たとえ、ミニツーリングでも・・・
       ミニツーリングに出かけました。北海道に行く予定が日程に調整がつかず、
      僅か一泊二日という情けなさ・・・。しかし、そこは楽しまないといけません。
      少しハードなコースを組み、調子を整え(バイクと自分と)、後は行くだけと
      いうだけでした。BUT、なんと“台風”がやって来るではありませんか!!
      よりによってこんな時に、盆時季のツーリングで「暑さ」の心配をしたことは
      あっても「天気」の心配をした記憶はない。これも‘日頃の行いの悪さ’なの
      かなぁと思うも心当たりはなく、なんか心重いスタートになってしまいました。

       尼崎から今庄まではひたすら高速単純移動。途中、草津で朝食をゲット。今
      日のコースを考えると宿泊予定の高山まで「まともな食事」はこれが最後か?
      今庄で降りて、一路〈塚林道〉へ。芋ヶ平の集落(廃屋)から待望のダート。
      変わらない手ごたえのある豪快な路面がそそります。ただ、舗装化は進んでお
      り林道看板柱以降高倉峠まではターマックになってしまっています。そして、
      高倉峠、切り通し状の破風高原です。おりしも台風の接近により、雲が流れ峠
      を渡り散っていっていました。
       高倉峠以北は、GW時に残雪のためやむなく引き返したところですが、今回
      はもちろん通れました。しかし、ほとんどがターマック。道幅が広くて走りや
      すかったこの道も塗られてしまったらただの道でしかありません。さて、この
      後〈秋保早稲谷林道〉向かうため、R417,R157をトレースしなくては
      なりません。今回のコース策定にあたり最後まで調整したのがこのあたりです。
      おそらく、冠山林道を抜けて大野市側からアプローチする方が楽だし時間も短
      いと考えました。しかし、ダムに沈む徳山の集落も見ておきたかったし、『酷
      道』R157温見峠も通りたかったから、岐阜県側からアプローチすることに
      決めました。


塚林道の福井県側上り部分
芋が平廃集落から川筋にフ
ラットなダートが続く。そして
谷を突き当たり上りにかかる
と豪快な路面に変わる。
しかし、この地点からわずか
でダートは終わる。
       ダムに沈む徳山集落を通り越して渡りの県道に入ります。すると、南側斜面       に入ったからなのかいきなりの豪雨に見舞われてしまいました。覚悟していた       とはいえ、夏のカッパは嫌なものです。雪崩防止のスノーシェードにBAJA       を止めレイン仕様に着替えます。ここで、小休止。「エヴィアンにバランスア       ップ」食事というよりも栄養補給といった感じではあります。       さて、『酷道』R157ですが、期待通り!の素晴らしい道でした。完全一       車線、林道クラスのコーナーR,そして、舗装の亀裂、溝、剥がれ等なんでも       ありの『酷道』でした。その上、支流の流れ込みは必ずフラッド(川渡り)し       ているし、へたなダート道より楽しめたのではないかと思います。しかし、地       図で見る限りこれも国道なんですよね。カーナビなんかのも出るのだろうかし       ら、そうだとしたら「国道」の名に安心して入ってきて、実は『酷道』だった       と気がついてどうしようもなくなってしまうサンデードライバーがいるのでし       ょうね。オーストラリアやアメリカのロードマップには、道路状況なども記載       されているので、ダートを走る人、そうでない人も便利なんですが。日本の地       図も「提灯記事の観光案内」などどうでもいいから、走るのに本当に必要な情       報を記載した地図を製作販売してくれないものでしょうか。ライダーにはもち       ろんのこと、RV族やチャリダー御用達の“昭文社ツーリングマップ”の人気       の秘密はこういった道の生の情報が記載されているとことにあるのだと思いま       す。このR157、温見峠以北は正真証明のダート部分も残っています。       次にめざすは〈秋保早稲谷林道〉です。実はこの林道、前述のツーリングマ       ップに記載されるまでに、その著者鈴木さんからの情報によって走らさせてい       ただいた思い出深い林道です。もう7〜8年前のことになりますか・・・ マ       シンもXLR、カメラもA−1だった。峠直下の崖崩れ箇所を弟セローといっ       しょに必死で通ったけ。峠は切り通しで北に見える白山が雪を積んでできれい       だったなぁ。懐かしいなぁー、なにか旧友に会いに行く気分です。       伊勢峠はブナ林に囲まれて以前と同じ姿で佇んでいてくれました。しかし、       林道は・・・ 「死んでました」。空気の流れが滞り、道が生きていません。       早稲谷側からトレースしてみなくてはいけませんが、おそらくどこかで大規模       な崖崩れか崩落があって通り抜けできなくなってしまって久しいのでしょう。       草に埋もれてなくなっていく二本の轍を見つめながら過ぎ去ってしまった時を       感じずにはいられませんでした。寂しくなります。        あとは、宿泊予定地の高山に抜けるだけです。R158を忠実にトレースし       て高山に向かいました。        天気予報が台風直撃を伝えています。レイン仕様にすれば走ること自体は問       題がないのですが、景色が開けないことと、管理上で道が通行止めになるのは       防ぎようがありません。祈るような気持ちでベッドにはいりました。       翌朝、やっぱり雨。おまけにTVのニュースで‘乗鞍スカイライン’と‘安       房峠’が通行止めと騒いでいる。これで、予定のコースをトレースすることは       できない。さて、どうしようか? 800円のわりに内容の薄い和定食を食べ       ながら弟とルートについて話し合った。私は今日帰宅しなければならないし、       弟は飯田に宿が取ってある。ということで決定したルートは、R361で木曽       福島へ、そしてR19号で南木曽、そこから飯田に抜ける林道を走ろうという       もの。R361もR19も走りたい道ではないけれど、台風とあっちゃしょう       がない。あきらめの気持ちで白いファミリーセダンのお尻を眺めます。しかし、       意識散漫なのか、興味喪失なのか、こういったリエゾンの道何度も走ったこと       があるのに全く印象がありません。林道なんかだと入った瞬間に「あっ!ここ       だ!!」という気持ちが湧いてくるのに。しょうもない道はいけません。弟に       いわせると、無意識の内に記憶しないようになっている。まぁ、要は、捨てて       いるわけなのです。私たちはこのような状況に陥った道を「腐った道」といっ       ています。        腐ったついでに、腐ったところの見てしまいました。「妻篭宿」なんですか、       あれは!? 大の大人がぞろぞろとふぬけた顔して、高い駐車料金払って人工       的に造り直した家を見て、外国産の山菜そばをたべて、違うところで作ってい       る郷土玩具を買って。あぁー情けない!! 彼らは古い町並みを見に来たので       はなくて「妻篭宿」という観光資源を見に来た訳なんですよね。私は、こうい       ったところにたくさん棲息している、どうせ観光客だから金に糸目はつけない       だろうということで、某外な価格で商売を営む輩が嫌いでしょうがありません。       なんで、駐車料金がそんなにするの、自動販売機のジュースが110円じゃな       いの。駐車料金集金おじさん、どうしてそんなに金の亡者みたいな顔になって       しまったの。「観光地価格」これはまさしく「日本固有の言葉」だと思います。        私たちは、宿泊費・交通費は別にしても普段一日生活している以上のお金は       使いませんし、こういった所には絶対に“寄附”しません。        高山も素晴らしい街です。しかし、それは小京都といわれる古い街並みと、       今平成の時代の文化とが混ざりあっている、普段の生活エリアが素晴らしいの       であって、人工的(演出的)に保存された「上三之町」などは、やっぱり「観       光資源」と言わざるをえません。姿あるもの必ずいつかは消え去っていくのが       運命です。ですから、美しくそして儚いのだと思います。いつまでも変わらぬ       姿でもしあったなら、こんな気持ちは起こってこないでしょうし、新しいこと       をやろうとする気持ちも起こらないでしょう。保存とはありのままを残すこと       であって、演出することではないと思います。崩れいく建造物を見つめ、その       歴史を感じ、そして思いを馳せてこそ歴史への意味があるのであって、改築し       て綺麗にして、中で食堂をしたり土産物屋をしたりするのはどこか、変である       と思います。        やや、愚痴っぽくなってしまいました。       閑話休題        妻篭を蹴散らして、旧木曽街道大平峠へ向かいます。しっとりと落ちついた       風情の道です。残念ながらガスで南アルプスや御岳は見えないけれど、ストン       と落ちた路肩から眺望の良さは想像できます。そして、峠を下り大平宿(廃村)       へ。ここはみっけものでした。朽ち果てていく旧集落がそのままの姿でありま       す。訪れる人もほとんどなくひっそりとした佇まい、古くはなっているものの       そのしっかりとした造りに昔の栄華を感じずにはいられません。しっかりと踏       みしめられた旧街道、清冽な水を流す用水路、洗濯場らしき切り込みも昔のま       まです。自然と調和しやがて自然に還っていくであろう“大平宿”をいとおし       く思います。        さて、ここから飯田市に抜ける林道があります。〈鳩打林道〉川を下ってい       くので谷筋フラットダートかとおもいきや峰越し林道でした。峠の随道(この       場合トンネルというより随道)後はターマックになってしまいますが、グリッ       プも適度で荒れもあり、なかなか本格的山岳林道の体を成した良い林道でした。        あとは、飯田市内へ一直線。インターで弟と別れ中央道に乗りました。        以上のミニツーリングでしたが、最後の大平集落と鳩打林道のおかげで気持       ちの良いツーリングとなりました。9月10月にも連休があります。なんとか       時間を作ってたとえ1日でもバイクとともに過ごしたいと思います。                            XLR−BAJA  890q
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