沖縄癒し旅 (2004.2.24 - 27)



2月26日(木)曇り時々晴

今日はホエールウォッチングの日。
朝ご飯を食べて、荷物をまとめ、チェックアウトの手続きをします。本当は三日ともコバルト荘のごやっかいになりたいところでしたが、今晩は国際プラザホテルに宿泊なのです。とりあえずホエールウォッチングから戻ってくるまで荷物をあずかってもらうことにして、泊港へ。

座間味行きの船 船腹には「鯨一筋(げいひとすじ)」とある。
手続きをすませて「フェリーざまみ」に乗り込みます。この船で2時間かけて、阿嘉島経由で座間味島まで行くのです。
乗り込んだらまずざっと船内探検。1階はカーペットフロア、2階は椅子席となっていますが、お天気もそんなに悪くないので、ひとまず2階の外のデッキへ。周囲には久米島行きの「フェリーなは」、渡嘉敷島行きの「フェリーけらま」、粟国島行きの「フェリー粟国」など、たくさんの船が停泊しています。

やがて出航時間が来て、まず「フェリーなは」が、続いて「フェリーけらま」が、それぞれ汽笛を鳴らして泊大橋の下をくぐっていきました。おととしの夏、コンクール受験が終わった後でわたしは、名古屋からひとりで飛行機に乗ってやってきた甥っ子と合流し、まずコザで一泊した後、「フェリーけらま」に乗って渡嘉敷島に行きました。そういえばあの時は、「フェリーけらま」のデッキで、船が那覇を離れてPHSの電波が届かなくなるぎりぎりまで仕事のメール送信をしてたんだっけ……あの努力はなんだったんだろうなぁ。やれやれ。

今回は仕事もなし、ただのんびりと港の風景をながめ、出航していく「フェリーなは」のデッキから手を振る人に手を振り返したりして……
出航する久米島行きの「フェリーなは」。
渡嘉敷島行きの「フェリーけらま」。
やがて「フェリーざまみ」の出航の順番が来て、船はゆっくりと岸壁を離れはじめました。ぐんぐんと泊大橋が近づいてきます。別に自分が船を動かしているわけじゃないけど、デッキの手すりに両手を置いて、波を押し分けて進む船に乗っていると、気分はすっかり「マスター・アンド・コマンダー」。この瞬間が好きなんだよなぁ。

港を出ると、船の揺れが大きくなってきました。今日は少し風があって、天気予報でも「海上の波の高さ2m〜2.5m」と言っていました(その情報の意味はあとでしっかり思い知らされることになるのですが)。わたしは今まで船酔いしたことはないのですが、念のため酔い止めの薬を飲んで、島に着くまでおとなしくしていることに決め、1階のカーペットフロアで横になっていることにしました。昨日はちょっと夜更かししてしまったし……

うとうとしているうちに、船は阿嘉島に到着。
阿嘉島と慶留間島を結ぶ橋。
阿嘉港ターミナルには、「マリリンに会いたい」の主人公シロの銅像が……
阿嘉港に15分ほど停泊した後、船は座間味島めざして出航しました。天気もよくなってきたので、いちばん上の甲板に出てみました。やはり海上は風が強くてちょっと寒い。念のため持ってきたフリースジャケットをマウンテンパーカの下に着込みましたが、それでもちょうどいいくらい。
風が強いのは船が動いているせいもあるのですが、実際、那覇よりも風そのものが強いようです。海には白波が立ち、そこを進んでいくサバニも大揺れしてる……だんだん嫌な予感がしてきました。今日のホエールウォッチング、大丈夫かな。
天気晴朗なれども波高し。
海はきれいなんだけど、なんだよこの波は〜。
やがて船は座間味港へ入港。船を下りたとたん、出迎えてくれた現地の人がお茶とお弁当を渡してくれたものの、
「波がおさまりそうにないので先にホエールウォッチング船に乗ります。お弁当は帰ってきてからのほうがいいと思いますよ」
というわけで、ターミナルでホエールウォッチング船への乗船手続きをすませ、待っていた人たち5〜6人と一緒に、すぐ近くに停泊していた船に乗せられました。わっ、小さい船ーと思った時には救命胴衣を着けさせられ、あわただしく出航……心の準備をするヒマもなく、あれよあれよという間に船は沖合の鯨の繁殖海域へ。

ホエールウォッチング船の乗船券
いやもう揺れる揺れる。命綱を張った甲板に船尾から移動し、船長のアシスタントをしているニイニイから、
「ロープにしっかりつかまってて下さい。鯨が出た時は立ってもいいですが、それ以外はなるべく座っててくださいね」
と言われたけど、そうしてなきゃ船から振り落とされそうな勢いです。まわりの海面も白く波頭が立って、
「これじゃ鯨だか波だかわかんないよね〜」
と乗り合わせた人たちと話していたら、ニイニイがいきなり、
「鯨出ました! 2時の方向!」
えっどこどこ、ととまどう人もいる中、反射的にぴたりとその方向を指さしてたわたし……船では舳先の方向を12時にあてはめ、「何時の方向」という言い方で方向をあらわすのです。こんなところで帆船モノや軍艦モノ(海洋冒険小説)の乱読が役に立つとは(爆)。

もっとも、ちゃんと鯨の存在が確認できたのはその次のチャンスからでしたが。

それからの2時間はほんとにあっという間でした。いままで乗った船の中では間違いなくいちばんの大揺れ。以前島旅オフで多良間島から水納島に渡った時もかなり揺れたけど、あの時うちはたさんが、
「この間ダイビングに出た時は、こんなもんじゃなかったよ」
と涼しい顔してた理由がようやくわかったような……(^^;)
頭からばっしゃん! と潮かぶるハメにも2度ほどあいました。なるほどレインコートやパーカーが要るはずよね。

でも距離は少し遠かったけど、鯨が全身を海面に躍り上がらせるブリーチング(お腹のタテジマ模様も見えました)や、胸ビレでバシバシ海面を叩く様子も見ることができて、かなりラッキーなホエールウォッチングだったと思います。
あんな大きなものがこの海を泳いでるんだーと思うと、やはり感動しますね。
座間味港入口の鯨のモニュメント。
ホエールウォッチングの写真はありません。
カメラなんか構えてる余裕なかったので……
港に戻ってきたのは2時半頃。帰りの船の出航は3時なので、島内探検どころかお弁当を食べるヒマもなく、乗船してからお弁当を食べ、大揺れの船でロープにしがみついての鯨見物って思った以上に疲れるものなのか、「帰りも結構揺れてるよなー」と思いつつ爆睡……目が覚めたらもう泊港でした。17時到着。
景色ゆっくり見て帰りたかったのに〜。残念。

コバルト荘に戻り、お茶をいただいて休憩した後、「また来ますね〜」と別れを告げて、国際通り沿いのホテルに移動。チェックイン手続きをすませ、部屋に入ると真っ先にバスルームに飛び込み、ホエールウォッチングでかぶった潮を洗い流しました。
今夜も待ち合わせがあるし(笑)。


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