治療するかどうか?
骨格性の異常に起因する不正咬合(骨格性反対咬合など)の治療には健康保険が適用されますが、それ以外は保険外(自費)治療となります。しかし、自費治療でも確定申告すれば医療費控除の対象となります。つまり、厚労省は不正咬合を病気とは認めてないのですが、財務省は病気であると認めているわけです。
治療するかどうかは、個人個人の価値観に委ねられます。お米5Kgを2000円なら買うけど、3000円なら買わない。いや、値段がいくらでも買いたければ買う、それも個人個人の自由裁量です。
医療は、治療による利益と不利益を考えて行われるものです。レントゲン写真1枚でも、被爆のリスクと撮影によって得られる利益を天秤にかけて行われます。ちなみに飛行機に乗って海外旅行をするとレントゲン写真撮影よりも多量の宇宙放射線に被爆します。
歯科矯正治療は他の医療行為と同じく、利益不利益、価値観を考慮して決めてください。一番大事なのは、患者さん本人にやる気(治療意欲)があるかどうかです。勉強する気が無い子に勉強をさせる、食べる気のない子に無理矢理食べさせる、そういうのって無理があります。強制治療ではありませんので、よく考え相談されて決めてください。
学校での健康診断は将来のために必要な知識を提供するためのものです。歯並びが悪くても、命に別状はございません。しかし大人になったときに、「知らなかった、教えてくれなかった。」と言われないように、情報を提供するだけです。情報を提供して、ご判断されてください。