*エリアマーケティング

マ-ケティングル講座(全ページ表示回数)-since:05-10-10  

l. マーケティングとは
2. エリアマーケティングとは
3. ○○○の編集中
4. 小売業のマーケティング
5. メーカーのマーケティング
6. マーケティング・セミナー
7. マーケティング情報源
8. マーケティング用語集
9. マーケティングの本
10. コンパクトシティ
11. 事例−鹿児島分析


4 小売業のエリアマーケティング(編集中)T UPDATE: Sunday, Febru

LAST UPDATE: Thursday, October 08, 2009

 企業活動におけるマーケティングとは,顧客が求めている物や必要としている事は何かを把握し,それを満たす商品やサービスを提供すること,にあります。これは,売り手から顧客に向けての「売れるしくみづくりとその実行」に関する一連の企業活動にほかなりません。

 もはや,「よいモノを作れば売れる」,あるいは「よいモノのを安くすれば売れる」という方程式が,通じない状況にあります。成熟した市場にはモノがあふれています。モノやサービスの価値を決めるのは,あくまで買い手(顧客)であって,売り手(生産者)ではありません。売り手の論理でなく,買い手の立場での生産・販売がマーケティング,すなわち売れるしくみづくりのポイントです。そして,P・F・ドラッカーの,「マーケティングは顧客から出発する。“客に何を売りたいか”ではなく,“何を買いたいか”を問うべきだ」との提言にもあるように,顧客ニーズ対応につきます。小売店の周囲は道路ができたり,競合店が出店したりと立地条件は,時々刻々と変化します。これに合わせて地域住民の生活行動や消費構造も変わっていきます。したがって,小売業者は,地域動向から目を離せません。

 小売業のマーケティングの基本は商圏調査です。商圏調査により,自店の商圏を把握し,顧客ニーズを探ります。第2段階では,競合店観察,地域特性の分析です。このような基礎データの収集・分析のもとに,自店の特徴を活かした,戦略の形成とその実践が,顧客の支持を得るカギとなります。

◆小売業のエリアマーケティング

 エリアマーケティングとは,日本生まれの発想です。風土,地勢,歴史あるいは生活慣習から生じる地域特有の価値観や購買慣習に対応したマーケティングの展開がエリアマーケティングです。

 エリアマーケティングとは,多様化する消費者ニーズへの対応という観点から,全国一律のマーケティングではなく地域差を見据えて,市場を細分化し重点市場を絞り込んでいこうとする手法です。すなわち,地理基準で市場を細分化し,地域特性,あるいは地域の消費者ニーズに対応した商品,価格,販売促進,販売経路や販売場所いった要素から構成されるマーケティング・ミックスの組み立てといえます。

 店舗への来店範囲は,時間あるいは距離などから限定されることから小売業におけるエリアマーケティングの地理範囲は,限定されます。
 なお,コンビニエンスストアや総合スーパーなどではドミンナト出店と称して,一定の地域に集中出店しながら,徐々に広げていく例も多く見られます。この場合の対象エリアは県あるいは地方単位となります。

 エリアマーケティングのねらいは,地域の経済情勢や社会構造の変化を見据え,地域特有の気質や暮らしぶりに応じた品ぞろえと売り方により,暮らしになくてはならない店との評価を得て,固定客を増やし売上高を増大することにあります。こうしたエリアマーケティングもまた,顧客の囲い込みと固定客化を築くための営業戦略と位置づけられます。企業活動におけるマーケティングとは,顧客が求めている物や必要としている事は何かを把握し,それを満たす商品やサービスを提供すること,にあります。これは,売り手から顧客に向けての「売れるしくみづくりとその実行」に関する一連の企業活動にほかなりません。
 

1 商圏調査が原点

 小売業のマーケティングは,商圏内の地域特性,地域差に着目し,その地域に合致した店づくり・売場づくりの実践にあります。
 そして,商圏の「地域特性」を明確にするための一連の調査が,「エリアマーケティング調査」です。エリアマーケティング調査は,「顧客ロイヤリティの向上」→「地域唯一店化」の実現に向けて,「顧客は何を求めているか」「当店の強みを生かす途は何か」を明確にし,地域事情に対応した店づくりに生かせる情報を得ることを目的とします。



1−1 商 圏 

商圏とは,「小売店舗,商店街やショッピングセンターなどの商業集積の顧客吸引力の及ぶ地理的あるいは時間的な面の広がり」です。 商圏は,地域に住む人々の生活行動に加え,店の業態や売り場面積,駐車場規模,さらには店周辺の道路事情や競合店の状況と言った多くの要因が複雑に絡み合って形成されます。
1−2商圏範囲の測定・設定方法

 商圏範囲の測定・設定方法は,@来店客調査,来街者調査などのアンケート調査による,Aポイントカード,自社カードなどのカード会員の利用実績によるA電子地図,あるいは住宅地図や1万ぶんの1といった詳細な地図上での推定,B店へのルートにあたる主要道路沿いに車を走らせ所要時間や道路事情を勘案して推定する,Cハフモデル,ライリーの法則といった統計モデルによる推定などの方法をります。

・来店客を対象としたチラシ広告の回収
・来店客に対する聞き取り調査
・店周辺の居住者を対象とした訪問面接調査
・自社カードの利用実績よる来店範囲の集計
・ハフモデル,ライリーの法則といった統計モデル
・住宅地囲あるいは市街地図などによる机上での推定
・店への来店経路にあたる道路沿いに車を走らせ,所要時間や道路事情を勘案し,所要時間10分〜15分以内を1次商圏とする   
    などにより,商圏を設定します。

1−3 商圏の特性

 所得水準の高い地区,あるいは持ち家比率93%の農業地区であるといったような,その商圏の地域性,つまり商圏の持つ際だった特徴が商圏特性です。
@来店客調査で商圏範囲を把握
 来店客を対象とした調査は,調査対象者を抽出するサンプリング作業といった手数のかかる作業を要せず,比較的容易に次の情報が得られます。なお,来店客面接調査は,調査対象が来店客に限定されることから,商圏内の消費者についての全体像を把握することは困難です。正確に商圏を把握するには,訪問面接調査との併用が必要です。         

2 地域密着の条件(編集中)


3 事例 小売業のエリアマーケティング(編集中)

イトーヨーカ堂−−地域別,個店別対応を徹底
 鈴木敏文セブン&アイHD会長は,「商品のライフサイクルは,放物線を措く長いものから,あっという間にピークが来てストンと落ちる茶筒型へ。今はそれがペンシル型へとさらに短くなった」と指摘する。ユニクロの新製品の相次ぐ投入と話題づくりは,このペンシル型消費をつかむ手法。待ちの衣料品販売でなく,何が売れるか,ピークはいつか予測を立て,ものづくりや品揃えに生かす。そのために必要なのが,従業員一人ひとりができるだけ長くお客に接触してニーズを聞き,それを仕入れて売る基本姿勢。地域別,個店別に品揃えを大きく変える取り組みも加速する。
                   (出典 「激流」  2009-May p16)

チェーンストア経営の終焉 −−オークワ

 店の規模と取扱商品を標準化。安さを軸に売り手、買い手の双方を画一化し、大量生産、大量販売を可能にしたのが、チェーンストア経営である。ダイエーやジャスコに代表される大手スーパーは全国に出店した。
 大手スーパー、コンビニエンスストア、ファミリーレストランの加速度的成長を担ってきたチェーンストア経営であるが,、最近は綻びが目立つ。標準化、画一化、効率化といった従来型のチェーンストアの基本理念が大きく揺らぎ、その存在意義が問われているのである。だ。

4つの“顔’’を持つスーパー
 和歌山県を地盤とする食品スーパー、オークワは,、低価格店の「PriceCut(プライスカット)」、高級食品スーパー「MESA(メッサ)」、そして社名と同じ通常の食品スーパー「Okuwa」を展開している。同社はほかにも大型スーパーで低価格が売り物の「SUPERCENTEROKUWA(スーパーセンターオークワ)」を出店する。。オークワ1社で4つの“顔”を持っているのである。
 同じ会社が食品を扱う4つの業態を抱えるのも珍しいが、同じ業態でも店舗規模に大きなバラツキがあることも異質だ。37店舗ある低価格店は、385平方メートルから3052平方メートルまで8倍近い開きがある。従来型の食品スーパー(88店)では、495平方メートルから5271平方メートルと実に10倍以上も違う。標準化とは程遠い。
 オークワは, 「人口が減っており、新規顧客の開拓は難しい。であれば同じ商圏で同じ消費者を深耕する。1人のお客様を(1店にしか行かない)1人の消費者と見ると見誤る。人それぞれが店の使い分けをしている」。十人十色の消費行動ではなく、一人十色の消費を取りこぼさないように、様々な業態を取り揃えたというわけである。




大手紳士服専門店――新立地に活路を求める         

  2009年度,大手紳士服専門店(青山商事,AOKIホールディングス,はるやま商事,コナカ)4社の出店計画総数は,前年比27%減の78店と大きく抑制される見通し。急速な景気後退で,各社の業績が悪化していることが背景にある。少子化で国内市場がますます縮小するなか,各社は生き残りを賭けて新立地や新業態などの次の一手を打ち始めている。
 
 メンズスーツ市場は,洋服のカジュアル化や団塊世代のリタイアなどで縮小傾向が続く。2007年の市場規模は2700億円前後と,97年からほぼ半減。

 生き残った大手各社は,カジュアル衣料や女性向けのビジネススーツなどに進出。カラオケなど多角化路線も模索してきたが,高成長路線に回帰できていない。郊外店も,昨年はガソリン高騰で客足が鈍って軒並み苦戦。直近の決算では業界3位のコナカと,4位のはるやま商事がそれぞれ赤字転落を見込むなど“再々編”の声も漏れ始めた。

 少子高齢化に歯止めがかからず,今後も人口が増える気配はない。つまり,紳士服市場は長期に渡り縮小傾向が続くのである。そこに加えて,夏場のクールビズファッションが需要減退は止まらない。

 業界に残された道はカジュアル分野を含め,いかに新しい業態開発ができるかだが,一部に非衣料分野への進出を図る動きもあるが,非衣料も含め新たな業態開発にいまだ各社とも成功したとは言い難い。となると,残る道はM&Aか出店による売上げアップとなる。

AOKI−九州市場を攻める理由
 AOKIホールディングス( 代表取締役社長 青 木 擴 憲)は,今後5年間で首都圏では5店を約60店に増やす。家賃低下でビルが借りやすくなり,郊外店での購入が減っているため首都圏を強化。九州はフタタ(福岡市)買収に失敗したことから,単独進出となった。
 
  AOKIは紳士服業界2位で,最大手の青山商事に次ぐ。AOKIは今後5年間で,九州では7店を約50店に,東京の都心9区に55店を集中出店する。5年後の紳士服部門の売上高目標1300億円のうち,都心店の売上高を300億円(現在5店,30億円)に拡大する方針。

 AOKIは業界2位の売り上げとはいえ,青山とは売上高で倍以上の開きがある。市場の縮小傾向からみて,今後,生き残れるのはよくて業界3位まで。となるとAOKIに残された道はM&Aか,出店による売り上げアップしかない。
  その点,AOKIは九州へは未進出であり,今後5年間で50店舗,九州に出店する目標を掲げているが,すでに九州地区には青山83店,コナカ・フタタグループ81店,はるやま商事が50店出店している(07年12月時点)。最後発のAOKIが果たしてそこまで出店できるかどうか。

○熊本県での店舗展開の趣旨(同社HPより転載)
 株式会社AOKIが展開している紳士服専門店「AOKI」は,2008 年5月に九州エリア初の店舗となる福岡長住店,春日店を,6月に筑紫野店を開店し,現在3店舗を展開しております。
 この度,九州エリアにおけるドミナント出店を推進するため,九州の中核都市のひとつとして発展を続けている熊本県に2店舗を開店することが決定し,2008 年11月29日に熊本保田窪本店,熊本白山通り店の2店舗をオープンいたします。熊本は,九州エリアにおける成長戦略の上で重要な地域と位置づけており,今後も積極的な出店を目指してまいります。
 また,12 月5日には福岡西新店をオープンし,福岡でのドミナント出店も促進いたします。今後も株式会社AOKIは,全国各地への積極的な新規出店を推し進めるとともに,ファッションのスペシャリティストアとして,新商品の開発やサービスの拡充による更なる顧客満足の向上を目指すことで,地域社会・経済の発展に寄与してまいります。
(1)熊本保田窪本店   熊本県熊本市保田窪2-12-16 売場面積 807 u
(2)熊本白山通り店  熊本県熊本市九品寺6-3-28 売場面積 562 u
(3)福岡西新店  福岡県福岡市中央区今川2-1-60 売場面積 509 u

他の紳士服専門店も手をこまねいているわけではない

 「紳士服はるやま」を展開するはるやま商事は,若年層の顧客が多い「パーフェクト・スーツ・ファクトリー(PSFA)」を都内で46店出店しているが,郊外店中心の「紳士服はるやま」も年度内をメドに都心へ出店。幅広い年代層を取り込む方針。

 コナカは昨年秋,東京・新橋に実験店として「コナカ・ザ・フラッグ」をオープン。約900平方メートルの売り場に1万円の格安スーツや機能性スーツなどの品ぞろえで,「売り上げは好調」という。

 1994年の銀座進出以来,青山商事は東京23区内で「洋服の青山」を64店舗,「ザ・スーツ・カンパニー」を16店舗,運営している。「今後も良い物件があれば考えたい」としており,長期的には両業態でさらに100店舗の出店を見込む。

 こうした紳士服専門店の“都心攻勢”に対し,百貨店には「品質で選ぶ人はまだ多い」とし静観の構え。 ただ,立地条件が良好なうえ価格面の優位性から「百貨店の顧客が流れる可能性は強い」との観測もある。

◆コンビニ

 1974年5月に東京都江東区豊洲(とよす)にセブン−イレブンの1号店が出店されてからはや35年。24時間営業に始まり、「家庭の『冷蔵庫』、『台所』、そしてATMの導入で、『サイフがわり』にまで,生活に浸透したコンビニだが,2010年以降の成長戦略を見出せていない」状況にある。

20〜30代男性のための店と認知されてきたコンビニだが、成長のために欠かせないのが顧客層の拡大だ。各社ともいま、主婦や高齢者の取り込みに躍起になっている。

●セブンン-イレブン− 立地条件と施設条件をミックス・立地を100タイプに分類

 同じ地域では,同じ商品が「売れ筋商品」となり、地域内のすべてのコンビニが同じ品揃えをしていればいいのであろうか。東京・目黒区内にある店でも、目黒通りに面した店、つまり路面店と,住宅街にある店では,各商品の販売動向は異なるだろう。 同じエリア内の店であっても立地条件が異なれば「売れ筋商品」も異なる。立地条件と販売動向の相関関係というものも大事な情報となる。
 セブンーイレブンが2006年に導入した店情報システムでは、この立地条件と販売動向との相関関係がデータ化されている。
 全店を「ロードサイド」「事業所」「オフィス・繁華街」「住宅」「複合」という五つの立地条件カテゴリーに分類した。これに、近くに学校がある、病院がある、工場がある、といった21分類された近隣施設というカテゴリーを組み合わせる。
 施設の21bunnrui類は以下の通り。小学校、中学校、高等学校、大学・専門学校、官庁・役所、工場、駅、インターチェンジ、墓地、病院、海水浴場、潮干狩り、サーフィン、海釣り、スキー、紅葉狩り、キャンプ、レジャー、観光地、観戦型スポーツ施設、参加型スポーツ施設である。
 海の近辺といっても、海水浴場、潮干狩り、サーフィン、海釣りと細かく分かれている。それぞれの利用客では求める商品に違いがあることが、これまでのデータで分かっているに違いない。
 立地条件と施設条件を組み合わせれば、都合100タイプ以上に細かく分類される。それぞれのタイプの店で何が売れ筋商品であるかがデータで示される。このデータを地域担当のスーパーバイザーや各店長が発注作業や品揃え作業に活かそうという狙いである。
 コンビニ各社は、販売動向の情報収集と分析に力を注ぎ、莫大な費用を投じている。利用者が求めるものに応え、利用者の変化に食らいついて行こうとしている。その努力がコンビニの隆盛をもたらした。




ローソン −−       

 ローソンは世代や商圏に合わせた店舗展開を進める。青色看板のレギュラー店に加え、働く女性をメーンターゲットに据えた「ナチュラルローソン」、生鮮食品中心の品揃えで主婦や高齢層を狙う「ローソンストア100」や「SHOP99」、複合型の「ローソンプラス」を、商圏ごとに配置仕分ける。


 ローソン社長  新浪剛  個性あるコンビニ
 21世紀のコンビニは立地に応じて,店のデザインや品揃えが違ってよい。
 効率一辺倒で画一化されたコンビニは,消費者にとっておもしろくない。
  ・勝ち抜くためにはライバルと違う発想を
  ・街にマッチした店づくり
  ・個店主義

●セブン-イレブン
 セブンイレブンの勝利の方程式とは(1)地域集中出店(2)情報システムを駆使して死に筋商品を把握(3)メーカーと連携し独自商品を開発(4)地域性に応えた品ぞろえと,良質の接客サービスによる集客力の向上――である。こうした戦略を一歩一歩着実に進めてバイイングパワー(商品調達力)を高め,業界をリードしてきた。本部の営業利益額ランキングもセブンイレブンは1668億円で2位ローソンの4.4倍だ。                          

 セブン−イレブンは主婦層のおかず需要を狙い、昨年フライヤー(揚げ物)商品を展開した。1店当たり1日平均1・5万円を売り上げ、平均日販(約62万円)の2%強を占める。また、老夫婦や単身世帯向けに始めた食事配達サービスの「セブンミール」も注力分野だ。会員数はまだ20万人弱だが、「今後は、地域によって商品構成を変えるなどして需要増を図る」(石塚光男・営業部長)。認知度の向上が当面の課題だ。ファミリーマートは生鮮野菜や刺し身などの販売コーナー「ファミマフレッシュ」の導入店を現在の1200店から2012年2月期までに350店に拡大する。

●ファミリーマート

「コンビニにはまだ、“高い”“不健康”という負のイメージが残っている。そうした偏見をいかに払拭するか」)が問われている。そのため、「行政サービスや家事代行のお手伝いをし、地域のインフラになる」として,サービスの多様化に取り組んでいる。





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         参考ページ:ストアコンパリゾン  
                  エリア情報リンク集
                 広域商圏調査リンク集



 


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