環六高速道路に反対する会ニュ−ス

No.42


1998年4月17日

 

調停案に対して公団は回答を保留

最終段階になっている公害審査会ですが,前回12月15日の調停でもまた結論が出ず,次回に継続することになりました.前号のニュースで,9月の調停では調停委員長は受諾勧告の検討もありうるとして非申請人の東京都と首都高速道路公団に対して調停案受諾に向けて強く譲歩を求めたことをご紹介しました.私たちはなんとか調停の成立にこぎつけたいという調停委員会の意欲を評価しつつ,都・公団双方の全面拒否,そして調停打ち切りも覚悟して12月の調停に臨みました.

東京都の回答は予想通り全面拒否でした.理由は,1.申請人の主張は以前と変わっていない,2.裁判では国が勝利しており(地裁,高裁)法的には問題ない,3.委員会も打ち切りの方向性を示していた,4.土壌脱硝装置は技術的な知見を求めている段階で実務的な段階に達していない,というものです.4000名の署名をバックに新宿区議会が全会一致で決議した脱硝装置導入という住民の切実な願いなど東京都には全く通じないようです.

しかし,首都高速道路公団の回答は「関係機関と意見を調整中だから正式な回答を保留する」というものでした.この変化がなにを意味するのかは明らかでありませんが,初めて都と異なる方向性を打ち出してきました.脱硝装置についての検討が最終段階に入っているのかもしれません.次回に期待しましょう.

公団の回答に期待!次回4月23日の調停にご参集を!

次回は4月23日(木)午前10時30分より調停が開かれます.場所は都庁第2本庁舎31階23会議室です。10時に1階ロビーに集まって簡単な打ち合わせをいたします。態度がいくらか変わってきた首都高速道路公団がどのような回答をするのか注目されますが,一方でこれで調停打ち切りもありえるという緊迫した状況です.大勢の皆様の参加をお願いいたします。

 


生駒山トンネル土壌脱硝装置を見てきました

大阪府は,大阪と奈良を結ぶ第二阪奈道路の生駒山トンネル換気塔に排気ガス浄化のための土壌脱硝装置を設置して昨年4月から試験を行なっています.3月25日,大阪府の案内によるこの施設の見学会に会員4人と代理人らが参加しました.

この施設は換気塔からの排気を一部だけ浄化するもので,稼働一年足らずでしかありませんが,既にその有効性がはっきりと認められています.ともかくその浄化能力がすばらしいのです.トンネルのような高度に汚染された排気ガスでも窒素酸化物をはじめほとんどの大気汚染物質をほぼ完全に除去できます.その上,建設費用,運転費用ともに換気塔に比べてずっと安く,また単純な装置で危険がなく,維持管理も容易です.さらに幅40mの環六では約20m幅の敷地が必要で設置は難しいという意見もありましたが,排気ガスを通す速度を2倍にしたり,土壌層を2段にしたりすることで面積を減らすことが可能との情報も得ることができました.

このように,土壌脱硝装置は中央環状新宿線に応用できる装置であることをいっそう強く実感することができました.今後も調停手続きの中でその設置を強く求めていきたいと思います.

 

東京都でもこっそり土壌脱硝装置の試験へ

東京都や首都高速道路公団が建設省や板橋区と共同で,板橋区大和町交差点の大気汚染改善のために土壌脱硝装置の試験を行なう予定でいることが分かりました.昨年6月には記者発表されていたのですが,一般には全く知られておらず,12月都議会での答弁でようやく明らかにされました.調停の席では,都も公団もそんなことはおくびにも出しませんでした.あくまで地上交通による大気汚染を対象としたものですが,既に参加する2社が決まり,4月から試験実施となります.東京都が昨年6月に策定した自動車公害防止計画でも地下高速道路には低濃度脱硝装置の設置を求めています.実用段階にないなどと言い逃れしている場合ではなく,トンネル脱硝についても試験に入るべきです.

 


用地買収いっこうに進まず

この道路の完成予定は平成15年度末(2004年3月)とされています.山手通り沿道の83%が買収され,空き地だらけなのを見ると事業は順調に進んでいるかように見えますがとんでもありません.首都高3号線と接続するために住宅の地下を通る目黒区駒場地区では,住民の反対で地下権の買収がほとんど手付かずの状態で,全体ではやっと65%の買収という段階なのです.事業費は大幅に高騰し,沿道で残された部分の買収も多くの困難が予想されることから,完成予定は大幅に延ばさざるを得ないでしょう.

 道路がなかなかできないのは私たちにとってはうれしいことです.環境問題への社会的関心の高まりに脱硝技術の進歩が加わって,環境に配慮した道路作りへの条件がますます整ってくるはずです.

 


バザーは5月10日です

恒例の春のバザーを5月10日(雨の場合は17日)午前11時から午後2時まで,スーパー・オリンピック並びの山手通り沿いで開きます.衣料品(冬物は除く,古着は洗濯済のもの),食器,家電製品,日用雑貨,玩具,文具,古本などお宅に眠っているものがありましたらご提供下さい.

 

スケジュール

4月23日(月)10時30分 公害審査会の調停.都庁第2本庁舎31階23会議室

10時に1階ロビー集合.

5月9日(土)9時〜5時 S宅でバザー値札付け.都合のつく時間にお願いします.

5月10日(日)11時〜14時 バザー.準備は9時半から,お手伝いをよろしく.

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