環境省不法投棄ホットライン 御中

件名:農地法及び産業廃棄物処理法違反を訴えます(1):2005.04.21


陽春の候 時下ますますご清栄の段お喜び申し上げます。

古明地 光久 と申します。独立行政法人:産業技術総合研究所において、環境化学を専門としていました。

建設廃棄物、がれき、金属くず等多量の産業廃棄物が土中に埋め込まれたままになっています。
本件は、農地法及び産業廃棄物処理法違反であり、広域にわたる環境汚染の原因となりますので、止むを得ず訴えます。

なお、本件に関しては、第1回目の町役場への申し入れを平成15年3月31日に行いました。それ以降、牧丘町役場、牧丘町農業委員会、及び県庁への申し入れを行いましたが、本質的対応(原状回復)が為されないまま放置されています。このような状態で良いのでしょうか。

経緯:

平成15年3月31日、担当する牧丘町に第1回目の申し入れを行いました。
平成15年5月25日、農地法違反工事を原因とする「身の危険を感じる造成工事」に関して、山梨県知事(担当部局は農政部となった)へ第1回目の申し入れをしました。

県の対応は、知事命令によって「農地(畑)への原状回復をさせる」ことでした。即ち、畑は畑、田は田へと、元の農地の状態へ回復させることが指導されたはずです。また、牧丘町・町長も県の指導に従い、「原状回復」を実行することを言明していました。

しかし、約2年という「相当な期間」が経過したにも拘らず、瓦礫、廃材などが埋まったままの状態(農地法及び産業廃棄物処理法違反)作業が終了(平成17年3月20日頃)したようです。元の畑も田は、現表面の数メートルも下にあり、原状回復は全く為されませんでした。私はその場所に近接して居住していますので、原状(前の状態)と環境破壊過程を良く憶えています。さらに注目すべきは、作業の終了時に土地表面に偽装工作がなされたことです。すなわち、瓦礫など廃棄物を含む土壌を隠蔽するために、どこからか搬入した畑の土が表面全体にばら撒かれました。

何故に原状回復を為さなかったのでしょうか。頑なに、原状回復を行わない理由は何でしょうか。極めて具合の悪い物でも混入しているのでしょうか。廃材等を投棄していた現場を見てきた私としては、拭いきれないほど大きな疑問と不安を抱きます。土中の廃材等は腐食・腐敗等によって地下水を汚染し、近接する田や畑の果樹などの周辺環境はもとより、やがては広域拡散によって広範囲にわたる環境被害を与えることでしょう。牧丘町においては、本件のような違反行為は日常的に行われていますが、人間関係を恐れて隠蔽されているだけです。私は、このような環境破壊の状況に、強い危機感を抱きます。

牧丘町の農業委員長は、「差し迫った危険が去れば、農地法なんぞ無視してもいいのではないか」というような、「原状回復」に対して極めて消極的な態度であったことを思い出します。

今回の結末から考察しますと、町長と農業委員長が深く関与した状態で、農地法及び産業廃棄物処理法違反が行われたと思わざるを得ません。


この事件は、農地法の罰則でも最も重いケースに該当します。最高裁判決でも懲役刑が確定しています。

最高裁判所判例集判決全文表示:
H14.04.05 第二小法廷・判決 平成12(あ)585 農地法違反被告事件
内容:
 件名  農地法違反被告事件 (最高裁判所 平成12(あ)585 第二小法廷・判決 棄却)
 原審  H12.03.30 仙台高等裁判所秋田支部 (平成11(う)24)


平成17年3月28日、「県の原状回復命令は実行されなかった」に関して、山梨県知事室へ申し入れをしましたが回答はありませんでした。


これまでの経緯は、以下のURLに掲載しました。

農地が凶器および農地法の形骸化責任:
http://www2s.biglobe.ne.jp/~komeijim/kai10_02.html
http://www2s.biglobe.ne.jp/~komeijim/kai10_03.html

不法投棄ホットラインへのメール(非公開):
http://www2s.biglobe.ne.jp/~komeijim/kai10_03_sangyouhaikibutu_mail.html


ご多忙のところ、誠にありがとうございました。

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環境サイト 「自然が友」  古明地 光久