消えた29622    完結編

 

大阪にお住まいの本多さんから、「59609のナンバーをつけた機関車が三笠鉄道記念館に現存する。」という情報を提供していただき、それに応じて北海道岩見沢市にお住まいの北炭魂さんが、わざわざ出かけていって調査をしてくださいました。

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三笠鉄道記念館に保存されている"59609" 北炭魂さんの撮影です。

送っていただいた写真をみると、ランボードや空気溜の位置から、この機関車が明らかに59609ではないことがわかります。
次に、現役時代の29622の写真と比較してみました。

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三笠鉄道記念館に保存されている"59609" 北炭魂さんの撮影です。

1975 現役時代の29622 別冊週間読売『さようなら蒸気機関車』より


それぞれの写真を並べて比べると、コンプレッサー、ランボード、空気溜の位置ははもちろんのこと、各種の配管の形状、位置までぴたりと一致します。さらに、正面からみると、連結器の脇のボルトや穴の位置まで同じです。したがって、三笠鉄道記念館の機関車は、実際は29622であると断定してもよいでしょう。

本当の29622も、きちんと保存されていたことは、非常に喜ばしいことです。蒸気機関車の末期では、保存された機関車も多かったようです。しかし、あれから四半世紀がたった今、スクラップ同様に荒れ果てた機関車も多いと聞きます。それにくらべれば、取り違えられたとはいえ、きちんとした博物館で保存されている2両の機関車は、やはり好運だったと言えるでしょう。
それにしても、何気なしに確認した刻印が、取り違えを明らかにするきっかけになろうとは思いもよりませんでした。まして、本当の29622が見つかるとは。
今、私はインターネットによる情報交流の力と、ネットで出会った同好の方たちのご厚意を、つくづくと感謝する次第であります。


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