですが、それでも、何か、品のある門は美しいですね。それまでの雑踏とは別の世界のよう。そして、また狭い路地をくねくねと歩いて行きます。やがて、フェズ川に出ます。と言うても、この川は、地下河川になっていて、その上をさらに歩いて行きます。足下に水たまりができていて、ちょっとぐちょぐちょ状態。フエズ川を西側へ渡り、しばらく行くと、フェズ・エル・バリの中心でもあるカラウィーン・モスクに出ます。ここは、ファティマによって建てられたモスクで、世界中でも一番古い大学の一つなのだそうです。ここもやはり、非ムスリムは入れませんので、門から中をちらと覗き見るだけです。でも、なかなか雰囲気のいい感じがします。また、すぐ近くのアッタリーン・マドラサにも寄ります。ここも神学校です。学校とは言うても、その壁面と埋めつくす彫刻の素晴らしいこと! こんなところで勉強できるなんて、何とも贅沢なことなのかもしれませんね… さらに歩いて行くと、やがて、なめし革の職人街にやってきます。と、ガイドさんから、何故か手渡されるミントの葉。ミントの葉を手に、全員、案内されるままに、一つのお店に入っていきます。…これが、なめし革製品のお店なんですね。結構、ぷーんと匂ってきます。たくさん並べられた革製品の間をぬって出たところが、ちょうど作業場を見おろせるテラスのようなところ。丸い染色のための桶が並んでいて、そこで手作業で、革を染めている職人さん達を見ることができます。…けど、匂いますね。さっきのミントの葉はこのためにあったんですね。ミントの葉を鼻の前に掲げて、ミントの匂いで、鼻をごまかそうという寸法なわけです。作業場を見ながら、しばしの休憩です。
- 店を後にして、さらに道は続きます。と、どこからか、子供達の元気な声が。さっきの神学校ではありませんが、子供達にコーランを教える学校のようなものがあって、そこで、子供達が一生懸命にコーランを朗読(?)しているのですね。日本の寺子屋のようなものなのでしょうか。姿は見えないけれども、何か、微笑ましいものです。程なく、サヴィア・ムーレイ・イドリス廟に着きます。ここは、先日に訪れたムーレイ・イドリスの街を築いたムーレイ・イドリス1世の息子の、ムーレイ・イドリス2世のお墓なのです。イドリス2世が、ここフェズの街を都として築き上げたわけで、言うなれば、フェズにとっては最も大切な場所。もちろん、非ムスリムは入れませんが、熱心にお祈りをしてはる信者の方の姿を、垣間見ることができます。とっても神聖なところなんですね…
- そうして、さらに、フンドゥークという、昔の隊商宿も少し、見せてもらいます。1Fが厩になっていて、2Fがお宿というもので、かつては高級ホテルなのだったそうです。が、今では、職人さん達の入る、工房として使われているんですね。私達が入ったところでも、職人さんが、熱心に真鍮細工か何かの作業をしていました。職人さんと言えば、もう一つ、機織りの工房も見せていただきました。古くからの手回しの機織り機で織っていきはるのですね。ほぉ、と感心して見ていました。そうこうしていると、道はスーク(市場)の中に入っていきます。真鍮細工のスークや、家具のスーク、食品のスーク等を経て、ようやくに、狭い道から抜け出します。午前中の行程のゴールに到着です。
- と、案内されて入っていったのは、カーペット屋さん。広いフロアの周りに椅子があって、そこに我々は座って休ませてもらうのですが、すぐに、店の人等が、あれこれとカーペットを持ってきては、床の上に広げていきます。いわゆるペルシャ絨毯とは、ちょっと違うような気もするのですが、モロッコの絨毯には、後で調べてみると、大きく2種類あるのですね。原住民のベルベル人の絨毯と、伝来してきたアラブの絨毯と。前者は、何か動物らしきものを象ったようなデザインがしてあったりして、ちょっと可愛らしい感じのもの。後者は、幾何学的な紋様のもので、ペルシャとはちょっと違うけど、でも、どことなく似ているような、そんな感じのものです。で、お店の人は次から次へと出してきて、熱心に、これはどうか?と私達に聞いてきます。サイズもいろいろとあって、大きい絨毯から、小さなもの、玄関マットに使えそうなものまで、出てきます。私達もどうしようかと思いながら、じぃっと見ていたのですが、玄関マットサイズのものが出てくると、何か、欲しくなってしまって、その辺をちょっと真剣に物色してみます。で、フェズと言えば、やはり、フェズ・ブルー。コバルトブルーの鮮やかな色で、この色の陶器はぜひとも買おうと思っていたのですが、ここでも、同じような色のカーペットが、…あったんですね、これが。濃いフェズ・ブルーを大胆に取り入れた、ごく小さなサイズのカーペット、聞けば、全て手作業で織り上げたものなのだそうで、粘りに粘って、900DH(約9,000円?)でGET。ちょっと高価な気もしたのですが、それでも、現地ガイドの方に聞けば、やはりハンドメイドで、この値段は相場、もしくは安いくらいなのだそうです。でも、綺麗なものをGETできました。日本に帰ったら、玄関に置くことにしましょう。
これがモロッコの絨毯だ!
- 12:30 歩き回った午前中が終わり、昼食。実は、このカーペット屋の屋上がレストランになっているんですね。狭い階段を上がっていくと、…眺めがよくて、フェズの街を見渡すことができます。でも、食事の方は、まだ、お腹の調子が全快していないので、ほとんど手をつけることができず。パンとスープをちょっとつまんだ程度で終わり。え〜ん、食べたいよぉ… ウェイトレスの女の子が、BGMに合わせて軽やかに踊っているのを見せてくれて、それに見とれているのでした…(^^;
レストランからフェズ市街を見る
ブー・ジュルード門 →
- 14:00 午後からは、ゆったりと回りましょう、ということで、バスに乗り込んで、フェズ・エル・ジェディド(新フェズ、新市街とは違う)の王宮へ向います。途中、ユダヤ人街があり、家の造り、特に木の窓枠に特徴があるのが分かります。でも、今はここにもイスラムの人達が住んでいるのだそうです。そして、王宮。どぉん!とそびえ建つ門が印象的です。ここの門は滅多に開かないのだそうで、有史以来、3回くらいしか開いたことがないとか。それくらい大事なところなのですね。でも、門の隙間から中をちらっと見ることはできますよ、との添乗員さんの言葉に、皆さん、顔を門に近付けて、その隙間から覗き見ようとしてはりますが、…朝からずっと晴れていたからか、門自体がかなり熱くなっていて、顔を近付けた途端、熱い〜!って、皆さん、大声をあげていました。私はそこまでしませんでしたけど…(--; そして、またバスに乗って、青の門へ。ブー・ジュルード門です。フェズ最大の門なのだそうで、また、青色の彩色がとても綺麗。しかも、門の裏側には、青と対比を成すように、緑色で彩色されていて、とても印象的です。綺麗な門ですねぇ。
- そうして、再び、フェズ・エル・バリの中に入ります。が、今度は、そうたくさん歩くようなことはありません。まず訪れたのが、とある普通のお宅。もちろん、予め了承はとっているのでしょうけれど、一般人の普通の家庭にお邪魔させていただきます。今までは、モスクとか王宮とか、そういう何か特別な建物ばかりを見てきたのですが、ここで、ではモロッコの普通の人はどういうところに住んでいて、どういう暮らしをしているのか、を肌で感じる、というのが、この訪問の趣旨であります。玄関を入り、中庭を過ぎて案内されたのは、居間。普段はここでくつろいではるというお部屋に私達を案内してくださったのです。ははぁ〜って感じで、腰を下ろすと、テーブルの上には、ティー・ポットが置いてあります。これまでも、ホテルとかで、ミント・ティーをいただいたりしてきていたのですが、ここで、改めて、これがほんまのミント・ティーだ!講座の開講です。(^^; 簡単にその作り方をまとめると、
・ポットの中に、緑茶(!)の葉を入れる
・その上に、ミント(もちろんフレッシュ)の葉を、がばぁっとたくさん入れる
・砂糖をたっぷり(?)入れる
・お湯を高いところから、注ぎ込む
・ポットを軽く火にかける
・カップに、高い位置からティーを注ぎ込む
・1杯目のカップの分は、いったん、ポットにもどす
・あとは、順番にカップに注ぎ込んでいく(高い位置から)
…となるでしょうか。でも、確かにこうして、作っていただいたミント・ティーは、それまでにホテル等でいただいたものとは違って、変に甘過ぎたりせず、とっても美味しかったです。お腹のことがちょっと気になって半分残してしまったのが、ちと残念ではありますが… お茶をいただいてくつろいだ後、キッチンも見せていただいたりして、その質素な生活ぶりに感じ入るのでした。
- お家を出て、次にやってきたのは、近くの工芸品店。真鍮細工の実演も少しだけ見せてもらいましたが、ここでは、もちろん、お買い物。金のお皿や、銀の食器など、所狭しときらびやかなものがずらりと並んでいます。私達は銀の食器の方へ行って、しばらく物色していました。目に入ったのは、銀のティー・ポット。別にさっきのお茶が美味しかったから、というわけでもありませんが、添乗員さんもこのポットはお勧め、と言うてはったのを思い出して、どうかな、と思ったのです。大きさもいくつかあるのですが、別に今の私達には、そう大きなものは必要ありませんから、2人分くらいが作れそうなものを選びます。これにポットの下にしくお皿もつけて、で、店員さんとの値段交渉開始。こっちは、さっきのカーペットで結構な額を使ってしまっているので、なるべく安くしたいので、とにかく下げてくれと必死に訴えます。「We don't have so much money!」…妻と2人で必死に粘ることしばし、希望のポット+下敷きの皿のセットに、小さくて可愛らしいガラスのコップ2つをつけてもらって、これで、何と、500DHでGETすることに成功。いや、これだけのもの、日本円で5,000円くらいではなかなか買えないでしょう。いや、素敵なものをGETすることができました。満足、満足。(^o^)v
工芸品の数々。どれも素敵なものばかり。
- 続いては、衣裳のお店へ。ここでは、お買い物、というよりは、現地の人の衣裳というものを間近に見て、また、それを実際に体験する(つまり着せてもらえる)というのが目的。ちょうど、ツアー参加者の中に、そうした服が似合いそうな女性の方がいらっしゃって、餌食、じゃない、モデルとして、いろいろと着せてもらっていました。うん、やっぱり、似合っているよね、と妻と話していると、現地ガイドさんがお店の方と一緒に、私達の方へやってきて、新婚だから、ということで、婚礼の衣裳を着せてやる、と言うてきたのです。モロッコの婚礼衣裳! またとない機会ですから、多少のとまどいはありながらも、嬉しそうに、着替えてさせてもらいます。ま、着替えと言うても、今着ているものの上から、すっぽりとかぶるという感じなのですが、これが、ちょうど、ぴったりと私の体に合って、なかなかいい感じです。頭の上にちょこん、と帽子をのせると、これで完了。妻も着替えていて、すっかり、綺麗なモロッコの新婦になっています。2人、並んでみると、…果たして、ちゃんと新郎新婦、という図になっているかしらん? 私達のカメラで何枚か、撮影していただいて、帰ってからが楽しみです。うまく撮れているといいな。
- 最後に、陶器屋さんへ向います。陶器屋は、メディナの中にはなくて、郊外に出ているのですね。煙が出るから、街中ではちょっと迷惑、というので、郊外へ移したのだそうです。ということで、バスへ乗り込んで、その場所へ向います。途中、朝の南の砦とは対を成す、北の砦に来ます。ここで、もう一度、今度は夕日を浴びて輝くフェズの街を上から眺めます。そして、陶器屋へ。ここも工場と一体になっていて、まずは、製造工程を順に見せていただきます。ろくろを回して巧みに器を作り出していく職人さんの至芸には感心します。さすが、ですね。製造の過程が分かったところで、またまたお買い物タイム。店内には、これまた数多くの陶器がずらりと並んでいて、どれを買おうかと悩むほど。どれにも美しいフェズ・ブルーが入っているから、その悩みもまた、ひとしお。悩んだ上で、一つ、フェズ・ブルーの美しい紋様の小鉢を選びました。そして、レジの方へと、ぶらぶらと歩いていくと、途中、妻がはたと立ち止まります。これ綺麗!と言うそこには、これこそまさにほんまのフェズ・ブルーという色の小鉢、しかも、その縁には銀の装飾がしてあり、とってもお洒落なものが、あるじゃないですか。しかも、色違いで、これまた鮮やかな黄色の器もあって、うん、これも素敵、と。まぁ、そんなにも高くないから、買ったらいいんじゃない?ということで、計3つの陶器を購入、ここでは団体適用で、10%のディスカウントがきいて、割と安くに、これらの素敵な陶器をGETすることができました。これで450DHだったら、安いもんでしょう。日本円だったら、3点で、1万円してもおかしくないくらい。いいお買い物です。(^o^)v
フェズ・ブルーの素敵な陶器の数々。
- 18:00 ホテルへ戻ってきます。で、今日の夕食は、何でも、ショーがあるのだそうな。でも、今日はちょっと疲れたし、お腹のこともまだ気になるので、他のおばさんからいただいたお粥を食べることにして、食事はキャンセルします… ちょっとショーには興味があったのですが。(後で聞いた話では、あまり、期待していたようなものではなかったそうな…)
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