環六高速道路に反対する会ニュ−ス

No.36


1996年11月11日

 

公害審査会委員会から調停案の提示が

 10月18日,第17回調停が開かれ,調停委員会から都と公団に対して口答で調停案が提示されました.この日は前回提出した私たちの意見書に対する都と公団からの意見についてのやりとりがあった後,調停委員がまず都と公団側の代理人だけを別室に呼び入れて協議を行ない,その後,私たちの代理人を呼び入れて調停案を提示した旨の説明がありました.調停案の提示は口答でなされたため,正確な表現は分かりませんが以下のようなものだったそうです.

 

1.首都高速道路公団に対して,

@低濃度脱硝装置が開発されて実用化段階に達したときは,最も良いものを設置する方向で検討する.

A脱硝装置を設置するために,換気塔の規模を,その要否を含めて再検討する.

B申請人ら代表と毎年情報交換のため年1回会合を開き,本件道路の改善を図るべく協議する.

2.東京都に対して,

@車線数について,自動車排気ガスによる二酸化炭素濃度等が予想に反して悪化した場合,車線構成を含めて再検討する.

Aモニタリングポストの設置について,大気汚染の状況調査のため本件道路の供用開始前に申請人ら代表と設置場所等を相談する.

 

 以上のように,明確な表現ではありませんが,私たちの要求である脱硝装置の設置とそれに伴う換気塔の規模縮小を検討するよう求めています.車線数については一旦は計画通り造ることを容認するものの,今後の削減の可能性を残していますし,その前提となる大気汚染状況のチェックのためのモニタリングポストの設置についても私たちの要求に応じたものになっています.そうした意味で,ある程度評価できるものといえます.もちろん問題点も残されています.例えば環六の車線数削減については,中野区議会の決議がありますから,私たちがそれ以下の条件を軽々しく受入れるわけにはいきません.また,首都高速道路公団だけでなく東京都とも調停締結後の協議を継続していく必要があります.さらに私たち内部の問題として裁判との関係を整理していかなければなりません.しかし,大きな進展であることは間違いありません.調停締結に向けてさらに粘り強く交渉をつづけていかなければなりません.

 

どんな回答が得られるか,次回調停に注目

 今回委員会から提示された調停案に対して,都や公団がどのような対応をとるか,次回調停で回答があります.その注目の調停は,1月20日(月)10時30分から開かれますが,場所は未定です.また改めてご案内いたしますので大勢の参加をお願いいたします.

 

 


“未来からの「やめて!」”の集会でアピール

11月17日(日)午後2時から,なかのZERO小ホール(中野駅徒歩5分)で,“未来からの「やめて!」という命の声が聴こえませんか…”,という集会が開かれます.裁判で証言して下さった藤原寿和氏らの講演と共に,本会代表も道路公害問題を訴えます.是非ご参加下さい.

 


土壌脱硝システム見学会のお知らせ

 いま注目の土壌脱硝装置(別紙をご覧下さい)について,本格的な運用に向けて研究を進めている大阪府に会員ら3名で見学に行ってきました.道路沿道の汚れた空気を集めてオゾンを加え,厚さ40cmの土の層を通過させるだけという極めて単純なシステムにもかかわらず,さまざまな大気汚染物質がほぼ完全に除去できるのには本当に驚かされました.最悪の汚染地帯にあるこの施設の職員は,時々土の上で浄化空気を吸って生気を取り戻しているとのこと.若干の解決しなければならない技術的問題も残されていますが,地下高速道路に取り付けることも充分可能なことが分かりました.巨大な換気塔の代わりに緑地ができる,私たちの調停案にぴったりのシステムです.しかも,建設コストや維持費も現在の計画より低く抑えることができるのです.この装置は足立区役所の地下駐車場にも設置されています.11月20日(水)に見学に行きますので,参加を希望される方は18日までにご連絡下さい.当日は9時30分に中井駅集合です.

 

スケジュール

11月17日(日)14時    “未来からの「やめて!」…” なかのZERO小ホール

11月20日(水)       土壌脱硝装置見学会 午前9時30分中井駅集合

 1月20日(月)10時30分 公害審査会の調停 場所は未定

 

ニュース No.35

ニュース No.37

戻る