収録作品の紹介 |
◆作品について、各作者より簡単に内容を紹介します |
イラスト・装丁
やすと |
![](img/ec02c.jpg)
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『学園エバ。』シリーズ An UnResettable Game
R48/『2年A組葛城先生(仮題)』
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話は数週間前。
「どう?リッちゃん」
「悪くないわね。ヒットするんじゃない?操縦もそこそこ簡単。感覚的に覚えられるし」
「んー、よかったわぁ。あれだけの開発期間と資金かけてつくったんですもの。簡単
に否定されちゃうと困っちゃうのよねー。辛口のリッちゃんがそう言ってくれるの
だから、安心ね!」
「………」
「そうそう。葛城さんと加持さん、って言ったわよね?あの二人にもモニター頼めない
かしらん?リッちゃぁん?」
「…母さん。私がここに来て、なおかつ母さんたちの開発した新型のモニターをして
いるのは、他ならぬ母さんからの頼みだからよ。関係ない人まで巻き込めないわ」
「残念だわぁ。…リッちゃんの欲しがってた山モミジ、譲りたいっていう人がいたん
だけど…」
「…二人とも呼んでくるわ。母さん」
そして話は数週間後。
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3分42秒の苛烈なバトルビート 3
杜泉 一矢/Creators' Guild |
……see the outlow stands alone
beneath the burning sun
the raging badlands now is his come
there's no sign of victory,he lost his
liberty
and the only woman once beloved
an outlow chasing outolows,a runner in
the night
by the radient moon he will strike
the seeker of all dangers has come to take
his toll
from the dead of night hie will arise……
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まちぼうけ
ばーやん/ばーやんの小説部屋 |
暑い夏の終わりに涼しげな風が吹いた。
頬をなでるその風に誘われるように
雲がゆらゆらとあてもなく流れていく。
私はじっと待ち続けた。
日射しも和らぎ、声が闇に吸い込まれていくように。
――ほんの少しの清涼剤はこんな話。
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夏の終わりのコンチェルト 第三部
しのぱ/Creators' Guild |
しのぱは後悔していた。ミサト=ミレイユ等式までは読めていた。しかし
ミレイユ=エクセル式の証明には至っていなかったのである。
まさか、楽羅という項が存在することまでは予想できなかったのだ。
致し方なく、彼は論文(作品、あるいはゴミなどと呼ばれたりする)を
M.サイト氏に提出したのが2週間程前のことである。結果は・・・・
「どうした、シ・ノーパ。これは、結局証明仕切れていない上、あまりに長い。
長過ぎるのだ、これでは・・・」
M.サイトは眼鏡をネクタイで拭きながら言った。
「くっ・・・」
しのぱは思わず唇を噛む。
『くそっ、後8ページ、あと8ページあれば・・・』
M.サイトは眼鏡をかけ直すと冷たく言い放つ。
「君は、まさかあと8ページで100ページ(^_^)Vとか考えてないだろうね」
「うっ」
図星を突かれて固まるしのぱを前にして、M.サイトはいかなるオチも
付けようの無いこの展開に心を痛めていた。
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With Our Hand
プロップ |
全てが終わったあの日。多大な犠牲を払い、全ての敵を屠った日。
その日からようやく平和な時間が始まった。
過酷な運命を背負った人々にとって、人生の中で最も平穏な時間。
しかし、ある少年と少女のそれは4年で終わりを迎える。
保護者兼元上司の事務的な言葉。それが終わりの始まりを告げた。
残された時間は、一週間。
彼らの手の中には何があり、何を手に入れ、何を手放すのか。
決めるのは彼ら自身。
そして彼らの手に残ったものは――――
With Our Hand
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rainy rainy blues
けんけんZ/週刊「くりぃむゲリオン」 |
五年前の思い出に、後悔しつづけた自分に、今はもう届かない昔の男に。
たったひとこと、さよならと告げた春。
新しい自分を探した夏が過ぎ、足掻いて沈んだ長い冬が過ぎた。
そしてまた季節は春を巡り、夏が迫る。
rainy rainy blues.
夏が始まる前の、梅雨の終わりに。
rainy rainy blues.
たった一時、巡り合う。
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午後のパノラマ
斉東 深月/曳舟遊戯楼 |
蝉の声が空気を押し/消えた笑みがどうも精気を削ぎ/叶わない望み
かすめた空/擦り切れた指紋もどうだって
いい/風だけが空の青だけが/縋らせてくれるものだろうと/目の前が全て青であればいい/いっそそのまま
突き抜ければいい/絞る引鉄 その刹那/指を止めるのはやはり蝉の声
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