ご質問 床矯正(その4)


お答え  「健康な歯を抜歯したくない。」 それは、普通の人間なら誰でも考えることです。しかし、現実にはできることとできないことがあります。「4人がけの椅子に6人がちゃんと座れるか?」という話なら、どなたでもわかるでしょう?

 確かに、椅子を広げる、大きくするという考え方もできます。しかし、際限なく大きくできるわけではありません。骨格による限界、筋の付着位置や筋力のバランスなど、いろいろな要素が安定のためには必要です。安定が取れなければ、後戻りが起こるだけです。

 

 上の写真は、10年近く床矯正をやって、一度はキレイに並んだらしいですが、父親の海外転勤について行って、1年間放置したら、こうなりました。 奥歯のかみ合わせは合っていますが、前歯は出っ歯ちゃん+叢生の状態です。上顎の前歯はねじれながら、唇側(前のほう)へ飛び出しておりますし、下顎の犬歯は唇側(表がわ)にはじき飛ばされています。

 できることと、できないことが世の中にはあるということです。できないことをやるのは時間とお金の無駄だと私は考えています。

 患者さんにとっては、「床矯正では治らない、という事実を知った」価値はあるかもしれませんが。

 


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