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似てるもの伝説(改)

やっぱアレはコレだよなぁ……

http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pen/4055/


ひっこぬか〜れて〜
あなただけにーついてーゆくー
きょうも
はこぶ
たたかう
ふえる
   そして、
     たべーられるー


…えっと、そんな感じでしたっけ?今。
え?なにに、ですか?
                さあ。私にも。さっぱりなんのことやら。


バガン乃ススメ
実は今回原稿を出してないので、メンバー紹介欄にもいない田沢なのですます。

何故か初号なので補足すると、当欄はSOSメンバーが「活動してるよ〜」というのを
適度にアッピールすべく好き勝手な事を並び立てる、というそういう場所でありますんです。
とゆーことで、本紙の売り上げに精々貢献すべく、こうして何の関係もない文章を
精いっぱいに提供する……

ちゃんと追随者がいますように(祈り)

グランバガンを読め!
 前略
そもそもこのグランバガンちゅうのは、ジャンプで最近までやってた所謂打ち切りマンガである。打ち切られる理由は簡単だ。はっきり言ってパッと見何一つ良い所がない。キャラクターデザインは平凡だし、展開はジャンプ王道路線そのもの。色々技術力の無さも見え見えで、昨今まれに見るほどの典型的打ち切り漫画である。従ってそういう普通に面白い少年漫画を読みたい人間はこの時点でご退場願わなければならない。んでは、ここでバガンを紹介せしめるそのエネルギーとは一体何か。そう、エネルギーである。バガンは理屈を越えた(少なくともそんじょその辺の理屈で語れるほどマンガは甘くないのだ!)エネルギーを持つマンガなのである。
 バガンを語る言葉は、無いように見えて実はある。「なんか好き」である。何が良いんだか本人にも実はよく分からないのだが、ともかく嫌いにならない作品だ、という事なんである。それも、嫌いになる理由がない程度の消極的な話ではなくて、嫌いになっちゃいけないような気がするのだ。作品本体に触れないままなのもアレなので、少々作品の説明をしよう。
 舞台は1584年のイギリス。主人公馬眼は魔剣サムライソード(と西洋人に呼ばれる)を振るう武士。地図の空白をうめんと海を漂流していた所を英国船に拾われ、そのまま本土に連れていかれた。幸い馬眼は英語が喋れたのでたまたま船に乗っていた英国諜報部員シェイクスピアともうまい事やっている……は?何故英語が喋れるか、ですか。それは子供の頃、日本に漂着していたイギリス人のおっさん、レイモンドが隣に住んでいたからです。いえいえ国賓なんかじゃありません。普通のおっさんです。シェイクスピア、もちろん実在の人物ですよ。自前のリュート型機関銃「リア王」を駆使する英国最強の銃使い!その上馬眼に肉体改造を施すマッドサイエンティスト!!英国に上陸したバガンを待っていたのは女王エリザベス(8才のお子様)との会談。へ?その頃55才。はて、何の事でしょう。……かくしてグランバガンは史実など置き捨てて、ひたすら少年マンガの王道を疾走する。うーん、これもマイナス点ですな。歴史的事実はフツー基本的な部分を考慮するんだが。
 しかしっ!これが途中から魅力へと転化するのであります。それはスペイン無敵艦隊への、三人での殴り込み事件、即ちこのマンガのメインエピソードであります。別に三人で乗り込むのが熱いとかいう話をしとるワケではありません。そういうのは三国志にでも任せておけばよろしい。本作品の特徴は展開の恐るべき速さと無茶さ。あの封神演技(原作版)を彷彿とするひたすらにエネルギッシュな目茶苦茶さ。まず、スペイン無敵艦隊とか言いながら五隻連結艦。連環の計?!そして50人の雑魚を瞬殺(三ページ)したあと、次々登場するライバル共。スペイン最強の銃使いが登場し、シェイクスピアと一騎打ち、と思わせて実は五つ子だったとか(ムラサキ曹長かお前は)、スペイン最強のサーベル使いだとか、英国本土陥落に命がけの集団です。(無論、殆ど瞬殺されます)その割には形勢不利と見るや突然発狂して自爆すると言い出す艦長だったりと、デタラメもここまで来ると清々しいものを感じます。おっと、語りすぎはいけません。あとは御自分の目で。
 さて、以上に語りましたのはグランバガンが「どういう話なのか」なのであって、グランバガンの何たるか、ではありません。その真のエネルギー源とは何か?絵や話の展開から伝わる思いとは、つまりそこにあるテクストとは何か?それは、作者が楽しいという素直な思いだったりするのです。もう一度上の内容を考えてみましょう。作者はまだ未熟です。おそらく全盛期のジャンプなら連載として載る事さえ無かったと思います。絵は未熟、展開やドラマ作り、画面構成も、何もかも未熟です。それでも連載を持てる時、そこに作者が何を語るのか。もちろん自分に出来る全てをやるのだ、と単純に言い切れるのが馬眼というキャラクターでした。面白くしなければと思い詰めるのではなく、駄目には駄目なりのやり方が在る、どうせ死ぬなら戦って死ぬ。そう、これってジャンプの思想そのままの体現なんです。実力不足な分万人に伝えきれてるとは言えず、従って打ち切りという当たり前の結果が出てはいますが、昨今ありがちな本質を見失った作品とは一線を画す物が在るわけです。僕はこれを「詩的だ」と言えると思います。シェイクスピアを出すぐらいだから、多分作者詩が好きなんではないかなぁ。
最終話、シェイクスピアが馬眼を語ります。馬眼を観察したり改造したり語ったりとやりたい放題にやっていたシェイクスピアは、そもそも偉大な戯作者です。その彼の視点は、もちろん作者の視点と微妙にリンクしていたことでしょう。馬眼というのは主人公の名であると同時にこのマンガそのもの名でもあります。つまり作者はバガンを観察し、改造し、語り、そしてシェイクスピア同様に作品中で成長していった。その過程の物語、おお、ジャンプの王道!というわけで、極めて繊細にジャンプ的であるマンガ、グランバガン。お勧めの一本であります。

注:打ち切られた背景には、そんな微妙なジャンプ的なるものでは、ちっともキャッチーでないというシンプルな理由が在るわけですな。これは当然の判断だし、作者にも絶対に良い結果を残す事でありましょう。

注2:最初「読め!」から始めておいて、いつの間にかですます口調。文章がいい加減と言うのも在りますが、僕のグランバガンに対する評価の変化をなぞってもおるのです。正直第一話ではぱっとしないマンガとしか思わなかった(何せ実力が無い。しつこいけど)のが、そこに表現される「何物か」に感銘を覚えるまでになっていくという、この生命感こそ、僕のバガンへの愛情と言っちゃって良いと思う次第。



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