地ビール 伊賀モクモク&湯布院
       この寒い中、地ビール巡りを続けています。

       まずは、「伊賀の里モクモク手づくりファーム」から行ってまいりました。
       尼崎から湾岸線、中央線、松原線と阪神高速を乗り繋ぎさらに西名阪道を走
      り抜け、25号線バイパスの名阪国道壬生野ICから北へ15分ほどのところ
      に「モクモク」はあります。山々に囲まれたおだやかな丘陵地に、「ハム・ソ
      ーセージ工場」「焼き豚工場」[BBQレストラン」「豚舎」「豚のテーマ館」
      「売店」などから構成されている手づくりファームの中にお目当ての「ブルー
      ワリー」があります。造られているのは、エール・ヴァイツェン・ピルスナー
      などの6種類ですが、ここの素晴らしさは、「ビールも農産加工品のひとつ」
      としてとらえ、その原料である麦の生産から手がけているというところです。
       ファームへの入場料300円を支払い園内に入るとかわいいミニぶたが迎え
      てくれます。このミニぶた、放し飼いにされていて決まった時間に呼び集めら
      れてトン芸を披露したりしていますし、子供連れの良い被写体になっています。
      園内中央にBBQレストランがあります。ログ調の2階建て、1Fは予約制で
      4名からの予約になります。実は当日朝予約電話を入れたのですが、4名から
      といわれやむなく予約不要の2階テラスハウスに行く予定にしていました。こ
      の時の電話の対応も良かったので、オーダーしたビールとつまみについては期
      待していました。
       ピルスナーがないのは残念でしたが、エールもスモークも麦の良い香りのす
      るどっしりとしたものでした。つまみは、ファーム産の良質の豚肉を使ってい
      るためか余り手をかけすぎるといった印象はなく、豚本来の旨味で勝負してい
      るという感じであっさりとした味付けでした。ハムやソーセージといった食肉
      加工品は、香辛料をきかしてスモークをかけてといった具合に考えてしまいが
      ちですが、材料が本物であればそんなに手を加えなくても旨いものであると、
      あらためて思いました。これは、添加物を使わないということにもつながるわ
      けで、ファームの客層がアッパーミドル層のファミリー中心ということにも納
      得がいきます。食の安全を考える人たちにとって、作り手の顔が見える商品と
      いうのは本当に信頼のおける商品ということになってきます。この路線の中に
      地ビールもはまっています。作り手の顔の見える地ビール、伊賀モクモクの売
      りだと思います。
    ・伊賀の里モクモク手づくりファーム
       三重県阿山郡阿山町西湯舟3609  п@0595−43−0909
       スモークエール
       スモークラガー
       アンバーエール
       伊賀山麓ピルスナー  いずれも270 500 1,600MLでサーブ
       つまみは伊賀豚BBQセット、モクモク自慢のハムソーセージセットなど各種あり。


       次は「ゆふいん麦酒館」です。
       前述の「モクモク」は、まぁ美味しいだろうと予想していきました。という
      のもハム・ソーセージについての評価は世間に周知されているし、地ビール生
      産にいたった経緯も充分に納得性のあるものでした。しかし、今回の「ゆふい
      ん」は、そういった意味でとても心配していました。心配のひとつは、そのデ
      ベロッパーが湯布院一の旅館である山水館であるということ、そして醸造期間
      が短くてすむ上面発酵のビールしか作っていないことでした。

       いくら旅好きの私でも「地ビール」のためだけに九州へ行くほどの道楽者で
      はありません。そこで今回は博多の新しいランドマークとなった「ホークスタ
      ウン」と「キャナルシティー」ベースに湯布院、阿蘇を周遊するというコース
      に仕立てて友を誘い九州へ向かいました。
       まずは寒さの洗礼です。福岡県は九州といえども地形的には日本海側なので
      す。寒いたらありゃしない。これだから「ラーメン」が旨くて「もつ鍋」や「
      あら鍋」などの鍋物が流行るのだなぁと勝手に感心して、今宵の宿シーホーク
      へと向かいました。しかし、ダイエーグループはやりますね〜。キャナルシテ
      ィーもダイエーだから、福岡にダイエーが持ち込んだ経済効果は計り知れない
      ものがあるように思います。その夜は中州の屋台でラーメンを楽しみました。

       さて、翌日湯布院へと九州道を走ります、途中日本で唯一のクローバージャ
      ンクション鳥栖JCTで大分道へと繋ぎ湯布院インターまで高速代2,850
      円分走りました。しかし九州の人は飛ばしますね、120キロなんてあたりま
      え、トラックがばんばん抜いていくもの、おぉー恐い。大分道も高速とは名ば
      かり、対面通行が多いし今回は片側交互通行までありました。ここまでして、
      高速を全国展開する必要があるのでしょうか。まぁ、普段一般国道を走ってい
      る私たちにとっては、観光バスやルートトラックが減って良いのだけれども、
      地元の役人のメンツと土建屋の利益のためにやっているような気がしないでも
      ありません。
       「ゆふいん麦酒館」旅館山水館の横にあります。観光バスが止まっています。
      中年女性のグループが大勢います。ご丁寧にネクタイをした中年の団体客がい
      ます。無機質な笑顔を浮かべた店員がいらっしゃいませと迎えています。「こ
      れはマズイ雰囲気です。第一印象は最低でした。」 とりあえず、淡色と濃色
      のバイツェンをたのみます。料理はバイキングです。さて、淡色は論外です。
      全くそこらへんのビールと同じ、口中に無機質ないがらっぽさがはしります。
      ホップ風味のアルコール飲料でした。濃色は許せます。酵母も残し、クリーミ
      ーな泡立ちにも好感が持てます。どっしりとまではいかないけれども麦の風味
      は充分に楽しめます。次にスモークをたのみました。これもいまいち、スモー
      クが中途半端な感じで香りを出したいのか色だけでいいのかはっきりしません。
      総じて万人に受けるように作っているといった印象は拭うことができませんで
      した。料理もしかり、「美味しくビールを飲んでもらうためのつまみ」といっ
      た発想でレシピを考えているわけではないようです。どちらかといえばホテル
      のランチバイキング的なメニューでした。おばさんが多いのも頷けます。

       しかし、「ゆふいん麦酒館」のような存在は必要であると思います。私は、
      地ビールや一部の名酒といわれるものは飲みますが、他にはアルコールは飲み
      ません。旅館やホテルに泊まっても食前酒以外には手を出しません。ですから
      酔うために飲むのでないのでアルコール飲料についても料理と同様に味につい
      てどうのこうのと評価してしまえるわけなのですが・・・
       こんな、私が困ってしまうのは純日本旅館に泊まって夕食が終わっってから
      の時間の使い方です。だいたいこの手の旅館は夕食が午後6時くらいからです。
      前述のようにお酒を飲まないので1時間もあれば水菓子まで終わってしまいま
      す。そのあとなにをするか、風呂もいいでしょう(しかし、入りすぎるとのぼ
      せてしまう)  ゲームコーナーをのぞきましょうか(ガキンチョといっしょに
      時代遅れのゲームをするのもむなしい) お土産を買いに売店でもひやかしま
      しょうか(本当の老舗のものは並んでないし、どこもかしこも同じような商品
      ばかり並べて日本人て本当にお土産好き)  困ってしまいます。こんな事が多
      いのでなるたけパブリックスペースの充実した規模の大きい旅館をチョイスす
      るのですがどこも似たりよったりのようです。基本的に「風呂に入って、宴会
      で食べて飲んで、二次会で騒いで、夜食を食べて寝る」をベースにアミューズ
      メントが組み立てられているので、家族連れやカップルなどが過ごすことので
      きるスペースがないのが今の旅館の現状ではないのでしょうか。ですから、も
      うドライにわりきって公共の宿に泊まったりRVよろしくキャンプに走るので
      はないかと思います。
       そこで、「ゆふいん麦酒館」のような施設が温泉街の中にあって、食後から
      就寝までの時間を心地よく過ごす時間と空間を与えてくれるのであれば、日本
      旅館に泊まらない層も振り向いてくれると思います。前泊のシーホークはホテ
      ル&リゾートと名打っているだけあって、飽きさせないアミューズメント性を
      持っています。このアミューズメント性はやはり若者中心でしょう。日本旅館
      に泊まって居る人が望むようなアミューズメント、これなら日本旅館に泊まっ
      てもいいなと思わせるようなアミューズメントの、なにかきっかけのようなも
      のが「ゆふいん麦酒館」にはあると思いました。隣のハム工場やパン工場と共
      に、「顔の見える日本旅館」をめざして頑張って欲しいと思います。

     ・ゆふいん麦酒館
         大分県大分郡湯布院町川南108−1  п@0977−84−2101
         淡色バイツェン
         濃色バイツェン
         スモーク
         つまみは、昼・夜バイキング 1,500円

       この後、無料になった「やまなみハイウェイ」を走り阿蘇に泊まりました。
      翌日は阿蘇登山を試みましたが積雪のためやむなく挫折。草千里ならぬ雪千里
      を見てすごすごと引き上げてきました。

       九州には、他にも霧島高原ビールや綾町ビールがあります。今度は「シーガ
      イヤ」に泊まって地ビール巡りをしてみたいものです。


    追伸
       今春オープンする「大阪ドーム」に「地ビール三田屋」がオープンします。
       地ビール工場を併設したブルーレストランとしてオープンします。料理は本
       格ステーキとバイキングです。来阪の時にはぜひ訪問ください。
        ・大阪ドーム9F 三田屋
            大阪市西区千代崎3丁目中2-1-901R  п@06−586−1333
               1997年3月1日オープンです。
 
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