まるこの日常生活の記録と映画鑑賞記

2000.5.1〜5.10.


4月30日(日)
 今月中有効の招待券が1枚残っていたので、『理想の結婚』を観に行くことにする。以前、予告編を観た時も面白そうだったし、ケイト・ブランシェットやジュリアン・ムーアなど、私の好きな女優たちが出ているのも魅力だったし、既に観た友人たちの評判もなかなか良かったので、楽しみにしていたのだ。しかし…。
 劇場の照明が落ち、予告編が始まったとたんに、私は急激な眠気に襲われてしまった。これはいけない! と、あわててカバンの中からガムを探すが、こういう日に限って持ってきていない。仕方がないので、脇とか、ひじとか、ももとか、色んなところをつねってみたのだが、眠いものは眠い。普段3〜4時間しか寝ていない私が、昨日は6時間も寝たというのに。  映画が始まっても眠気は一向におさまらず、ストーリーが全く頭に入ってこない。長く映画を観ているが、最初からこんな状態なのはめずらしい。本編が始まって約15分後、私は意を決して寝に入ることにした。もう、開き直って「寝てやろう!」と決めたのだ。そして、寝た。熟睡だった。気付いたら、ラストシーンだった。
 映画のあと、ミニーと待ち合わせ、今度結婚する映画仲間のリンダのお祝いの品を買いに行く。ミニーを待つ間、ふらりと立ち寄ったLoftで、海の絵のシルクスクリーンに心を奪われ、衝動買いをしてしまう。28,000円だった。勢いで85,000円くらいの肉筆画を買ってしまいそうになったのだが、タイミングよく現れたミニーが止めてくれた。そうなんだよ、私のしょぼい部屋には立派すぎるんだよね。でも、欲しかったな…。
 目的のお祝いの品を買い、ミニーと別れたあと、再び私の買い物熱が上がり始めた。仕事が忙しくなり残業が増えると、やたら買い物をしまくってうっぷんを発散させるというのが私の悪い癖なのだ。今日もまたスプリングコートやジーンズやサンダルなどあれこれ買いまくり、さっき買ったシルクスクリーンと合わせると、使ったお金は10万円近くになっていた。オーマイガーっ! 先月の残業手当以上に使ってるじゃない。あ…明日から自粛しよ。でも、予定も入ってる。くぅ…。


4月29日(土)
 今日から楽しい楽しい9連休! ちょこちょこと友人たちと約束を入れているものの、どこかに旅行に行くなどという大きな計画はない。今日は全く約束がなかった日なので、5月3日に参加するフリーマーケットに出品するブツを部屋の中で物色することにする。着なくなった洋服や使わなくなったカバンやアクセサリー、引き出物でもらった食器や香典返しのタオルセットまで、使っていないものは何でも売る。1年使わなかったものは、きっとずっと使わないのだから。
 すると、この狭いアパートのどこにこんなにいらないものがあったのだろうかと思うくらい、すごいことになってしまった。ザッと見ただけで、引越し用のダンボールに4箱分くらいはある。これで、タンスと押し入れの中がかなりすっきりした。問題はこれをどうやって運ぶかということだ。私には車がない。自転車しかない。積み上げられたガラクタの山を見て、しばし呆然とする、まるこっち。


4月28日(金)
 明日から9連休だ〜い! 入社してもうずいぶん経つけど、会社自体が9日間も連続した休みを取るのは初めてのこと。どこに行くというほどの予定は立てていないのだけれど、やらなきゃならないことはたくさんあるし、ちょこちょこと友人と遊ぶ約束をしているので、あまり暇はない。えびちゅが持って来た山のようなマンガ本は果たして読めるのだろうか。
 今日はその前哨戦ということで、ナタリー、ピーチパイ、ドロシーと私の女4人でカラオケ。カラオケに来るのは去年の12月30日以来だから、もう4ヶ月ぶりになる。その前に行ったのは確か去年のGWだから、最近は年2回のペースだ。3年くらい前までは、月2回くらいは行っていたというのに。
 いきなりナタリーたちは最新の曲をガンガン入れて歌い始めるが、私は最近では自然に耳に入ってくるもの以外はほとんど聴いてなかったので、彼女たちの歌っている曲が誰の何という曲なのか全く分からない。カラオケに頻繁に通っていた頃は、私もカラオケで歌うために一生懸命最新の曲を覚えたりしてたのに。最新のヒット曲リストを見ても歌える曲がなく、仕方ないのでまた森高の『17才』を入れる。最近はこればっかだ。しかし、初めて歌ってみたけど、SPEEDの『WHITE LOVE』は疲れるね。2人分のパートをひとりで歌うし、高音も続くからもう大変。歌ってる最中に身体がツッてしまった。やっぱり年齢的に無理があったのだろうか。でも、もう気が済んだ。もう歌わないもん。
 みんなもしばらくは最新の曲を歌って気が済んだのか、今度は好き勝手に自分が歌いたいマニアックな曲を入れ出す。ナタリーなんか、「中学生の時によく聴いてたの。私の青春ソング♪」と言いながら、爆風スランプのHな曲を歌い出す。誰も知らない。でも、本人はご満悦。結局、カラオケなんてそれでいいんだってば。
 昨日もらった“ドリーム・キャッチャー”がどの程度のものなのか知りたかったので、「こんなんもらったんですけど…」とみんなに見せたら、ナタリーは「ウッキャ〜♪」と叫んで大興奮していた。やっぱり、そういうものだったらしい。


4月27日(木)
   妹はGWを利用して“天国にいちばん近い島”こと、ニューカレドニアへのバカンスに旅立って行った。いいなぁ、ニューカレドニアかぁ。姉は久米島に行って喜んでるっちゅーのに。“にゅ・う・か・れ・ど・に・あ”。“く・め・じ・ま”とは言葉の響きからして違うもん。しかも、妹はダーリンと一緒。私はひとり(涙)。
 ラスベガスへの新婚旅行で休暇を取っていた職場の人が帰って来て、おみやげをくれた。とりあえず「ありがとー」ともらったものの、袋の中を開けてみると、何か奇妙な形の民芸品風の、何に使うかよく分からないものが入っていた。思わず「これ、何?」と聞いたら、彼は「知らないの?“ドリームキャッチャー”」と言う。知らない。何だ、それ? 何でも、キムタクと常盤貴子が出てたドラマに登場した小物らしい。私はドラマを観てなかったから全然知らなかったし、これがありがたいものなのかどうかも分からない。「へーえ。ふーん。ありがと」って言っておいたけど、彼としてはもっと違うリアクションを期待していたんだろうな。ごめんね。でも、その名の通り、“夢が叶う”というありがたいものらしい。早速、願掛けしよっと。「会社を結婚退職。三食と昼寝とお小遣い付きで養ってくれる人が見つかりますように」「宝くじを当てて、会社も辞め豪遊出来ますように」
 レディースデイなので、『スクリーム3』を観に行くことにする。ようやく自らホラー映画を観に行く心の余裕が持てたのだと思う。『スクリーム3』はどうしても観たかった。1作目と2作目を観ているので、とりあえず3作目も観ておかなきゃ消化不良を起しそうだったから。それに、1作目は昔の彼氏と一緒に観た思い出の映画だったりするから、やっぱり最後まで見届けないとダメだっていう気持ちもあったし。どんな思い出って、彼に「オゴるから『シャ乱Qの演歌の花道』を観に行かない?」って誘われて、一旦は「いいよ」って言ったものの、劇場前まで行ってから「『シャ乱Q』観るくらいなら『スクリーム』がいい」って急にワガママを言い出して変更してもらったのさ。彼の方は既に一度『スクリーム』を観ていたのに無理矢理にもう一度付き合ってくれ、おまけにオゴってくれたという、とっても懐かしい思い出なのさ。それから1年後に公開された『スクリーム2』は、ひとりで観るはめになってたけどね(再び涙)。

 ハリウッドではウッズホローの連続殺人事件を元に作られた『スタブ』の3作目の撮影が始まっていた。そんな中、その出演者が次々と死神マスクの殺人鬼に殺されて行く。『スタブ3』のテクニカル・アドバイザーを務めるデューイ(デイヴィッド・アークェット)や、ロサンジェルス警察から捜査に協力を要請されたゲイル(コートニー・コックス)も事件に巻き込まれる。大学を卒業して以来、人里離れた場所にひっそりと暮らしていたシドニー(ネーヴ・キャンベル)だったが、事件解決に協力するために『スタブ3』の撮影現場へと向かった。
 これはまさに、1作目と2作目を観た人だけを対象に作られた映画という感じ。2作目まで作っちゃったから、とりあえず3作目も作っておこうかという程度の作品だった。1作目は衝撃的だったし、2作目も私的にはかなり面白かったのだが、3作目にもなると、さすがにもうお腹一杯。退屈をした訳ではないが、誰が殺されようが、誰が犯人であろうが、どうでもよくなってしまっていた。取って付けたようなシドニーの母親の秘密とか、犯人の動機とかもねぇ…。例え反則技として4作目が作られたとしても、もう私は観ないだろう。 レベル3


 業界通・なすカレーくんが、腱鞘炎にかかったらしい。これで
1日1500回クリック事件の疑惑は彼に向けられた。


4月26日(水)
 朝、ナタリーから「ミス・デイジーから5月4日“シルバー・パピヨン号で行く岐阜バイキングツアー”に誘われた。まるちゃんも行くんだよね?」と、スカイメールが入った。“シルバー・パピヨン号”ってなに?? “岐阜バイキングツアー”ってなに?? 5月4日の詳細は何も聞いてないけど、既に私の知らないところで色々と決定しているらしい。以前、“越前ガニ食べ放題バスツアー(新巻ジャケのおみやげ付き)”というのに参加したことがあったけど、もしかして、それに近いものがある?
 今月末まで有効の招待券の消化のために『完全犯罪』を観に行く。公開して既に10日以上経つし、今週末で終わってしまうというのに、友人たちからはこの映画に関しての情報が何も入って来ていない。予告編を観た限りでは、あまり期待出来そうにない。予想通り、観客は数名。果たしてこの映画、面白いのか、面白くないのか。

 真夜中、ニックは友人のブライスから電話で呼び出された。バーで出会った女を家に誘い込み、同意のセックスのあとに彼女から「レイプされたと訴えてやる」と言われたというのだ。大学教授であるブライスは自分の肩書きに傷が付くことを恐れ、咄嗟に彼女を地下室に監禁したが、その後どうしたらいいか分からなくなりニックを呼び出したのだった。ニックはブライスに、その女を殺して捨てることを提案する。しかし、ニックとその女の間には、ブライスが知らない秘密と、ある計画があったのだった。
 『完全犯罪』という仰々しいタイトルのわりには、犯罪の動機や手口があまりにも稚拙で呆れてしまった。切羽詰まってとんでもない行動を起してしまう登場人物たちの気持ちも伝わってこないのでスリルも感じられなかったし、設定がかなり強引なところも気になる。男性の目から見れば気にならないことでも、女性の目から見たら許せない出来事も描かれていて、途中から「いい加減にしておくれ」と、半怒りモードでの鑑賞となった。たとえどんな状況であれ、自分のために女の性を利用しようとする男は許せない。こういう脚本を書けるのは、やっぱり男性だからこそなんだろうと思ってしまった。招待券で観れたからまだ良かったものの、これにお金を払っていたら、私は怒り狂っていたと思う。 レベル2


 家に帰って、ビデオ録画していた“ふんどし先生”を観たが、今日の先生はすごくカッコ悪くてガッカリ。先週の、相手をタジタジにさせる強引なトークで魅了させてくれた、あのカッコいい先生に会いたかったのに、今日はちょっと違った。私は先週初めて先生の存在を知ったのだけど、普段は素人の中学生を相手に悩み相談を受けてるらしいね。私もあの掃除道具入れの中で、先生に恋愛相談なんかしてみたいなー、なんて思ったりして。


4月24日(月)
 久しぶりに映画仲間が集合した『アナザヘブン』の試写会。友人たちには「神出鬼没のまるこっちを探した人、先着12人限定で沖縄のおみやげを進呈!」と予告しておいたが、その半数が今日ではけてしまった。ウケ狙いで買ってきた“琉球リカちゃん・ちんすこうショコラ”はB級もの大好きの友人たちにはなかなかの好評。だって、リカちゃんが沖縄の民族衣装を着てる写真がパッケージに載ってるんだよ。その根拠のなさが素晴らしいじゃない。

 被害者の頭から脳みそが抜き取られるという猟奇的な連続殺人事件が起こる。刑事・飛鷹(原田芳雄)と早瀬(江口洋介)は、事件を捜査するうちに、想像を絶する奇妙な世界へ誘い込まれて行く。
 『NIGHT HEAD』の飯田譲二の原作・脚本・監督によるホラー映画。前監督作の『らせん』はダメダメだったが、『NIGHT HEAD』マニアだった私は、今度こそは…とちょっぴり期待していた。しかし、やっぱりこれもダメ。『NIGHT HEAD』もそうだが、飯田譲二は完全に自分の中にひとつの世界を確立してしまっている。観る人を楽しませるというよりは、自分が描きたいもののために暴走してしまっている感がある。最初は何となくワクワクしながら観ていたのだが、次第にその世界についていけなくなってしまい、最後にはもうどうにでもなってくれという気持ちになってしまった。この映画ってテレビとセットで観ないと楽しめないの? そういう売り方ってあんまり好きになれないな。 レベル1.5


 何か、最近面白いことがない。以前は日記のネタに出来るような面白いことが毎日のようにあったのに、最近では生活の中で面白いことを見つけ出す気持ちの余裕がない。楽しい計画がたくさんあり、常に面白いことを追求し続けることで満足感を得るエニアグラムのタイプ7の私としては、何だか張りのないつまんない毎日。沖縄旅行もそれなりに楽しかったけど、ひとり遊びもちょびっと飽きた。誰か一緒に遊んで欲しい。そう言えば、最近は飲み会もほとんどない。この前飲んだのが3月の始めだったから、もう2ヶ月近く飲み会に参加していないことになる。去年の今頃は、月に10日くらいは飲みに行っていたというのに(それが異常なの?)、これはどういうことなんだろう。最近は飲むと大抵乱れるから、誰も誘ってくれなくなってしまったのかな。
 そんな私に「5月4日、ミス・デイジーと一緒に遊ばない?」とチェリー姫からスカイメールが入った。遊ぶ!遊ぶ! もう、誘ってくれればどこでも行っちゃうよ。嬉しいなー。何して遊ぶのかな? 楽しみだなー。早くGWにならないかな♪ 


4月22日(土)
 えびちゅと休日の映画デート。映画は、早く観たいと思いつつ延び延びになっていた『遠い空の向こうに』。えびちゅは「まるちゃん、GWはどうせヒマしてるだろうから、これを読みなさい」と、24冊のマンガの本を持参でいらっしゃった。重いっつーの。この前借りた全7巻のマンガもまだ読んでないっつーの。ナタリーに借りた3冊のマンガもまだ読んでないっつーの。34冊のマンガ本、これ、全部GW中に読めるんでしょうか。(もう読んだけど)えびちゅに借りっぱなしでまだ返してない全15巻のマンガも部屋に積み重ねてあるし、私のお部屋はマンガだらけになっちゃったのら。

 1957年、ヴァージニア州の炭坑の町に生まれ育った高校生ホーマーは、夜空に美しい軌跡を描いて飛んで行くソ連が打ち上げた人類初の人工衛星を見てから、自分の手でロケットを作ることを夢見るようになった。友人3人と失敗を繰り返しながら手製のロケットを打ち上げるホーマー。しかし、昔ながらの炭坑夫であり、息子も自分と同じ炭坑夫にさせることを望んでいたホーマーの父は、そんな息子の夢を理解しようとはしなかった。
 親は子供に夢を馳せるものである。自分の生き方に自信を持っていればいるほど、子供にも自分と同じ道を進ませたがるものなのかもしれない。親は、子供にとって自分が一番のヒーローで居たいと思っている。しかし、子供は親の生き方とは違う道を探し出そうとする。いつの間にか子供は、親とは違う自分だけのヒーローを自分自身で見つけ出して来る。『遠い空の向こうに』は、親のしがらみから逃れることを望み、自分自身の夢を追い続ける少年と、そんな息子を自分が思うようにコントロール出来ないことに苛立つ父親との葛藤を描いている。
 夢を持ち、その夢に向かって真っ直ぐに進んで行く人を描いた作品は大好きだ。ホーマーの情熱に観ている私もすっかりのめり込み、失敗のひとつひとつや成功のひとつひとつに涙が止まらなかった。実話ベースの作品であり、“夢は強く願い、努力をすれば叶うもの”というメッセージも残してくれている。ただ、残念だったのは、まるでテレビドラマかドキュメンタリーを観ているような印象を受けたことだ。最近観た実話ベースの作品『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』は音楽面だけでなく、その構成を取っても映画としての芸術性に富んでいて、私が思うところの“実話ベースの映画もこうあるべき”という手本のような作品だった。それに比べると『遠い空の向こうに』は、“芸術としての映画”という点での評価が低い。映画の最後にテロップで「誰々はその後、こうなりました」と説明されるのも嫌いだし、映画のモデルとなった本人たちの映像まで見せられてしまうと興ざめしてしまう。
 確かに泣いた。たぶん、今年観た映画の中で一番泣けた。でもレベル4


 この映画を観てふと考えてしまった。私の夢って一体なんだろう。会社を結婚退職して、三食と昼寝とお小遣い付きで養ってもらうことかな。宝くじを当てて、会社を辞めて豪遊するのもいいな。……考えるだけで虚しくなってくる。


4月20日(木)
 久しぶりの出社。金曜日はデスクの上をキレイに片付けて退社したのに、予想通りすごいことになっている。うー。負けるもんか。今日は残業なんかしないもん。意地でもしないもん。レディースデイだから映画を観に行くんだもん。『ビューティフル・ピープル』が明日で終わっちゃうから、ゼッタイ今日観に行くんだもん! …という決心で頑張り、時間ギリギリで『ビューティフル・ピープル』に駆け込んだ。最近はこのパターンが多いんだよな…。

 ロンドンのバスの中で偶然再会した同郷で顔見知り同士だったクロアチア人とセルビア人。子供のような喧嘩を始めて病院に担ぎ込まれるが、そこでもふたりは同じ病室になってしまい、喧嘩の続きは止まらない。それを母親のようにたしなめる看護婦との交流。
 同じ病院に勤める産婦人科医は、出産間近のボスニア人夫婦から中絶を頼み込まれる。お腹の子供は、ボスニアで兵士に乱暴された時の子供だという。産婦人科医は、その夫婦に命の大切さを説く。
 ロンドンで生活保護を受けて暮らすボスニア難民の青年は、トラブルに巻き込まれて病院に担ぎ込まれた。そして、彼は手当てをしてくれた女性研修医に一目惚れをしてしまう。上流家庭に育ったその研修医は一途な彼の気持ちに応え、生活レベルの差を越えて彼との愛を育んでいく。
 ジャンキーなイギリス人青年が、ワールドカップ予選の応援帰りに、ラリったまま空港でボスニア救援物資の中に紛れ込んでしまう。熟睡したまま物資は投下され、彼が目が覚ましたら、そこはボスニアの戦場だった。たまたま連れて行かれた野戦病院での惨状を見て、彼は人生観を変えてしまう。
 ボスニアの戦地へと取材に向かったBBCの海外特派員。しかし野戦病院を取材中に戦況が悪化し、流れ弾に当たって怪我をしてしまう。野戦病院で悲惨な状況を見たことと自分の怪我とで、イギリスに戻った彼はすっかり精神を病んでしまっていた。彼は、ボスニアの人々に同化しようとする“ボスニア症候群”という病気になってしまっていたのだ。

 ロンドンのある病院と、ボスニアの野戦病院を中心に、イギリスに逃れてきたボスニア難民たちとイギリス人との交流を描いた作品。ボスニア出身の新人監督の作品で、99年度カンヌ映画祭の“ある視点部門”でグランプリを受賞している。
 25人の登場人物が5つの物語を同時に進めて行き、その異なったそれぞれの物語がわずかに別の物語にリンクしているという、『マグノリア』の作り方にとてもよく似た作品だった。「『***』のような作品」というのは決して誉め言葉にはならないし、最初に観た作品の印象が強いほど、後で観た作品の面白さは半減してしまうものだが、この作品に関して言えば、それが全く気にならない出来だった。最初はバラバラだったパズルのピースが観て行くうちにだんだんとつながって行き、最後に全体像が見えてくるという構成が面白い。また、今まで何度も書いている通り、私は歴史や地理、世界情勢などにとことん疎い方なのだが、そんな私が観ているだけでその背景を充分に把握出来たというのも、この映画の素晴らしさとして特筆すべき点だと思う。映像によってその背景を説明し、それについて詳しくない人をどれだけ納得させられるかということが監督の手腕であり、作品の評価にもつながって行く。“知らない人にその世界を知ってもらうこと”が、映画が持つ素晴らしい効果でもあったりするのだから。
 『ビューティフル・ピープル』というタイトル通り、人間が持つ美しい部分を描いた作品である。それも、イギリスに帰化したボスニア出身の監督が、ボスニア難民と交流するイギリス人の心の美しさを描いているだけに、とても説得力があった。ボスニア戦争という重いものをテーマにしながらも作品自体に重いものはなく、カラリとした笑いを与え、ほのぼのとした愛情を感じさせてくれた。観ていて心が癒される映画だった。 レベル4.5
 


4月19日(水)
 本日は旅行のお疲れ休み。でも、比較的のんびり過ごした旅行だったし、普段3〜4時間しか寝ていない私が旅行中はたっぷり睡眠取っていたので、ほとんど疲れは残っていない。久米島空港で発送した旅行カバンを受け取るために運送屋が来るまで外出も出来ないので、溜まっていた映画の感想などを書きながら部屋でのんびり過ごしていたら、スティーヴから今日の『どら平太』の試写会のお誘いメールが入った。役所広司の舞台挨拶付きかぁ。おいしいなぁ。でも『どら平太』自体にはあんまし興味がないしなぁ。会社に居れば劇場まで近いから、そんなに興味がなくても「行く!行く!」って言ったかもしれないけど、夕方から(それもわざわざ職場の近くまで)出掛けるのもおっくうだし、休暇を取った日(それも休み始めて3日め)に出掛けてその辺で会社の人に遭ったら嫌だし、やめとこうかな…ということで、お断りした。懲りずに次回も誘ってね、スティーヴ♪
 最近、アミーゴ伊藤を見ても胸がときめかない。もう飽きた。もうどうでもいい。私はとても熱しやすく冷めやすいタチなのだ。好きな時はとことん夢中になるが、一旦興味がなくなると、もう見向きもしなくなる。どんなに好きな人でも、なぜその人のことが好きだったのか、なぜその人にそんなに夢中になったのか、自分で分からなくなってしまったりする。タチの悪い女だねぇ、全く。
 夜、何気なく
テレビを観ていたら、またもやそんな私の目をクギ付けにした男性が現れた。その名は“ふんどし先生”。ふんどし一丁になって、掃除道具入れの中で爆笑問題から悩み相談を受けている。その受け答えのスマートさに、爆笑問題のちっちゃい方がタジタジになっている。なんだ、この人は! カッコいい! カッコ良過ぎる! もう、一瞬にして私の心は奪われてしまった。よく見たら、それはネプチューンの原田泰造だった。へーえ、そうなんだ。知らなかったなぁ。だけど別に原田泰造に興味はない。彼が他のキャラを演じていても、心ときめくものはない。でも、ふんどし先生には不思議なインスピレーションを感じてしまった。この番組、今度から録画して観ようーっと♪  




2000.4.1.〜4.12.

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