紙芝居屋
昭和26年(1951年) 新潟市赤坂町 撮影:渡邊 馨一郎
路地に自転車を停めて、拍子木をならすと子供たちが駆け寄ってくる。飴玉やドロップス、水飴などの駄菓子を子供たちが買い求めた後、いよいよ紙芝居が始まる。少しでもよく見えるようにと場所の取りあい。学校の授業よりも真剣なまなざし。
昭和30年代までは、各町内でこのような光景がみられたそうです。
写真は、赤坂町の通で紙芝居に見入る子供たちです。正面のいい場所でみている子供は、とても楽しそう。外側の子は、何とかして見ようと必死。体力負けした、ちっちゃな子が押し出されてしまって可愛そう。紙芝居屋のおじさんの名調子が聞こえてきそうです。
町内によって、紙芝居をする場所、時間はだいたいきまっていたそうです。テリトリーがあるらしく、同じ場所へ来る紙芝居屋さんも同じ人でした。紙芝居は、たいてい1回二本立てで、続き物の冒険ものと、単発の漫画ものの組み合わせが多かったようです。最も人気があったのは「黄金バットだったそうです。」
私は自分の目で紙芝居屋さんを見たことはありませんでしたが、兄は昭和40年頃に自宅近くで見た記憶があるそうです。紙芝居屋さんは、テレビの普及とともに消えていきました。