Prelude=前奏曲(旅立ち)
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太陽が沈み、どのくらいの時間が経ったのか☆ 滑走路の誘導灯が長く夜空に続いて行く。
11月の空港待合室...夏の喧噪が嘘の様に
目が覚める。
遠く雲海の彼方が茜色からオレンジ色に輝きを |
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Part−1 モンマルトルの丘(パリ・・・1)
メトロ・2号線、Anvers駅から遠回りに なるが、路地の様な裏通りに入る。表通りとは 対照的に、パリの人々の生活を直接感じられる 通り...通りの空間の先にはモンマルトルの 丘にそびえる、サクレ・クール寺院の姿。 サクレ・クール...パリ、いやヨーロッパの 中でも最も美しい寺院だと思う。 サクレ・クール寺院への階段を、一歩ずつ踏み しめながら、ユトリロやロートレックを想う! そして、テルトル広場に集う似顔絵描きを見な がら、夢を追い続けていた頃に想いを巡らす! そんなパリの昼下がり...モンマルトルの丘。 |
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中央駅からシュピタル通り、マルクト通りへと 続く石畳の道。道路の両側にはLaubenと 呼ばれるアーケード... 中世の香りが深く漂うこの通り。スイス、いや ヨーロッパ一の美しい通りかも知れない。 そして、グラム通りの入口に立つ時計塔。 500年にも渡り、時を刻み続けている時計に 中世の面影を見る。 グラム通り入口から右に折れると、アーレ川に 架かるキッフェンフェルト橋。橋の上から振り 返ると、連邦議会、そして大寺院の姿。 600年前に礎が築かれた寺院や石畳の通りに 置かれた噴水に、スイスの歴史を想う! |
小学校の音楽の授業。初めて耳にした、”音楽の都 ウィーン♪” ウィーンの中心部、リンクと呼ばれる馬蹄型の環状 道路に沿い、ウィーン国立歌劇場からそう遠くない 所に、Burggarten(ブルグ公園)がある。 緑に包まれた公園... ベンチに腰を下ろして、お喋りに興ずる人々。 ブルグ公園の中心に置かれた、モーツァルトの像を 見つめていると、たくさんのメロディーが心の中を 駆け巡る。 優しさに溢れるセレナーデ...自由に舞い上がる ディベルティメント、そして悲しみに満ちたト短調 シンフォニー。 そう、モーツァルトの哀しみは疾走する... |
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72番のヴァポレットは、大運河を少し走ると 大きく曲がり、アドリア海上に出る。 少し波が荒い外海を走って20分。ベネチアン グラスの島、ムラーノ島に着岸する。 ベネチアン・グラス工房が建ち並ぶ通り... 美しく魅惑的なグラスの色。 かつては、その製法が流出するのを防ぐために ガラス職人達は幽閉され、ムラーノ島を離れる 事を許されなかった。 それは、鉄格子のない牢に閉じ込められている 罪人の様であった...そして、この島を出て アドリア海上からムラーノ島を見る事が出来た 職人は一体、何人いたのだろう? そんな歴史が込められたベネチアン・グラスの ワイン色に職人達の悲しみを見る。 |
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Part−5 山村の小さな宿にて(ミューレン,スイス)
シルトホルンがリッチュネンの谷に鋭く落ちる 肩に、その村は引っかかる様に佇んでいる。 ミューレン...ベルナー・オーバーラントの 宝石とでも言った方がいいかも知れない村。 リッチュネンの谷を挟んで、初めて訪れた者を 圧倒するユングフラウ。 そして、まるで屏風の様に谷を取り囲んでいる、 ベルナー・オーバーラントの山々... 小さなホテルのベランダで、アルプスの山々を 見つめながら、大切な人を連れて来れなかった 事を、少し悔やむ。 そうだ、絵葉書を書こう。口に出せない想いを 込めて...アルプスの小さな村から。 |
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Interlude=間奏曲(北回り便の想い出)
旧塗装が懐かしい...78年11月3日 |
かつて、ヨーロッパへのメイン・ルートは、夜 日本を出発してアンカレッジにてトランジット する、北極経由だった。 1958年、スカンジナビア航空が切り開いた このルート...出発の興奮から解き放たれた 頃、フライトはアンカレッジに寄港する。 待合室や免税店は多くの乗客で溢れ、華やかな 雰囲気に包まれていた。 待合室のソファに腰を下ろし、翼を休めている 旅客機を見ながら、これから訪れ様としている ヨーロッパの街並や自然を想う... 再びヨーロッパに向かって飛び立った旅客機は 名峰マッキンリーを巻く様に高度を上げる。 北極経由、アンカレッジ空港に翼を休めていた 旅客機達。懐かしさだけが残っている... |
ロマンと少し危険な香りの漂う地中海。 モンテカルロからニースに至る海岸線は世界一 華やかで、そして訪れる全ての人々の心を麻痺 させる妖しい魅力を放つのだ。 砂浜...何のためらう事もなく、肌をさらけ 出し日光浴に興ずる人々... ホテルのベランダに置かれたデッキ・チェアに 身を委ねながら、紺碧の地中海に目をやる。 焦点が定まらないのは、さっき飲んだばかりの カクテルのせいだけではなさそうだ。 気だるいばかりのコート・ダジュールの午後! |
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ロンドン...時代を感じさせる響きの街。 この街を貫いて流れる、テムズ川の畔に佇んで いると、100年の時がタイム・スリップした 様な不思議な感覚に襲われる。 石畳の道を何台もの乗合馬車が、歩行者の間を 縫う様に行き来している。 霧が街を覆い尽くす。 外から帰ると、芯まで冷えた体を、暖炉の火と 暖かい紅茶が救ってくれる。 シャーロック・ホームズが大好きだった少年は 大人になった今も、19世紀の香りを漂わせる ロンドンの街に事件の予感を感じる。 |
ネッカーの穏やかな流れを見つめながら、古い 恋物語を想う。 叶うはずのない恋に心を焦がすのは、今も同じ。 叶わない恋ほど、熱く激しく燃え上がるのだ! 溜息と一緒に目を上げれば、ハイデルベルグの 古い城の姿... そして「カール・テオドール橋」を渡る人の姿。 彼等も古い恋物語を心に想いながら、それぞれ 愛して来た人を...未来の恋人を心に描いて いるのだろか? たおやかなネッカーの流れ、ハイデルベルグの 歴史を見続けて来た城...そして、今も変わ らぬ、恋への憧れ... |
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歴史に彩られた街、ウィーン♪ 音楽そして 芸術の都。
街角や公園の中に佇む作曲家達の銅像巡りも
日々の喧騒から逃れ、中世の街並みに同化し
さて、もう少し歩いてみよう。 |
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Part−10 カルチョの魔力(ミラノ・・・1)
歓声と怒号が交錯するスタジアム! カルチョの魔力に取り憑かれた人々は、今日も やって来る。 見果てぬ夢を、そして、決して尽きる事のない 欲望をピッチを縦横に駈け回る選手に託すのだ。 ゴール裏...発煙筒の色煙の中、選手を鼓舞 する歌声が響く。 彼らは何を思い、何を求めて集まるのだろう? ゲームが終わった後も、そこを離れるのを拒む 様に、彼らは歌い続ける! 明日から繰り返される退屈な日常...それに 耐えるエネルギーをカルチョに求めるのか... |
インテル・サポーター)....00年4月2日 |
ブドウを買いました...00年4月4日 |
旅先での数多くの出会い...それは旅の思い 出に、時には切なく、そして微笑ましい彩りを 添えてくれる。 始めての出会いは、’78年のスイス、一人で 出かけたミューレンで出会った、台湾の青年! それから、数え切れない人々が心のアルバムを 飾っている。 サン・モリッツのホテルで一人で食事していた 僕をテーブルに呼んでくれた地元のおじさん達。 ディセンティスのホテルでは、休暇でドイツの 大学から手伝いに帰っていた子と仲良くなった。 出発する時に吹き抜けた、少し切ない風。 サンシーロ・スタジアムで一緒にレッジーナの 応援をした、ちょっと見かけは怖そうな人達♪ 旅先の出会い...たとえ一瞬でも同じ時間を 過ごした忘れ得ぬ人々。 |
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Part−11 夢の物語(マイエンフェルト,スイス)
“アルプスの少女”の物語について話をしよう。 誰もが知っている“ハイジ”の物語...もう 100年以上前の物語なのに、今も何と新鮮に 心の琴線に響いて来るのだろう。 マイエンフェルト、そこは“ハイジの故郷”♪ この小さな村に降り立った時に、誰もが感じる ハイジの面影、そしてアルプスの夢の物語。 駅前から南の高台に歩を進め、振り返りながら 見つめるマイエンフェルトの家並とアルプスの 山々... マイエンフェルトを訪れた人とハイジの思いが 直結する瞬間。 |
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初めて訪れる異国の街を、行き先も決めないで ぶらぶらと歩くのが好きだ。 ボローニャ...古い学生の街。未来の希望に 溢れた若者達の姿が眩しい。 マッジョーレ広場の石段に座り、おしゃべりに 興じたり、本を開いている学生達をいつまでも 見ていた。 目を閉じると、四半世紀の時間が直結する。 キャンパスまでの道のりを、友達とふざけ合い ながら...恋人と、未来を夢見ながら歩いた 自分がそこにいた... |
パリ...それは“憧れを映す街”。 『Gare de Lyon』のカフェで胸を ときめかせていたあの頃... ルーブル美術館、アンバリッド、シャンゼリゼ、 そんな華やかな場所でなくても良い。 小さな路地、さりげなく佇んでいる小さな噴水、 そして小さなビストロ。 秋の終わりには、マロニエの枯葉がまるで歌う 様に舞い落ちて来る♪ モンパルナスの近く、一泊30フランの安宿に 泊まり、行き先も決めずぶらぶらと歩くパリの 街並み...目に映るもの全てが憧れ。 |
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Part−14 サウスコースト・ダービー(ポーツマス)
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“サウスコースト・ダービー”と、呼ばれる サッカーの試合がイングランドにある。 イギリス南海岸(サウスコースト)のチーム “サザンプトン”と“ポーツマス”の試合!
欧州で最も熱いと言われるポンペイ(ポーツ
2004年3月21日、18時...
イングランド・リーグの歴史の中で、長い間 |
中央駅にほど近く“チボリ=TIVOLI”の 入口に佇み、少しだけ目を閉じてみる。 子供の頃に読んだ、いくつものアンデルセンの 童話...何故か哀しい結末の話しか思い出す 事が出来ない。 お伽話...それは結末が哀しいほどに、いつ までも心を打ち続ける。 少し寂しげなアンデルセンの像を見ながら... ローゼンボリ城、アマリエンボリ宮殿、そして クリスチャンボリ宮殿とお伽話の舞台となった 数々を巡り、いつしか“人魚姫”の像が哀しく うつむいている海辺にたどり着く。 コペンハーゲンでの一日... |
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