大和デパート屋上

昭和25年（1950年） 頃  大和デパート屋上   撮影：渡邊 馨一郎

子供のころ、親に「街」へつれていってもらったときは、デパートで買い物の後、おもちゃ売場を経由して、食事（もちろんお子さまランチ）をし、屋上遊園地であそんで帰るのが定番でした。
当時は、おもちゃを買ってもらえるのはクリスマスだけ、外食などめったにできず、遊園地は遠足以外にはいったことがない、と言うような時代でした。ですから、デパートへ買い物に行くことは、最初に親の買い物をする退屈な時間を我慢すれば、子供の喜ぶ最高のコースが待っていたわけです。デパートは、そんな要求をすべて満たしてくれる存在でした。「デパートへ行く」というのは、子供にとっては、特別な響きがあったのです。
写真は、まだデパートに屋上遊園ができる前の頃と思われます。写真の奥が海へ向かっているのですが、全くビルが見えません。右上に見えるのは当時あったNHKのアンテナです。