銀塩写真(普通のフィルム写真)では、かなり撮っていた水槽の熱帯魚写真。
その難しさにいつも苦労していたが、今回試しにデジカメでトライしたところ、これが結構綺麗に撮れるので、ビックリした。ただ、真正面からパチリとやると、やはりその出来は悲惨なものになるので、デジカメフォトテクニックと題して、水槽写真のコツを書いていきたいと思う。
水槽写真の難しさは、普通のカメラの写真と同じであるが、 デジカメならではの利点を活かさない手はない。
では、何が一番の利点か?
それは、撮ったその場で写した写真を確認できることである。
デジカメ写真は何度失敗しても、その場でモニター出来るところが、嬉しい利点である。 失敗は成功の母、実はこれが水槽写真における最大の武器であり、失敗の中に素晴らしい写真が生まれると確信して欲しい。
その利点をフルに生かして、綺麗に撮れるデジカメ写真のコツを書いていきたいと思う。
なお、私が使用しているデジカメは、2000年に買った東芝アレグレットM70というカメラで、 300万画素3倍ズームマクロ撮影可のものであるが、デジカメテクニックとして、今回の説明で、その機能に類するもの、またズームの必要はそれほどないので画素数200万画素以上、マクロ撮影付きであればかなりのいい写真が撮れると思う。
先に挙げたフォトテクニックと同じように これからあげる3つの点について、 まず説明しようと思う。
1、ガラスの反射
2、奥行きをカバーするピント合わせ
3、魚がぶれないようにするシャッタースピード
それでは、まずそれらの一つ一つについて説明から。
やはり光量不足の為、光の反射が写り込んでしまう問題がある。2、奥行きをカバーするピント合わせ
では、どうしたらいいか?
デジカメの場合、思い切って発想を変えて、真正面からよりちょっと上から、斜め横から、はたまた水槽に張り付いて、マクロ撮影に挑戦という方法が良い。いくら失敗しても大丈夫なデジカメ、何枚か撮っているとストロボの反射が写り込まない撮影ポイントが分かってくる。
ここでストロボオフをした場合、ブレのないピントの合った写真を撮るのは難しいが、上手く撮れると雰囲気のある写真となる。(グッピーオス2参照)
水槽全体のピントを合わせるには、フォトテクニックに書いた、同じような問題点がある。
では、どうしたらいいか?
これも発想を変えて、絞り込んで水槽全体にピントを合わすよりも、魚に集中してオートで魚にピントを合わすように心がけると、うまく撮れるようになる。水槽の奥行きは30センチ内外なので、もちろん設定はマクロ撮影。マクロであれば、数センチから撮れるようになるので、水槽のガラスに張り付き、そのすぐ先の魚にオートフォーカスでピントを合わすことが可能となる。よってマニュアルフォーカスの必要がなく、カメラのオートフォーカスの方が、綺麗に撮れるようになるのである。
魚撮影の場合、むしろ奥がぼやけていた方が、グッと引き立ってくるし、奥の水草にピントを合わすことも、簡単。被写体がよりハッキリしてくる分、デジカメの方が、面白い写真が撮れるのではないであろうか。
ただ、若干ピント合わせに時間のかかるカメラもあるが(実は私のデジカメ)、それはアングルを変えながらゆっくり待つようにしよう。
これもフォトテクニックに書いた問題点がある。
では、どうしたらいいか?
今まで書いてきたように接近してのマクロ撮影なら、光の反射もそれほど気にならず、ストロボが使える。ストロボさえさえ使えれば、光量不足を心配することもないし、シャッタースピードに関係なく、画像の中で魚はしっかり止まってくれるようになるだろう。あえてそれでもという場合は、カメラの設定をシャッタースピード優先にすると良いと思う。
真正面から水槽全体を撮るには、マニュアル操作のしにくいデジカメだと、フィルムカメラのフォトテクニック以上に難しくなるが、 今までの「どうしたらいいか?」を説明は、ガラスで反射してしまうストロボやフラッシュを使わないで写真を撮ろうとするところから、始まっているので、
マクロが楽に使え、ストロボが使え、シャッターを押す前にモニター出来、撮った写真の選別もすぐ出来るデジカメなら、フィルムカメラ以上に綺麗な写真が撮れる事も出来ることであろう。
蛍光灯の選び方
蛍光灯については、光量不足をあまり考えなくていいので、問題はその光の色という事になるだろう。デジカメ画像の場合、画像ソフトである程度カラーバランスも変えられるので、それでも変な色になってしまうときには、蛍光灯を変えることも必要となるが、僕の経験ではデジカメの場合は、一般的な熱帯魚用の蛍光灯のままでいいと思う。
フィルムの選び方
フィルムを使わないデジカメでも、フィルムのようにISO感度を設定出来るものがある。しかしストロボが使える状態なら、変えなくてもいい。試しにISO400にして写真を撮ってみたが、感度がよくなる分、画像が荒くなるような感じがしたので、これもISO100のままの方がいいと思う。
ほとんどフィルムカメラのフォトテクニックのコツと同じだが、撮影に対してのコツをこれから説明していきたいと思う。まず水槽はきれいに!
せっかく写真を撮るときに、ゴミが浮いていたり、ガラスがコケで汚れていては、綺麗には撮れない。撮影前には、しっかりと掃除をすることも肝心。
ここで水草や、流木の配置等にも、気を配っておくことも重要。思い切って、かぶりつきで!
ここがフィルムカメラと違うところだが、マクロ設定にしたら水槽のガラスに思いっきりかぶりついて、いろんな角度から魚を狙ってみよう。フレーミングだけに集中し、絞り・シャッタースピード・ピント合わせはデジカメまかせ、かぶりつきの自分の撮影体勢は気にせず魚のいろいろな表情をバシバシ撮ってみよう。気長に写真撮影を!
デジカメでも、これが一番のコツ。
カメラアングルやストロボを使える分、その自由度は増すので、より自分の思い描いた場所の熱帯魚を狙えるだろう。
ただやはり相手も生き物、ゆっくり気長に待つのも大事である。それでいてこれはと思ったときは、数多くのシャッターを切ってみよう。
フィルムを使った場合、”2時間以上カメラを構えてフィルム2〜3本使う”と書いたが、
デジカメならモニターしながらフレーミング出来、たとえ失敗してもすぐに消せて、良いものだけを残せる。時間だけは惜しまず、あとはかぶりつきでバシバシが、表情あふれる熱帯魚デジカメ写真を撮る最大のコツといえよう。
さて、私の水槽写真におけるデジカメフォトテクニック、参考になりましたか?
もし参考になりましたら、是非あなたもデジカメで気軽に熱帯魚写真を撮ってみてください!
最初は、思うようにいかなくても、だんだんと素敵な写真が撮れるようになってきますよ。
素敵な熱帯魚写真が撮れましたら、是非送って下さいね。
なお、このアクアリウムのページで質問等がありましたら、いつでもメールを受け付けます。