ご質問 床矯正について、教えてください。(その1)
追加項目:床矯正(その2)、床矯正(その3)、床矯正(その4)もあわせてご覧ください。
お答え 歯科矯正治療は、装置を使って歯を動かしてゆく治療です。装置には多くの種類がありますが、大きく分けて取り外しが可能かどうかで分類することができます。つまり、
1)固定式装置(Fixed Appliance)=接着剤を使って、歯に直接装置をくっつけてしまうもの。
2)可徹式装置(Removable Appliance)=取り外しが可能。プラスティックの部分やバネ(クラスプ)で歯にひっかけて使う。
の2種類です。
床矯正装置は2の可徹式装置の一種です。利点は、取り外しができることです。痛かったり、都合の悪い時には外しておけます。しかし、これが欠点となります。歯科矯正治療は痛みを伴う治療なのですが、ちょっと痛いからと言って外していると、全く治りません。(当たり前) 治療の確実性という意味から言えば、非常に不確実な装置です。
もうひとつ欠点としては、歯のコントロールが厳密にできません。たとえば、「この歯の頭を2.5ミリ表側に出して、根っこを1.5ミリ後ろにずらそう。」なんてことはできません。こういった治療の精度に関する問題は、治療後の後戻りに関係してきます。歯の見える部分が動いても、根っこ(見えない部分)が元の位置にあると簡単に戻ります。
☆基本的には
子供の歯並びを治す時などに、その後に仕上げの治療をする予定があるとか、治療の精度を求められない時には私も使用することがあります。
また、歯の本数が減った成人において足場(固定源)の確保ができない場合は使うことがあります。=歯が固定源にならない場合、歯ぐき(歯肉)を使うわけです。
しかし、床矯正のみで全ての治療が完遂するとは考えられませんね。当たり前ですが、症例を分析して(診断して)、適切な装置(治る装置)を選択するだけです。「何でも床矯正。」というのもおかしな話でしょ? お金と時間を使って元に戻ったら、その治療は無駄ということになりますね。
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