ヤング・マスター / 師弟出馬 デジタル・リマスター版 [DVD] ヤング・マスター / 師弟出馬 (製作年度: 1980年)
レビュー日:2010.2.17
更新日:
評価:★★★
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解説(Yahoo映画より):
ジャキー・チェンが自らメガホンをとった痛快アクション。捨て子だったタイガーとチェンは正風道場のカン先生に拾われ、功夫を学びつつ今やりっぱな若者に成長していた。そんなある日、カン先生のかねてからの厳しい修行に嫌気がさしていたタイガーが、恒例の和威道場との獅子舞い合戦で、金につられて敵の黒獅子を演じたのが先生にばれてしまった事から、ついに彼は道場を追い出されてしまう……。


なぜ「惑星」なの?

今まで見たジャッキー映画の中では一番昔の作品。20代ジャッキー、うわー若いっ!(笑)
兄弟子が道場を追い出された後、悪化する一方の道場の雰囲気に耐えられなくなったジャッキーが、ついに先生に向かって「今までお世話になりました」と出て行く決意を告げるシーン、やっぱりジャッキー若い頃から演技力あったんだなーと再認識。この頃はアクション&コメディ優先だから、あまりそういう場面が見られないのが残念だな。

背景の雰囲気からすると時代は清朝のころかな(でもあのヘアスタイルは清朝っぽくないけど。いいのか香港ならw)。冒頭シーンは春節の獅子舞対決。
新春ののどかなムードが漂っててなかなかよいです。

でもこの獅子舞、もうちょっと調べてみないといけないかな、と感じるのよね。魔よけという意味では同じなんだろうけど、日本の獅子舞とずいぶん意味合いが違うようだし。「天地黎明」でも冒頭に獅子舞のシーンが出てきて、カンフーの達人は獅子舞の達人でもなければいけない、という概念があるらしいことはわかったけど、レタスみたいな青い野菜を食べる所作があるのもなんかミンゾクガク的理由がありそうだし、沖縄の獅子と日本のいわゆる獅子と、それぞれどんな風に伝わってどんな風に変容したかというのはすごく気になる。

これもジャッキーのカンフー技がいろいろ見られるという点では面白いけど、いかんせんラストバトルが長いのよねぇ……相手役がもう登場シーンから「こいつ強そう」ってのがわかるし、前半はジャッキーがボコボコにやられっぱなしの展開。痛そうで見てるの辛い(涙)。
こんなんで最後いったいどうやって勝つつもりなんだよと心配になってきたら、逆転必殺技が炸裂! ……じゃなくて「酔拳2」でもあった「ドーピングオチ」。そりゃないよジャッキー(爆)。
(ま、ネタとしてはこっちの映画の方が先ですが)

でも途中の「兄弟子を捜す旅」のあたりはけっこう楽しかった。はじめてジャッキーの「没問題(モウマンタイ)」聞いたような気がする(笑)。
門に飾る新年用の絵だとか、お風呂のつくりだとか、「ちょっと昔の中国」のいろいろな風俗が見られるのが面白い。

それとこの作品で一番気になったのがBGM。なんかどっかで聴いたことのあるメロディだし、ビジュアルの雰囲気とはかけ離れたバリバリクラシックだし……と耳をすませて驚いた。
ホルストの「惑星」じゃないのこれ。
獅子舞対決で流れたのは「天王星」だし、ラストバトルに流れてたのは「火星」、「木星」のあの有名なメロディもどっかで聞こえたし、エンディングは「木星」のフィナーレなのよね。

いやなんで時代物カンフー映画のBGMに、よりによってすっごく演奏条件のうるさいこれ使う気になったんだか。確か冨田勲がシンセサイザーでやってモメたんじゃなかったっけ……あれがOKになったからなのかな。 それにしてもなぜ「惑星」なの? (笑)


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