インクハート/魔法の声 [DVD] インクハート/魔法の声 (製作年度: 2008年)
レビュー日:2010.10.17
更新日:
評価:★★★
Yahoo映画リンク
IMDBリンク


解説(Yahoo映画より):
本を朗読すると本の中のキャラクターを現実に呼び起こすという特殊な能力を持つ主人公が、家族を救おうと1冊の本をめぐり奮闘する姿を描いたファンタジー・アドベンチャー。


オープン・セサミ!

本の修復職人モー・フォルヒャルトは、本を朗読することによってその本の世界のものを現実世界に呼び出してしまうという魔力の持ち主。
昔「インクハート」という本を読んでいて、その登場人物を呼び出してしまい、引き換えに妻を本の世界に連れ去られてしまった彼は、娘を連れて旅をしながらその本を探していたが……

キャストが何気に豪華なわりに、話題にならなかったよなこの映画、と思ったら、日本では公開されずにそのままDVDになってしまったいわゆる「DVDスルー」モノでした。

確かに日本で公開しても受けなかったかも……(^^;

個人的にはブレンダン・フレイザーとかポール・ベタニーとかわりと好みの俳優出てるし、舞台がイタリアの山間部で古い町並みとか雰囲気あっていい感じだし、なにより映画に出てくる大量の古本が、本好きにとっては「薔薇の名前」以来のオイシイ情景だったんですが……「朗読すると本の中の世界のものをこっちに呼び出してしまう」という魔法の力がイマイチうまく生かしきれてなかったなぁ。もともとの設定がツッコミ所多すぎるので仕方ないか。
せっかく「本のお医者さん」という設定だったのに、本の修復シーンがぜんぜん出てこなかったのはもったいない。やりようによっては面白い見せ場になったろうに。

ブレンダン・フレイザーはどうしても「ハムナプトラ」のイメージが強くてバリバリにアクションしちゃいそうな雰囲気が抜けない。この作品では確かにそれなりにアクションしてはいるけど、屋根から落ちそうになって敵に見つかったりと、わりとドンくさいです(笑)。
でも朗読シーンはさすがプロの役者ならでは風格。「アリババと四十人の盗賊」を読むシーンの「オープン・セサミ!」なんてもう、お宝がバラバラ降ってくるのも納得できちゃう(笑)。

アクション面では、むしろ彼に「アリババと四十人の盗賊」の世界から呼び出されちゃった下っ端盗賊の兄ちゃんのほうが、さすがの身のこなしを見せてくれます。
それにポール・ベタニーの「ホコリ指(ダストフィンガー)」がなかなか味のある役どころ。
「インクハート」から呼び出されてしまった大道芸人、なのですが、現実世界でも大道芸を見てつい血が騒ぎ……で、繰り広げる大道芸がこれまたプロ顔負け。「ロック・ユー」のチョーサーや「マスター・アンド・コマンダー」のドクターとはまたぜんぜん違った雰囲気で、さすがだなぁ。

話の展開は無理が多すぎてちょっと苦しいけど、一応ハッピーエンドだし、ま、いいか。


INDEX