環六高速道路に反対する会ニュ−ス
No.31
1995年10月6日
高裁でも敗訴判決
周辺住民の健康で快適なな生活を守るために環状六号線の拡幅と地下高速道路中央環状新宿線建設事業の認可取消しを求めていた裁判の控訴審判決は,9月28日午後1時より,東京高等裁判所824号法廷で,野田宏裁判長により言い渡されました.「本件各控訴を棄却する.控訴費用は控訴人らの負担とする.」と述べただけのあっけないものでした.この敗訴判決はある程度予想はされていたことでしたが,国道43号線訴訟などの影響で2ヵ月も判決が延期されていたことから期待もしていただけに大変残念な結果です.
「都市計画法は生命,身体を保護しない」?
一審判決は論理も何もないでたらめなものでした.控訴審ではそれらを徹底的に分析し,批判してきましたが,控訴審判決も理屈にならない理屈を並べただけのものでした.
争点となっていた原告適格の問題について,今回もまたまともな判断をしてもらえませんでした.国道43号線道路公害訴訟の最高裁判決では,道路の公共性というものを社会一般の利益ではなく,地域住民の利益としてとらえていますが,今回の判決はそれから大きく後退し,都市計画法には付近住民の権利を保証する趣旨の規定はなく,周辺住民に一般公益以上の特別な事情はない,と断じて付近住民の訴訟を起こす権利を否定しているのです.
都市計画法は,「健康で文化的な都市生活」,「機能的な都市機能」など,良好な都市環境の保持を目的としています.しかし判決では,良好な都市環境の中には,都市施設付近住民の生命,身体を保護する趣旨は含まない,としています.確かに明文化されてはいませんが,生命,身体の保護は憲法の生存権で保障された自明のことであって,付近住民の生命,身体が保護されない良好な都市環境などあり得ないことです.
現在弁護士を中心に判決の分析を行なっています.問題点はまだまだたくさんありますが,詳細は次号でお知らせします.
10月12日に最高裁へ上告します
控訴審での敗訴はある程度予想していました.前例のない裁判だけに,下級審では思い切った判断ができないからあくまで通過点であって,むしろ最高裁判所に期待した方がいいというのが専門学者の見方でした.これまでニュースでお知らせしてきました通り上告いたします.苦しい闘いになると思いますが,力を合わせて頑張りましょう.なお,原告の方で上告のための印紙代がまだ未納の方がいらっしゃいます.至急ご納入下さい.
青島知事でも住民との話し合いを全面拒否
8月25日の公害審査会での調停は,都知事が青島氏に変って初めての調停でしたので,皆期待をもって臨みましたが,結果はこれまでと全く同じで,完全に期待を裏切られました.被申請人の東京都と首都高速道路公団は,「係争中である裁判に影響を及ぼす恐れがあるため,訴訟が終了するまで回答は差し控える」という意見書を提出し,一切の話し合いを拒否してきたのです.
しかしこの日の話によれば,東京都ではこの調停に対する対応については道路建設部長決裁だといいます.それと同時に,こうした態度をとることについては建設省に指示を仰いでいるのだそうです.となると,青島知事がどのような政治信条を持とうとも,それは都政には一切反映されないことになります.私たちは,せめて今回の対応が青島知事本人の考えによるものではないものと信じたいと思います.そうしたことから,さっそく知事宛にファックスでこの間の事情を説明し,今後の適切な対応を申し入れました.
次回審査会は10月23日(月)午後1時半
私たちが上告を決めたことで再び対話を拒否される可能性はありますが,様々な手段を講じて調停に応じるように求めていきたいと思います.都庁第2庁舎31階21会議室です.私たちの調停への熱意を示すために大勢で押しかけたいと思います.ぜひご参加下さい.
10月15日(日),恒例のバザーです
恒例の秋のバザーを10月15日(日)午前11時より2時まで,新宿区立やまて児童遊園で開きます.衣料品(夏物は除く,古着は洗濯済のもの),食器,家電製品,日用雑貨,玩具,文具,古本などご提供下さいますようお願いいたします.前日の値札つけ,当日の準備や販売へのご協力もよろしくお願いいたします.ご連絡をお待ちしております.