<10日目> 再びカサブランカへ | |||||
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- ●1999年11月14日(日)
- 7:00 起床。そして朝食。昨晩のパスタに代わって、朝は卵を料理するスタンドが出ています。特に何も注文しませんでしたけど、やはり、目の前で作ってもらうと、ひときわ美味しいのでしょうね。どんなものが食べられたのだろう…?
- 9:00 出発。マラケシュを後に、アトラスからも離れて、いよいよ、最後の目的地、カサブランカへ向かうのです。なだらかな平原の広がる中を、バスはひたすら、北へと走ります。これで、いよいよ最後だ、と思うと、妙に切なくなったりするものです。モロッコらしい風景というのは、もうこれで見納めになってしまいますからね。どこまでも続く平原をぼぉっと眺めながらバスに揺られていました。
- 12:30 行手にムハンマド5世空港が見えてきたと思うと、しばらくすると、バスはカサブランカ市内に入ってきます。やはり、モロッコ第一の大きな都市というだけあって、これまでの町とは違いますね。その整備された町並みに、ほぉ、と思います。とっても近代的できれいな町なんですね。しかも、バスは、アンファの丘という、高級住宅街を走っているのだとか。周りには、本当の豪邸がずらりと建ち並び、なかなか壮観な眺めであります。芦屋や御影・岡本の住宅街と比べものにならないほどのもので、いやぁ、モロッコのお金持ちってこういうところに住んでいるんだぁ、と感心してしまいます。そして、昼食を取るレストランに到着です。大西洋に面した、眺めの良いところです。大西洋! ラバトで見て以来、再び見ることができるとは、何と嬉しいことでしょう。相変わらず(?)波がちょっと高いようですね。その荒々しい様は、ずっと見ていても飽きません。でも、景色はあとでゆっくりと見ることにして、まずは、昼食。メインは白身魚のムニエル。結構さっぱりとしていて、美味しかったですね。でも、一番美味しかったのは、デザートのプリン。手作りという風味がとっても美味しかったです…
再び、大西洋を望む…
- 14:30 カサブランカ市内観光に出かけます。まずは、ハッサン2世モスク。見るべきところがあまりないというカサブランカを代表する観光ポイントです。前国王ハッサン2世が建立したモスクで、それはとっても現代的、というか、イスラム教らしくない、多分にヨーロッパの影響を受けていると見てとることができます。ベージュ色に薄い緑色で装飾されているミナレットが、青く輝く空に映えていて、それはそれは美しい光景です。今までも多くのモスクを見てきましたが、ここまで美しいものは、他にはなかったと思います。彫刻も実に繊細で、じぃっと見ていても飽きません。いやぁ、実に素晴らしい。見ていて、何か、ヨーロッパの教会を思い出してしまったのは、私だけでしょうか… そして、近くに寄って行くと、何と、下の扉が開いているじゃないですか。他のガイドツアーが入っている時間にちょうど、ぶつかって、そのために扉が解放されているのです。こんなこと滅多にないですよ、とは添乗員さんの言葉。そこで、その滅多にお目にかかれない内部を覗いて見ると、これまた、美しい装飾が施されています。白い大理石の柱や豪華なシャンデリアも印象的ですが、天井や壁に施された、細やかな彫刻が実に見事で、感動ものです。こんなに素敵なものを拝むことができて、とてもラッキーでした。内部を見た後、ちょっとだけぶらぶらとして、大西洋が見えるところまで歩いていきます。このモスクも大西洋に面した所に建っているのです。海と空の青色に映えるミナレットは、何度見てもきれいですね… 妻も信者になりきって、マラケシュで買ったサリーを頭にかぶり、ご機嫌、なのでした。(^^;
ハッサン2世モスクのミナレット →
滅多に見ることのできないという、ハッサン2世モスクの内部 ハッサン2世モスクの回廊
- 15:10 ムハンマド5世広場へ。街の中心になるところなのか、噴水があって、人だかりがしています。道の向いには市役所、裁判所、フランス領事館が並んで建っています。ふと広場の端の方を見ると、映画「タイタニック」の看板が出ているじゃないですか。う〜ん、やっぱり、カサブランカは大都会なんだぁ、なんて思ってしまいます。(^^; そして、さらに少し行って、国連広場の辺りで、バスを降ります。そして自由行動となるのですが、大体、皆さん、行くところは決まっているようなものですね。土産にクッキーを買いたいという要望に応えて、現地ガイドさんがお店を探してきてくれます。そして、そこへ向う私達、総勢10名くらい。着いたお店は、小さな街のパン屋さんといった感じのところ。そんなところに、いきなり、日本人がこんない大勢、来たものだから、お店の方もかなりびっくりしたのではないかしらん… 見ると、美味しそうなクッキーが並んでいます。全部バラで売られていて、箱に詰め合わせて、1箱約500グラムで50DH。ただし、あまり数がないみたいなので、これとこれと…といちいち注文することはやめて、全種類のものを詰め合わせた箱を作ってもらい、それを皆で分けていく、という形にします。そりゃ、大勢で、これは入れて、あれは入れないで、と注文を言うたら、お店の人も混乱するでしょう。添乗員さんの指示で、何とか、無事に全員にクッキーが行き渡ったのでした。私達も土産に、盛り合わせ2箱を買いましたが、それにプラスして、後から2種類だけの詰め合わせをお願いして(これは自分達用…)、計3箱。どんな味がするのか、早く食べたいな。
ムハンマド5世広場
新市街を歩く
- そして、再び国連広場へ戻り、そこの端に建っているホテル「Casablanca Hyatt Regency」に入ります。と言うても、ここに泊まるわけではありません。このハイアットの中に、有名な「バー・カサブランカ」があるのです。かのハンフリー・ボガートとイングリッド.バーグマンが共演して名高い映画「カサブランカ」をイメージして(撮影自体はハリウッドで行われたらしい)、後から作られたバーなのだそうです。店内には入りませんでしたが、外からその雰囲気だけでも味わうことができた、かな… それにしても、やはり、ハイアットはすごいホテルですねぇ。ここもロビーだけでも、すっごくきれいで、圧倒されてしまいました…(@@;
憧れの”バー・カサブランカ”
- 16:50 ホテル「Holidey Inn Casablanca」に到着。最初の日の夜中に着いたホテルと同じです。帰ってきたぁ、という感じもしますが、部屋に入り、ゆっくりと夕焼けを眺めながら、ぼぉっとして過します。その気になれば、近くの酒屋等で、お土産用のワインを物色することもできたようですが、私達は、疲れたから、ということでパス。その代わり、部屋で、先程買ってきたクッキーを開けてみることにします。アーモンドとココナッツ、それぞれのクッキーに砂糖がたっぷりとかけてあるものですが、結構、いけますね。どこか素朴な感じのする味わいです。うん、これはとっておいて、日本に持って帰ってからも食べることにしよう。(^^)
- 19:15 出発。今日の夕食は、ホテルの外のレストランでなのです。バスに乗り込んで、夜のカサブランカ市内を走って行くと、やがて、ハッサン2世モスクがライトアップされて夜景に浮かび上がっているのが、見えてきます。綺麗! 昼間の容姿もとても素敵でしたが、こうして、ライトアップされると、また、その美しさが一段と映えてきますね。グリーンの色の光がとても幻想的な雰囲気を出しています。この美しさに見とれていると、やがて、バスは海岸近くのレストラン「La Piccola Roccia」さんに到着。小さなお店ですが、なかなか雰囲気のあるお店です。で、お店の中に入ると、添乗員さんから、さっきの答は?と聞かれます。実は先程、市内観光からホテルへ向うバスの中で、添乗員さんと現地ガイドさんから、クイズが出題されていたのです。この旅行中、ずっとバスで移動してきたのですが、さて、その走行距離の合計はどれくらいになるでしょう?という問題です。ホテルの部屋の中で、妻と考えていたのですが、予めもらっていたツアーの旅程表に書いてある距離を純粋に足していくと、2,025Kmになるのです。でも、実際はこれだけでなくて、フェズやマラケシュ等の市内観光の時にもちょこちょことバスで移動しているし、また、ヴォルビリスからティトゥワンへ向う時もちょっと迂回するような感じで移動してきたらしいから、これよりは多いはずだ、と。で、どれだけ加算するか、が問題になるわけです。考えることしばし、…分かんない、ということで(おいおい…)、適当に数字をあげることにします。2,345Kmなんて数字が並んでいてどう?と妻に言うと、つまんなぁい、とそっけない答が。(;_;) で、真面目に考えてどれくらいかなぁ、と言う妻に、じゃ、2,211Kmくらいでいいんじゃない?と言うと、とりあえず、それでいこうか、ということになったのでした。で、その答を添乗員さんに1人ずつ答えていって、レストランの席に着きます。
- 席に着くと、現地ガイドさんがせっかちなのか、すぐに正解者の発表となります。どんぴしゃりの正解というのはないのですが、とっても近い数字を言われた方がいます、とのことで、誰だろう、と思っていると、現地ガイドさんが、その名前を発表します。…ん? うちの妻じゃないですか! うそ、やったぁ!と2人で喜び合います。何でも、正解は2,207Kmなんだそうで、妻の答と、わずか4Kmの差しかないと。ガイドさんも運転手さんも、どうして、そんなに近い数字を出すことができたのだ、と驚いていたようですが、何はともあれ、見事に当たって、よかった、よかった。続いて、2位の方も発表されて、そして、賞品の授与、となります。賞品と言うても、ごく簡単なものなんだそうで、ワイン(お持ち帰り用ではなくて、このディナーの時のお飲物としてのものです)とモロッコの音楽のテープとの2点から選ぶように、と言われます。まずは、1位の妻から。どっちがいい?と聞かれて、う〜ん、ワインは飲んでしまえばなくなってしまうから、テープの方がいいかな、と言うと、ちょっと考えて、妻もテープの方を選ぶ、と言います。そして、2位の方がワインをGETされます。ちょうど私達の隣に座っていらっしゃったご夫妻の奥様の方が入賞されていたのですが、私達だけでは、ワイン1本は多いから、と全員にこのワインを注いでくれるようにと言うてくださいます。おぉ〜と盛り上がる会場。このワインで乾杯をして、そして、最後の晩餐が始まります。私達は、カサブランカの地ビールを注文しました。ティトゥワン以来、お腹をこわしてからはアルコールもずっと控えてきていたのですが、今日はもう大丈夫でしょう、ということで、私も飲ませていただきます。コクがあって、とっても美味しいんだな、これが。普段はビールをあまり飲まない妻も美味しいと言うて、嬉しそうに飲んでいました。メニューは、前菜に始まり、シーフードのフライ、メインは白身魚のフィレ、それにデザートのケーキがつきます。隣の2位のご夫妻とお話しながら、楽しいディナーとなったのでした。
- 22:15 食事を終えて、ホテルへ帰ってきます。楽しい時はこうして過ぎていってしまったのでした… 明日はもう、飛行機に乗って帰国だなんて、いやだぁ〜、もっとモロッコにいたぁ〜い、と泣きたいような気持ちになってしまいます。妻と2人、いろいろとあったけど、楽しかったねぇ、としみじみと語り合いながら、早々に寝るのでした…
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