#20 二十回記念総集編

ぽつぽつと書いてきたこのコーナーも、めでたく満二十回!ということで今回は

リアクション御礼総集編でございます。

#01 かける

開設当初でアクセス数もえらい貧相だった頃の記事ですが、「あるある」メール

戴いて嬉しかったです。これはまあ、超意外な方言として上京組には有名です

からねー。

#02 消雪パイプ

これもごく初期のネタ。投稿ものでした。投稿者の方は市外ご出身。消パイ(こ

う略すのか!?)って市民には生まれた時からある物だから、夏場の不自然さに気

が付かないんですよねー。

#03 恐怖の三文字

『たまご』『せなか』『田んぼ』等いろんな言葉での発覚例が。なかでも

『ピアノ』は笑いました。外来語さえもナマる!

三文字言葉ではないのですが、『かなぶん』という虫の名の発音も、かなり

地域差がありますね。関東で『かなぶん』、関西で『かなぶん(アクセント

なし)』。ナガオカは関西系発音ですね。以前、ダウンタウン松本が、

「東京人の言う『かなぶん』はヘンや! 『親分』みたいやん!」

と発言。二、三日笑いました〜。

#05 タンタン、#11 ぽんぽ、#13 あちさん

これらには「方言だったんですか...」という反響が。幼児語は盲点みたいです

ね。『方言と共通語』がわかるころには使わない言葉ですからねー。一部マニ

アを除いて。

#15 あたける

「懐かしかった」という反響が多かったのがこれです。おばあちゃんを思い出

した、とか。これは投稿ネタだったのですが、私も「うわ懐かしい」と思いま

したもん。みんなあたけて大きくなったのね。

そして、#00 スノーダンプ

一月の豪雪のとき、私は初めて東京でスノーダンプを見ました。使っている人

に「それ、何て呼んでますか」とはちょっと聞けなかったけど。新潟県内でも、

雪のない地域の人には通じないようです。小学生の頃、日記帳に「スノーダン

プで雪のけをしました」って書いて提出したら、「スノーダンプ」の部分に

「これは何」と赤ペンチェック入れられた人が。先生は新潟市出身だったよう

です。でも、「雪のけ」も専門用語だなあ、豪雪地帯の。


#21 デパート

子供のころ、デパートに連れていってもらうのが大好きでした。今はなき長崎屋

イトーヨーカドーに吸収される前の丸大、子供広場に川があって、そこの透明ア

クリルの橋が怖かった丸専、パチンコ屋になっていてびっくりしたイチムラ、屋

上のゴーカートが楽しみだった大和....でも、あれって、大和を除いて全部『スー

パー』だったんだなあ....。スーパー行くのが楽しみだったなんて、所帯じみたコ

ドモ....。


#22 レーメン

ナガオカのコージーコーナー・美松。サンキューまつりを筆頭に、様々な季節戦

略を展開している同店ですが、市民に誤った知識を与えているのが、あの、夏の

『レーメン』。サラダ冷やし中華という感じの麺類です。まあ、ここまで書けば

おわかりですね。私は上京後、同名の料理を焼肉屋エスニック系のメニューで

よく見かけたので、あのサラダ麺はメジャー料理なんだな、と思っていたのです。

でも、ある日オーダーしてみてびっくり。ショーケースの蝋でできた見本を持っ

てきたんじゃないかと思わせる噛んでも噛んでも噛み切れない麺、灼熱の味付け。

私、辛いモノ弱いのでほとんど食べられなかったです。これ、逆パターンの人も

多いのでは。『レーメン』のカンバンを見て、「おっ、レーメンか。食ってスタ

ミナ付けてくか!」とか思ってたのにアレがでてきたらかなり脱力しますよね。


#23 わんざ再び

まるで終わったかのように動きのなかったこのコーナー、久々に更新!

ネタは以前にも書いたセミの幼虫、『わんざ』でございます。『風の谷のナウ

シカ』に王蟲の抜け殻が出てきますが、アレを見て「あ、わんざだ!」と思っ

たナガオカ人も多いのでは。この『わんざ』、同じ中越地方でもナガオカを

ちょっと離れるともう呼び名がぜんぜん違うらしい。投稿頂いたのでご紹介

致します。

小出町・・・もご
川口町・・・もごもご
小千谷市・・うまうま
宮内付近・・わんず

「もごもご」「うまうま」に至っては、食ったのか?って感じですね。

このわんざ、最近見てないので姿がよく思い出せません。こんな感じだったか

なあ...。


#24 ごちそうさま

そういえばそうだなあ、という投稿ネタ。説明するとウザいのでミニコントで

どーぞ。投稿者みーもきゃっとさん(県外ご出身)とナガオカ人の会話。

シチュエーション1:みーもさんは百合を持っている。

 ナガオカ人「きれいな百合ですねえ」

 みーもさん「あ、1本どうぞ」

 ナガオカ人「まあ、いいんですか? ごちそうさま

 みーもさん「・・・」

 このときみーもさんは心中(た、食べるんですか!?)と叫んでいた。

シチュエーション2:箱根の寄せ木細工をナガオカ人にプレゼントしたとき

 みーもさん「これ、つまんないものですけど箱根土産です」

 ナガオカ人ごちそうさまー、ありがと」

 みーもさん「いえ、寄せ木細工なんです」

 ナガオカ人「????うん」

 みーもさん「・・・・・おかしがよかったですか?」

 ナガオカ人「ううん、そんなことないよ」

 みーもさん「???」

 このときみーもさんは心中(じゃあなんで「ごちそうさま」やねん!)と

 ツっこんでいたに違いない。

つまり、ナガオカではイタダキもの全般に使う「ごちそうさま」ですが、

ヨソでは食べ物限定用語ってことらしいです。あるいは、恋人・夫婦の仲の

よい様子(のろけ)に対し使用する用語、と、みーもさん談。「おやおや、

ゴチソーさま」ってヤツですね。前田吟あたりが言うとハマりそうなフレー

ズ。


#25 『ぎ』なのか『ぐ』なのか

投稿モノその2。まさにヨソでは使われないナガオカ用語、というネタでご

ざいます。『歴史の頁』でもご紹介した、幕末の嫌われもの河井継之助

この人の名前の読み方が、ナガオカ内外で違います。ナガオカ人のほとんど

が言うのは『つのすけ』。でも、市外の人は『つのすけ』。つまり、全

国区では『つぎ』なんですね。それを意識してか、悠久山の石碑も『TUGI-

NOSUKE』となっているとのこと。地元市民がこぞって間違っているのかな

あ・・・。


#26 『ぎ』なのか『ぐ』なのか2

どうやら市民の読み方『つのすけ』が正解らしい、というご投稿。小学

館の『大辞泉』にはドーンと『つぐ』で載っている、とのことです。私も

ずっと『ぐ』だと思っていたのでちょっとうれしい。

これ、同様のことが『越山会』でも起こっているようです。全国区では、

『越後』からストレートに『えざんかい』と読まれていたようですが、

実は『えざんかい』。『中越高校』が甲子園で平坦に「ちゅーえつ」と

発音されて、ナガオカ人がテレビにむかって一斉に「ちゅーえつ!」と

ツっこんだこともありました〜。


#27 スキー授業

一、二回行ったことがあるだけで履歴書の『趣味・スポーツ』欄に書ける

in TOKYO。インストラクター級でもなきゃとても書けないin NAGAOKA。

スキーやスノボなんかのウインタースポーツって、雪国とそうでない地域

では、ありがたみがマジ違います。最近は情報が浸透したのでそうでもな

いですが、私が上京したころは「冬場の体育の時間は全部スキーだった」

と言うと、ガイジンを見るような目で見られました。

ただ困るのが、なぜかスケートもウマかろうと思われること。スケートリ

ンクなんか無かったって言うと、「あ、湖とかで滑るんだー」という、

さらなるカン違いが。上京予定のワカモノの皆さん、新潟アイスリンク

遠征して腕を磨いておくことをオススメします。


#28 セゾン

「へえ、駅ビル、西武なんだ」

長岡市や新潟市を初めて訪れた人は、どうもこう思うらしい。西武って、

あの西武ライオンズの親会社、西武デパートや西友スーパーや無印良品

を経営する西武グループのこと。これ、本名を『西武セゾングループ』

と言うのです。そう、県外では、『セゾン』と言えばこの大企業をさす

んですねー。綴りも同じく『SAISON』。『四季(シーズン)』のフラ

ンス語ですね。長岡駅ビルができた当時から西武セゾングループはあり

ましたから、どうしてこんな紛らわしい名前にしたやら。商標登録とか

に引っかからなかったんでしょうか。ちなみに我らが『セゾン』の親会

社は『セゾン商事』というそうです。そのまんまやないか。


#29 アクセント悪戦苦闘

#26の『ギなのかグなのか2』で「ちゅーえつ」のことを書きましたが、

ナガオカ」そのものも、東京では平坦に発音されることが多いです。

市民の発音は「ナオカ」ですが、東京では「ナガオカ(アクセントな

し)」なんですね。東京駅で切符を買うとき、「ナオカまで」と言う

と、「え? ああ、ナガオカ(平坦に)ね」と、さもこっちがナマって

いるように言われることがたまにあります。ガイジンに日本語のアクセ

ントをケチつけられたような、ヘンな気分になりますわ。


#30 えんちゃ

ひよこクラブのCMのような、パパママ赤ちゃんの平和な風景を思い

浮かべて下さい。ある日、赤ちゃんが初めて○○○を!

ナガオカ人パパ「うわー、えんちゃができまちたねー!」

非ナガオカ人ママ「……ナニ?」

ナガオカ人、ガクゼン。

このように、ナガオカ外の人と結婚して子供を持って、初めて気付くパ

ターンが多いのが幼児語。『えんちゃ』、地域によっては『えんと』、

これは赤ちゃんがペタンと座ることですね。実は、私もこの投稿を頂く

まで、これが方言とは知りませんでした。まだまだ血中ナガオカ濃度の

高い私。そして、さらに驚くべき報告が。この『えんちゃ』、標準語で

は『エンコ』なんですって!! 車のエンコの、あの『エンコ』っ!!

……取り乱してしまいました。私、『エンコ』=『えんちゃ』とは

微塵も思っていなかったので。これって、私だけ?私だけ? ああ、

まだ動揺がおさまらない。


#31 『ぎ』なのか『ぐ』なのか・3

#25#26に書きました河井継之助の読み方ネタに、またまた続報。

同じ疑問を抱いた東京のかたが長岡に現地調査を敢行、それだけでも

すごいのに、その旅行記がJTBの雑誌『旅』に掲載されたとのこと。

1989年2月号と、ちょっと昔のなんですが、中央図書館ならバック

ナンバーが保管してあるかも。興味のある人は掘り出してもらおう!

で、ギ・グ問題(語感が悪い…)についてですが、その紀行文では、

残念ながらどっちが『正しい』という結論はお預けになっています。

文献でも関係者の談話でも、両方使われているってことらしいです。

ただ、おもしろいのが、継之助に好感を持っている人は『ツ之助』

と言い、反感あるいは興味ナシという人は『ツ之助』と言うらしい、

ということ。ちょっと納得って気がしません?


#32 疑惑の四文字

以前、三文字言葉のアクセントについて書きましたが、どうやら四文字

言葉にもヒトクセあるらしいことが判明。以前書いた『かなぶん』だけ

ではなかったようです。しかも、ナガオカ人同士で意見が分かれることが

ある模様!

1) はちまき
 「ちまき」「はちき」使用者が混在。標準語は「はまき」。

2) きんぴら
 「きんぴら」使用者がいる。標準語は「きんぴら(平坦)」。

3) しりもち
 「しりち」使用者がいる。標準語は「しもち」。
 同様語に「切りモチ」「ヤキモチ」。特筆すべきは、三文字の「おモ
 チ」が「おチ」とナマること。ナガオカの一般の三文字語のアクセ
 ントにのっとれば、「モチ」となるはずである。

4) ちりとり
 「ちりり」使用者がいる。標準語は「ちりとり(平坦)」。

あんまり検証すると、全部オカしいような気がしてくるので要注意。

主宰も書きながらワケがわからなくなってます。


#33 ここはひとつオンビンに

長岡・埼玉・岡山と移動を続ける流浪の投稿者なっぴーさんによる新発見。

ナガオカ人はオンビン好き。・・・と言っても、市民がみんな日本の首相

的性格ってワケではないです。おっと社会派。

問題のオンビンは『音便』のことでございます。文法の時間で習ったアレ

ですね。「持った」「買った」など、「っ」とハネたり、「聞いた」「敷い

た」など、「イ」と伸びたりするヤツです。ナガオカ弁には、これらが妙に

多い!

【促(そく)音便系】

 寝ている →寝ってる
 落ちている→落ってる
 ねむたい →ねむったい、ねぶったい

【イ音便系】

 見えた →みーた、めーた
 似ている→似ーてる
 煮ている→煮ーてる

発音は、促音便系は頭アクセントイ音便系はアクセント無しですね。

音だけでは、「寝ってる」「練ってる」と一緒、「めーた」はなんと

「メーター」と一緒。そして、「見えている」「めーてる」と、銀河

鉄道っぽくなるのでした。あああ、お約束・・・。


#34 雪国ですから。

他県、特に雪の降らない地域からナガオカに来た人が、口にしがちな疑問の

数々。

 ・家々の屋根が急勾配

 ・高床式の家

 ・柱が太い

 ・サッシで囲われた玄関ホール&ベランダ

 ・子どもやオバさんのホッペが赤い

 ・冬、靴屋の商品がいっせいにダサくなる

 ・道路や駐車場のアスファルトが茶色い(消雪パイプのサビ)

 ・ビルの塗装がハゲがち

 ・信号機がタテ型

これらすべてが「雪国ですから。」で済むところがすごい。

東北や北海道の人たちも同じようなことを言われ、同じように答えているの

かなあ・・・。



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