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綾波業務日誌

〜彼女がココロを持った理由(わけ)〜
byけんけんZ



六日目 水曜日



業務日誌 ○月×日


9時起床 全身に倦怠感を感じる。体温他異常無し。

 起床は葛城一尉からの入電でだった。
 学校にも来ていないサードチルドレンの所在を尋ねられたので、ここに居ると答えるとじゃあ問題ないと言う。
 来訪は誰にも告げずに来たと言う事になるが、現在位置の報告はチルドレンの服務規定の基本則なので守って欲しい。
 非常に強い疲労感があるので学校には行かない事にする。だが食料が無い為買い物に出かける。

9時45分頃 帰宅

 サードチルドレンは起きていて、ひどく心配していたと言う。
 断わらずに出かけた事を詫びる。
 その後二人で朝食。

朝食:サラダサンド、ヨーグルト、オレンジジュース
サードチルドレンの朝食:牛カルビ弁当、烏龍茶  (コンビニレシート添付)

 献立を聞かずに出かけたが、以前食べているのを見た事があったので同じ物を買った。
 朝から牛カルビ弁当は食べ辛いと言いながら、全部食べた。
 学校には行かない事、葛城一尉が所在を尋ねてきた事を告げると、とたんに落ち着きを失う。
 学校の方ではいつもの休みとして処理されるし、待機場所は報告したのだから何も問題ない。
 倦怠感が抜けないので再び眠る。

13時30分 起こされて、昼食。

 今度はサードチルドレンが買い物に行ってくれたらしい。
 私は寝ていて気が付かなかった。

昼食:コロッケパン、サラダサンド、牛乳
サードチルドレンの昼食:カップヤキソバ、おにぎり、お茶(コンビニレシート添付)

 する事も無く、体調も回復してきたので、性交がしたいと彼に提案する。
 戸惑ったようだが、すぐに始めてくれた。手と口で彼が準備してくれる。
 快感を感じ始めた以降は再び記憶が曖昧になる。
 多分何度かし終わってから、何回すれば満足するのかと問われた気がする。
 運動量としては彼の方が負担が大きい。疲れるのなら休みながらすれば良いと答えた。
 快感を自分で強める方法もいくつか思い付いた。
 性器で刺激しあうだけでなく、キスも平行して行う方がより快感が強まる。
 胸や耳やうなじなどを舐めてもらうのも気持ちが良いのだと分かった。
 また、股間に力を込めると多少では有るが彼の性器をよりはっきりと感じる事が出来る。

 こんな事ならもっと早く彼の渇きに気が付けば良かったと思う。
 自分も渇いていた事に、この時点でようやく思い当たる。

 夕食まで眠ろうとした時に、生理は有るのかと聞かれた。
 性的に成熟した状態では、性交は妊娠の可能性が有るのだと言う。
 私の身体はそういう風には出来ていない、と答えると安心したのか、もう一度性交する。
 少し休んだのが良かったのか、昼食後よりも気持ち良かったように思う。
 また、同時に終わる事が出来たのも満足だった。

21時頃 夕食 再びサードチルドレンが買いに行ったらしい。

 私が知らない間に一度家に帰ったのだと言う。
 着換えた他色々と身の回りの物を持ってきた。歯ブラシ、コップ、スリッパなど。
 夕食は彼が作ったものを食べる。
 電子レンジが無いのでコンビニの弁当ではつまらないと言う。
 確かに料理してもらったものの方が美味しい気がするので礼を言うと、こんな所に一人で居ないで葛城一尉の家で一緒に生活したらどうかと提案された。
 悪い話しではないが、ここでするように自由に生活できるのかと尋ねた。
 だが、葛城一尉が居るようなら性交は無理だと言う。
 ならばここの方が良い。彼が来たい時に来てくれた方が便利な気がする。

 この部屋は物が無くて殺風景だと言う彼に、ではどうしたら良いのかと聞く。
 買って揃えた方が良いものを、リストに書き出してくれた。
 必要経費は請求した分もらっているが上限に関しては知らない。
 足らなければ自分が出しても良いと彼が言うので、時間が空いたら買い物に行く事を約束する。

 その後また一度だけ性交した。
 今夜は帰ると言うので少し残念な気がする。
 そのせいか、自分の方が積極的だった気がする。

23時 サードチルドレン帰宅

 遅いから泊まっていってはどうかと告げたが、彼もそのつもりだったのだが葛城一尉が心配するからやはり今日は帰った方が良いとの事。同居人が居ると言うのも不便なものだと思う。
 見送るつもりで玄関まで行くと、そこでなぜかキスをされた。
 嬉しい気もしたが余計に悲しいような気がした。
 明日は学校に行くので来いと言う。言われなくても体調が良ければ行く。
 学校帰りにうちに寄るからと言うので、毎日寄って構わないと告げた。

 日誌にキスをされて余計に悲しいと書いてから、悲しいと言う感情に付いて考える。
 良く分からないが、喪失感。
 一緒に居る事が出来ない事に対する不満の表われだと思う。

0時 業務日誌制作

 シャワーを浴びたが眠くならない。
 今日は一日寝ていたのだから当然。

 サードチルドレンの事を考えて、また胸の中心に喪失感を味わう。
 彼が身近に居る時は感じないのだから、やはり彼の事を思って心が渇いているのだろう。
 こんな思いをするぐらいなら早く眠ってしまいたい。
 寝て目が覚めれば、彼に会う為に学校に行くだろう。
 けれど学校で性交は出来ないと彼は言う。ならばやはり一緒に住んでずっと性交していたい。
 学校に通う意味など元から無いのだから、したい事をしていて何故悪いのだろう?
 エヴァに乗れと言われれば何時でも乗る。
 それ以外の時間は自由にしても良いのではないだろうか。
 サードチルドレンも多分同じ事を思っている。

以 上






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1999.03.01・初出
1999.03.06/Ver1.10

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