#35 方言ボーダーズ

このコーナーや『げっぽをねらえ』「ナガオカ弁かも」と寄せられる

言葉のなかで、辞書に載ってはいるんだけど東京じゃ使わないなあ、と

いうものが多々あります。方言とも言えず標準語とも言えず。今回は、

そんなボーダーライン上の言葉を集めてみました。

【まける、まかす】

 液体とか粉末とかをこぼすこと。うっかり度が高いときの表現ですね。

 接頭語の「お」や「おん」を付けて「おまかす」「おんまける」とか

 言う場合もあります。関東では、「ぶちまける」とは言いますが、

 なぜか単体の「まける」は使わない。でも、「水をまく」は全然セー

 フでございます。ややこしい。

【つづく】

 コンティニューの意味じゃなくて、「届く」というか、「さわる」と

 いうか。「天井に手がつづく」とか「プールの底に足がつづく」とか

 言いますね。これ、何のヘンテツもない言葉のようですが、ヨソじゃ

 使わないです。

【なる】

 英語のcan。「車の運転がナル」とか「あんたパソコンなるがー」

 とか言いますね。

【デ】

 英語の....うー、わからない。説明が難しいんですが、「○○し甲斐が

 ある」状態とでも言いましょうか。「食べデがある」「歩きデがある」

 とか、暗に「もうたくさんだ〜!」と言っているような。

これらはみんな、ナガオカでもわりと老人用語かも。たぶん古い言い回

しなんでしょうねー。日本語ジュラシックパーク健在。


#36 開閉自在

なぜか開閉ものの投稿が二件到着。

その1、ナガオカ界隈の電車のドアは冬は手で開ける。

あはは、そうでしたね! 忘れておりました。これ、ヨソから来た人は

戸惑うらしい。壊れているとカン違いして、誰かが開けた遠くのドアに

慌ててダッシュしたりして。自動フルオープンにしない理由はカンタン。

寒いから。これもまた「雪国ですから。」でございます〜。

その2、ナガオカの家は雨戸を閉めない、あるいは、ない。

ちょっと前までは鍵も閉めないお宅が多かったですね。さすがに最近は

物騒になってきたので、オオムネ閉めているようですが。

雨戸は昔はありましたねー。木の重たいヤツ。なくなったのは、アルミ

サッシの普及と、どーせ冬はがっちり雪囲いしちゃうしなー、いらない

よなー、というセツヤク思想からでは。正しくご存知のかたのご投稿、

お待ちしておりますわ。


#37 アクセント悪戦苦闘2

再び登場のアクセントネタ。タイトルちょっと東スポですが。以前、

東京で切符を買うときの『ナガオカ』のアクセントについて書きました

けど、新幹線の中でも似たような違和感を感じられたかたからのご投稿。

問題の単語は『浦佐』でございます。車内アナウンスは日本語版も英語

版も、「らさ」とトップアクセント。本来ならこれが「まご」「

ずめ」とかと同じ、ナガオカ三文字言葉の発音法なんですが、実際は

ちょっと違いますよね。ナガオカ人の言う『浦佐』は平坦な「うらさ」。

日頃の三文字ナマりまくりを棚に上げて、アナウンスの「らさでござ

います」が妙にナマって聞こえる。「ういうぃるすーんあらいぶあっと

らさ」も、ホッペの赤い子が言っているような・・・。


#38 エンガチョ

マンガやテレビで見たり聞いたりしたことはあるけれど、ナガオカ

には伝わってない言葉 in 主宰のコドモ時代。今は伝わっているん

でしょうか? 意味は皆さんご存知ですね。なんというか、防汚

呪文。これを唱えると清潔でいられるらしい。アクション付きで、

片手の人さし指と中指を交差すると効果オン、ほどくとオフ。

「エンガチョ」のナガオカ版は、『あかなべ』というようです。

アクションは、親指を隠せば効果オン。出せばオフ。でも主宰の通っ

ていた小学校には、これも伝わってなかったです。『つけた切っ

た』と言っておりました。キタナいものをさわったときは、その

手でヒトに触って「つけた!」と言い、速攻、両手の親指と

人差指でチェーンを作って、「切った!」と言う。なんだか

そのまんまですね。造語センスまるでなし学校でおはずかしい。


#39 エンガチョ2

教室の防汚呪文に続報。ナガオカでは下記の呪文も使われていたらしい。

いったんき

 たぶん「いったん、切る」の略とのこと。言葉は上の「切った!」に

 似ていますが、アクションは何と「えんがちょ」と同じ。

バリアー

 この手の教室呪文にはめずらしい、意味のわかりやすいヨコ文字。発

 音はラストアクセントで、ちょっと勝ちホコった感じで言う。アクシ

 ョンは「えんがちょ」パターン、「切った」パターン、無しパターン

 と多数。どうやら、ベースの呪文の増強オプションらしいです。


#40 小正月

ナガオカの正月は長いというメールを市外ご出身のかたから頂きました。

七日過ぎても正月飾りを取らないのがフシギってことで。これは、たぶん

小正月をやるからですね。最近ではあんまりお祝いしなくなったようです

が、主宰が子どもの頃は、1月15日にはおせち料理やらお雑煮やらを再

び作って、正月のリフレインをやりました。さすがにお年玉はもらえませ

んでしたが、新学期も始まってつまんないなーと思っているころのミニ正

月なので、ちょっと楽しかった記憶が。というわけで、ナガオカは、三が

日、七日正月、小正月と、だらだらとおめでたがっている町なのでござい

ます。


#41 豆(状のもの)まき

前回に続いて季節行事モノでございます。三が日、七日正月、小正月の

次は、ちょっと間をおいて節分ですね。節分といったら豆まき

原信やジャスコ等でも、節分コーナーを特設して、でんろく豆とかを

並べているようです。

でも、圧倒的シェアを誇るのが殻つきのピーナッツ。床にバラまい

ても、殻をむくから衛生的。主宰の家でもこれをまいておりました。

しかし! この『ピーナッツまき』はナガオカ独自であるらしい。

しかも、市外出身者がそのことをツっこんでも、ナガオカ人の反応は、

「どっか変?」的な薄さ。実際、私もまだ「はて?」状態です。

投稿者みーもきゃっとさんは、ジャスコの節分コーナーの前で独白。

 「なんで、節分にピーナッツをまくんだろう?
 鬼が、ピーナッツで逃げるって、へんだよー。
 拾って食べれるから、というは、もっとものようだけど
 そもそも、大豆だって、拾って薄皮むいて食べられるし
 汚いと思う人は、まかないのを食べてるし。
 千葉県産の私がまかないのに、何で、長岡の人がまくんだ....
 昨年は大豆まくのは、ローカルとまでいわれたし....

 そして何よりゆるせないのが節分コーナーにピスタチオ。
 ............邪道すぎ。」

そういえば、私の家では個包装のアルファベットチョコとかも

まいてました。あ、みーもさんがフリーズ....。


#42 ローカル食材

以前このコーナーで書いた『トト豆』、『げっぽをねらえ!』に載せた

『ゆーごー』や『にーな』など、ナガオカにはいろいろなローカル食材が

ございます。それらをちょっと総括いたしましょう。

【魚系】
トト豆鮭の卵。イクラが育ったもの・イクラを煮たもの、の二説あり
ヒズ鮭の頭の軟骨。なますに入れたり、コブマキにしたり。
だだみ鱈の白子。煮つけや鍋モノに。

【植物系】
ゆーごー夕顔の実。うまからず、まずからずの味。味噌汁の具や
漬物に。
にーな正式名称が何という菜なのか不明の緑黄色野菜の煮物。
うち豆大豆をつぶしたもの。『にーな』に入れる。
思いのほか菊の花。酢の物やおひたしに。語源「思いのほかうまい」
もってのほか菊の花。酢の物やおひたしに。語源「キサマがこんな
ウマいものを食べるとはもってのほかだー!」。
誰が誰に言ったのかは不明。
いご『えご』かもしれない。言う人のナマリの度合によって
違うので、正式表記がわからない。
モノは海藻。カンテンのように寄せものに。

【虫系】
わんざ蝉の抜け殻。昔はマジで食べたらしい....。うまうま....。

ローカル食材のほとんどが、標準語では「○○の××」という説明文に

なってしまうところが特徴ですね。そのものズバリの単語がないんです。

それにしても、「ダダみ」を投稿して下さったかたが、ナニを思われた

のかこんな画像を・・・。


#43 そうだったのか

何の結論も出ず、おちゃらけて終わることの多いこのコーナー。そんな

書きっぱなしネタにレス二件。

消雪パイプ

なんとまあ#02のネタ。どこから来たのか知らないけれど、誰もがみんな

知っている消パイ。この起源に関する投稿がありました。投稿者斎藤さんに

よれば、東京オリンピックの頃、学校町の浪花屋の前で、穴を開けたホース

に水を流して雪を消すという原始消パイが見られたとのこと。やはり元祖

いえば浪花屋?

わんざ

標準語では、『蝉の抜け殻』以外に表現法がないと思っていたこの物件。

それがやっぱりありました。ずばり、『空蝉(うつせみ)』。風雅なり。

投稿者は何とあの18禁界の匿名女王様。おそるべし。女王は写真もご提

供下さいました。『#23わんざ再び』で私が描いたわんざ君とうりふたつ

ですね。


#44 兀*2

前回に引き続いて再考モノ。くしくも「パイ」が二件でございます。

しょっぱい』と『消パイ』。あ、フリーズしましたか?お客さん。

しょっぱい

#19で、東京では食べ物がしょっぱいときは「カラい」と言う、と

書きましたが、これ、実はまっとうな東京弁ではないらしい。

基本的に、「カラい」は西日本で、東日本は「しょっぱい」

のこと。東京はもちろん東日本ですから、もともとは「しょっぱい」

だったようです。東京芸人とんねるずも「しょっぱい血を流し〜、

うぉうぉう」と歌ってる。

ただ、東日本語「しょっぱい」は、東北でも使われているので、何と

なく田舎臭い(東北の人ゴメンby投稿者さん)感じがする、語感が

ダサイ感じがする、などの理由で東京の人も「からい」を使い始めた

のではないか、と。いま東京での「しょっぱい」は、味覚というより

前述のとんねるずの歌のように、ブルージーな感じを表わす叙情語に

なった感がありますね。しょっぱい試合ですみません。

消雪パイプ

#02と#43で触れた『消雪パイプ』。そのベータ版とでもいうべ

きものが学校町の浪花屋で見られた、という強力投稿を前回掲載した

ところ、さらなる怪力投稿が!。おっと『安吉』入っちゃった。

 東京オリンピックの年といえば私が小学校に入学した
 昭和39年。そしてその小学校の同級生に元祖浪花屋の
 孫息子、A・I君がいました。

 消雪パイプの特許はI君のおじいさん(多分当時の浪花
 屋の社長)のものだった、という話を聞いたことがあり
 ます。
 (のちに長岡市に寄付したとか ?)

 当時浪花屋製菓の前に、消雪パイプの試作品のような
 ものがあったとすると、この話は信憑性が高いですね。

なるほどでございます。さらにさらなる投稿を待つ!

....ああ、また『安吉』に....。


#45 初心忘るべからず

どこにも振り分けられないネタを一手にひきうける庶務コーナーと

化している当『スノーダンプ』。でも、当初は「(先生が生徒を)

かける」などの、方言ぽくないのにヨソで通じなくてびっくりした

ナガオカ語を紹介するコーナーでした。そんな初心忘るべからずな

ネタを少々。

【机を送る】

教室の掃除の前に、掃除当番が高らかに言いますね。

 「みんな、机、送れぃやー!」

ここでナンの疑いもなく机とイスを教室の後ろに寄せるのが、正しい

ナガオカ青少年。梱包送り状はとオロオロするのが他地域の人....ま

あそんな天然な人もいないでしょうが、この『机を送る』、どうやら

ナガオカ用語らしい。私も今回ご報告頂くまで知らなかったです。標

準語だと思ってた。しょっぱい主宰ですみません。

【電話貸して】

これも「通じなかった」という投稿が。

電話貸して」と言うと、「いいよ」と電話の置いてある場所を示して

くれるのが、正しいナガオカ人。「なんでやねん」という顔でモジュラ

ージャックを引き抜いて電話器を渡してくれるのがヨソの人....そんな天

然な人はいないっちゅーに。正しくは「電話使わせて」らしいです。で

も、携帯やコードレスなら「貸して」もきっと全国区。ナガオカは言葉

だけモバイル先取りでございます。

【小便出たい】

なにやら下ネタですが、これもまた通じなかったという投稿あり。

これを言ったら、「あんたの小便には意思があって自分で出たいと

思うのか?」と問われたとのこと。「出たい!」ですもんねー。

「俺はここから出たいんだー!」と、自由を求める魂の叫び。

どうしてこんな『小便』サイドの表現になったやら。


#46 RE:#45 初心忘るべからず

『#45 初心忘るべからず』で掲載したネタ『電話貸して』について

市外ご出身のかたから異論一件。

 長岡にくる以前から「電話貸して」とか「トイレ貸して」
 「火貸して」というふうに、「使わせてもらう」の意味で
 「貸して」って使ってますけど。
 #このときにたいてい「返してね」と、ぼける。

はいはい、この「返してね」のボケは、東京でも大いに聞き覚えが。

というわけで、どうやらセーフな言葉のようでございます。もとの

言葉よりも返しボケのほうでピンとくるなんて・・・。


#47 ローカル食材2

ナガオカならではの食材集その2。冬の食べ物の多さで、その1への

レスメールであることがバレバレですが。『NEWEST NEWS』

ご自分の名前を見つけ、「投稿したっけ!?」とびっくりしている方、

実はここでございました。処理が遅くてごめんなさいいいい。

ぼこまめ 殻つきピーナッツのこと。南京豆。「ぼこ」は蚕の繭。
形が似ているかららしいが、その由来を知らないほうが
おいしく食べられるような気が。
とんび イカのくちばしを乾燥させたもの。お酒のおつまみ。
名前の由来は不明。鳥の鳶にはまったく似ていない。
強いて言えば顕微鏡で見たミジンコ似。
みつやま 食材、というか、郷土料理用語。
大晦日の晩餐に子供につけられる、お菓子ばかりの
ひと皿。大きな三角形に切ったカンテンやようかん
などを派手っぽく並べる。


#48 越後名物

『こんなところにナガオカ』でたびたび登場する漫画ネタですが、ど

うやら新潟県は漫画家の特産地であるらしい。いままでお寄せ頂いた

情報をまとめると下記のようなラインナップに。


#49 あなどるなかれ越後名物

#48で新潟出身のマンガ家さんを掲載したところ、「そんなもんじゃ

ありません」というツッコミが殺到(3通…「なーんだ」ってお思い

でしょうが同一ネタで同時期にこれは多いのよー)。新潟のマンガ家

さん輩出率の高さは、マンガ読者層の厚さと熱さによるものなのかも

知れません。そういえば、ナガオカを離れてみて思うんですが、目黒

書店や覚張書店のマンガコーナーって、一般書店にあるまじきマニア

ックな品揃えだったかも。

というわけで、一覧表改訂版でございます〜。

高橋留美子 『めぞん一刻』『うる星やつら』
ラムちゃんは佐渡ヶ島出身と思っている県民多数。
また、『めぞん一刻』の五代君は新潟出身の設定。さすがに本人はナマっ
ていませんが、そのおばーちゃんがルビが必要なほどナマっている。
魔夜峰央 『パタリロ!』
舞台のマリネラ王国の形はなぜか佐渡ヶ島。そして、パタリロ愛用の
運送業者はなぜか『中越通運』。
水島新司 『ドカベン』
これは有名。明訓高校。
赤塚不二夫 『天才バカボン』『おそ松くん』
これまた説明不要。時節柄ご自愛下さい...。
和月伸宏 『るろうに剣心』
『こんなところに....』参照。
新沢基栄 『ハイスクール  鬼面組  奇面組』
らぶみー・うっしろゆーび♪....<若い人ごめんなさい。
と、ウカれたコメントしていたら肝心の作品名を誤記してしまいました。
『鬼面組』では赤胴鈴之助、というツッコミが。
そして、これまた主人公のおじーちゃんが新潟人。「新潟県人はマイナー
指向が強くてのう」とつぶやく…。
小林まこと 『1・2の三四郎』『What's Michael?』
『マイケル』にはコテコテの新潟弁を操る新潟人がしばしば登場。
しげの秀一 『バリバリ伝説』『頭文字D』
走り屋系。 越後湯沢を舞台にした作品あり。
聖悠紀 『超人ロック』
超能力系。 残念ながら新潟出身の超能力者の登場はナシ。
八神ひろき 『DEAR BOYS』『二人におまかせ』『G-taste』
青春系。柏崎出身。
と、サワヤカに書いたが、違う意味での青春系だったらしい。正統派の
フェチ系(ん?)。プレステソフト『胸騒ぎの予感』のキャラデザイン
もご担当。
高野文子 『絶対安全剃刀』
マイナー系。『アネサとオジ』という新潟弁マンガ有。
桑田乃梨子 『おそろしくて言えない』『卓球戦隊ぴんぽん5』
白泉社系。ご本人は千手小、南中出身か。
『ぴんぽん』は体操着がまんま東中デザインらしい。『おそろしくて』に
『蒼紫の森』という作品が収録されていることはおそろしくて言えない。
魚喃キリコ 『ハルチン』『Blue』
上記『ハルチン』内にガ音多用の中越風新潟弁登場。
『Blue』には古町モールが。

渡辺祥智
エコ子ちゃん
↑東北電力「エコアイスキャンペーン」のマスコットキャラクター。
本来は白泉社系作家らしい。

大井知美
『名探偵マルチ小五郎』『しあわせHナイショの方程式』
児童向けとレディコミの両刀というすごい人。HPへGo!
new!
小畑 健
『ヒカルの碁』『あやつり左近』
「新潟県出身…らしい」とのこと。『剣心』の和月氏の迷宮再びか!?
new!
片山 愁
『プラハゼータ』(挿絵)
「漫画も描いていますが、題名は覚えていません(苦笑)」と
投稿者さん談。こらこら。

さらにちゃんとしたラインナップをご希望のかたは、常連投稿者ひぐさんが
新HPを起こされましたので、そちらへGo!でございます。
漫画家さん以外にも意外なあの人この人が!



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