9月に入りましたが暑い日が続いています。やはり、こんな日は“ビール”
に限ります。飲めない私がこんなことを言うのも、最近巷に「地ビール」が目
立ち始めたことにあります。麦のコクどっしりと、ホップの香高く、醸造所の
想いが味に現れるような、地ビールを求めてのツーリングを始めています。
地ビールがどうのこうのいう前に、日本の大手4社のビールな味はどうなの
でしょうか?
ひとことで言って「軽く、すっきり」でしょうか。‘アサヒ・スーパードラ
イ’の大成功によって、ビールが全体的にあんな味になってしまったようです。
昔は日本のビールもいろいろとありました。「ピルスナー」や「エール」と名
打つものもあったし、「100%モルツ」をうたったどっしりしたビールもあ
りました。しかし、今の大半のビールはただホップの苦みだけで、それを支え
る麦のどっしりとした腰のない、軽いというより味のない、すっきりというよ
り平坦な味のアルコール飲料と堕しているような気がしています。
商売上手の日本人、日本酒はできるだけ米を使わず、そしてビールはできる
だけ麦を使わず造る技術を日々開発しているようです。それが、「淡麗」であ
り、「ドライ」であると賞賛されるわけですからやってられません。本物を知
らないから、世間の評判や流行に流されてしまう。なにもビールに限ったこと
ではありませんが、勉強して研鑽して自分を磨いて、自分自身の価値観をして
判断していきたいと思っています。
さて、地ビールです。アウトライダー誌にも特集がありましたが全国津々浦
々ブルーパブができています。私たちの関西圏にも何社かできました。そのな
かで今回は、三田の「地ビール三田屋・揮八朗ビール」と長浜の「長濱浪漫ビ
ール」についてお話したいと思います。
まずはそれぞれのビールから
〈揮八郎ビール〉
・揮八郎ビールブラックタイプ
・揮八郎ビールFタイプ
→焙煎したモルトを使った下面発酵の濃色タイプ。
・ピルスナーmタイプ
→下面発酵、アルコール度数4.8〜5.0%
〈長濱浪漫ビール〉
・長浜エール
→5.5%、クラシカルなエール、上面発酵
・レッドエール
→5.2%、焙煎モルト使用、上面発酵
・ピルスナー
→5.0%、下面発酵
・ブロンドラガー
→4%、ライトタイプビール
・バイツェン
→4.9%、原料に小麦を50%使用、
・スタウト
→4.0%、ローストモルト使用の黒ビール
味については各人の好みにより大きく評価が別れると思われますので、旨い
まずいについて詳しく言及はしませんが、いずれのビールも原料が「あっ麦だ
な」とわかる、香りとコクがあることは間違いありません。私個人としては、
好ましく感じました。もちろん全部を試したわけではないので(三田屋はピル
スナーとFタイプ、長浜はエール、ラガー、バイツェン)、どうしても馴染め
そうな物からオーダーしましたから、もっと癖の強い物を飲むと感じ方が変わ
ってしまうかもしれません。
ただ、いずれのブルーパブも経営者の「ビールを造りたい」という気持ちか
ら出来たところだということには共感しました。「自分が造りたい物を真っ正
面から造る」 そこには、あけっぴろげな心の拡がりが感じられます。「売れ
るビールを作る」ではなく「自分が造りたいビールを造る」、このような夢を
持ってビールを造る醸造所があるかぎり全国「地ビールツーリング」を続けて
いきたいと思います。
また、「ツーリングネタ」を増やしてしまいました。
さて、ビールの話ばかりでツーリングのことがありません。少し今回のコー
スについて触れておきたいと思います。(長浜にいった時のこと)
琵琶湖は、大阪神戸からは本当に近く海岸沿いとは少し雰囲気の違った湖岸
ツーリングの楽しめるところです。大津近辺や雄琴のあたりはごちゃごちゃし
ていますが、琵琶湖大橋から北のエリアは信号も少なく、心地よい湖からの風
に吹かれてのツーリングパラダイスです(湖北端にはダートも結構ある)
今回は、堅田まで京都からR367を使い山から一気に琵琶湖へと入りまし
たが、宇治川を遡っても良し、京都東から湖西道路で入っても良し、昔とは比
べ物にならないくらいにアクセスも良くなりました。
堅田から琵琶湖大橋を渡り湖岸道路へと入ります。海岸線を走るときは時計
回りが基本ですが、湖を巡るときは逆時計回りになります。当然少しでも水際
を走りたいからです。レークビワやラフォーレのリゾートホテルを垣間見て、
まずは近江八幡を目指します。道は幅広の2車線、アベは70〜80キロくら
いでしょうか。行き交う車も少なく快適です。やがて道はドンツキに、近江八
幡市街は右折ですが、私は左折し近江八幡国民休暇村への道へまわります。こ
の道は狭いけれど(1.5車線ワイディング)ほんと水際を走ります。古びた
休暇村を過ぎると2車線のワイディングになります。ここはローリング族がで
るのか薄表舗装にブラックマークというあまり見たくはない物を見てしまいま
した。
湖岸道路に戻り彦根を目指します。途中「道の駅〜能登川水車」などに寄り
道して小休止です。彦根、米原と少し狭い部分もありますがおおむね快適に走
り抜けて長浜着です。名神高速を走ると退屈でしょうがない滋賀県ですが、こ
うして走るとなかなかおもしろい滋賀県でした。長浜は、今「秀吉」で大にぎ
わいを見せています。私も大河ドラマ「秀吉」のファンでして、ですから長浜
に来たわけなのです。昔(20年位前)に一度来たことはあるしR8はしょっ
ちゅう通っているのですが久々に来た長浜の街は、観光地然としたところなく
今と昔とが上手に共存している良い街でした。「秀吉」ブームに浮つくことな
く、生活臭を感じさせる街がありました。
長浜を過ぎるとすれ違う車もなくなります。バードウォッチングセンターな
どをかすめながら道は賤ヶ岳へと向かいます。この辺りになると山が琵琶湖に
一気に落ち込んでいるので、景色はリアス式してきます。どこか日豊海岸のよ
うな景色だなぁと思いながらR8に合流しました。遅れましたが今回の愛車は、
トランザルプです。走行距離が350キロ程度と予想されましたし、ビール試飲
後の休憩時間も考慮しなくてはいけませんでしたから、BAJAは留守番とな
りました。
「国道8号線」一桁国道にも関わらず風光明媚なところを走ってくれます。
賤ヶ岳辺りの琵琶湖北岸、敦賀湾を臨む杉津あたり、そして越前海岸の入り口
部分、さらにその先の親不知海岸などおいしい所を走っています。ここ塩津浜
あたりも素晴らしいレークサイドランが楽しめます。この後奥琵琶湖パークウ
ェイを走る予定でしたが通行止めのため、R303を使い大浦にで海津大崎に
トラを進めました。海津大崎はさくらのトンネル、季節にくれば素晴らしいと
ころでしょう。一度その季節に朝早く訪れてみたいものです。道は1.5車線、
マキノにつながります。マキノは琵琶湖北湖最大級のマキノサニービーチのあ
るところ。2〜3キロにわたって砂浜が続きます。8月の下旬とあって人はま
ばらですが、あちこちで水しぶきがあがっていました。ここにある「奥琵琶湖
マキノプリンスホテル」は、サニービーチに面したリゾートホテルです。トラ
ンザルプで玄関ポーチにさっと乗りつけてちょっと気取ってみました。大きな
窓から差し込む晩夏の光、ゆったりとした時の流れ、ミルフィーユを頬張りア
イスミルクティーを喉に流す。あぁー、1週間くらいステイしてみたい。(で
きればこころおきない女の子といっしょに・・・)
マキノからは湖岸道路を再びトレースします。近江今津・舞子とと通り過ぎ、
新旭町へ。ここには「道の駅〜新旭風車村」があります。オランダかぶれのし
ょうもないところかと思いきや、水質浄化のための水車を回すための動力を風
車によって発電しているきわめてまじめなところなんだそうです。そして、新
旭町を過ぎると山が近づいてきて湖岸道路はR161に吸収されます。もう、
琵琶湖北湖一周のツーリングも終わりです。
実は、この後車で行ったりしてまたビールを飲みました。コースはほぼいっ
しょなので、レポートにはそちらの方の感想も若干加えて書き込んでいます。
最近近場ばかりのレポートですが、ダートを探して走り回っていると、「ポ
カン」と空いたエリアがでてくるようです。そこを、上手く見つけて、なんか
理由をつけて旅に出たいと考えています。
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