「野党共闘」と「選挙共闘」との隔絶度と絶望
根拠1−民進党「協力」と共産党「選挙共闘」との隔絶度
根拠2−学者文化人・有権者のイタリア史無知と幻想
(宮地健一)
〔目次〕
1、「野党共闘」と「選挙共闘」との決定的違い→ペテン語「合意」
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「政策協定」のみと「政策・組織協定」との違い
廃案運動への効用と党員参加へのマイナス面
『志位「新提案」想定通り=マスコミ注目度bP・2カ月間だけ』
1、「野党共闘」と「選挙共闘」との決定的違い→ペテン語「合意」
「野党共闘」と「選挙共闘」概念は決定的に異なる。しかし、参院選に向け、これら2つが廃案勢力内・マスコミにおいて混同して使われている。
(1)安保法制廃案運動において、廃案主張5野党の「野党共闘」が成立した。そのレベルの限界は、廃案運動だけであり、「選挙共闘」実態になっていない。(2)「選挙共闘」とは、5野党間で「政策協定」とともに「選挙体制に関する組織協定」が同時に成立する実態を指す。その目的に基づく「統一選対」が結成される。
志位は、4首長選挙における得票率激減と参院選でも共産党得票率激減・議席惨敗の恐怖に襲われた。そこから、民主党・他政党との事前協議もない時点で、参院選1人区候補者全員を取り下げ、民主党候補者を支援するという「降伏作戦」を決定した。その裏側本質は、「共産党アレルギー」「イデオロギーの壁」抜取なしの「条件つき降伏作戦」だった。
〔1〕、2015年9月19日、志位「新提案」=「国民連合政府」構想
廃案運動成果の独り占め陰謀作戦→2カ月間で効果0
〔2〕、2015年11月22日、大阪ダブル首長選挙−自民・共産癒着
廃案勢力内「裏切り者」作戦−シールズも共産癒着で自民支援
〔3〕、2016年2月22日、都道府県委員長会議−他野党との無協議
1人区共産党候補者取り下げ宣言=無条件降伏作戦
赤旗『全国都道府県委員長・参院選候補者会議』志位2月22日
民進党(民主・維新)は、1人区共産党約2万票を「見返りなし」で貰えるならと大喜びをした。共産党が「選挙共闘」を要求したが拒否した。「政策協定」要求も実質的に拒否した。ただし、いかに志位恐怖に基づく「共産党アレルギー」「イデオロギーの壁」抜取なしという「条件つき降伏作戦」にたいし、「見返り皆無」では、2万票を貰えない。
そこで、「政策協定」にもならないが、ペテン語「合意」を志位に呉れてやることにした。「合意」書面が欲しいというので、「3項目だけの確認書」だけを呉れてやることにした。この紙ぺらなら、民進党内の「共産党アレルギー」「イデオロギーの壁」拒絶議員と連合幹部も納得するだろう。
ペテン語「合意」→紙ぺら「3項目だけの確認書」だけで、「濡れ手に粟の2万票」なら御の字である。4首長選挙得票率激減が参院選でも再現されるかもしれないという志位恐怖に付込めばよい。志位にとって、「今そこにある危機」を回避できるのなら、いかなる屈辱的対応でも、跪くしか選択肢がなくなった。
2、民進党「協力」と共産党「選挙共闘成立」宣伝との隔絶度
マスコミは、この裏側実態にたいし、「野党共闘」と「選挙共闘」とを意図的に混同させて使っている。「合意」と名付けている。
しかし、(1)民進党は、「選挙共闘」と言わないで、日本語「協力」にとどめている。「政策協定」とも言わない。(2)共産党は、「選挙共闘」成立と大宣伝してきた。「選挙共闘」成立と言わない1人区では、「政策協定」成立と宣伝する。(3)マスコミ用語「合意」の方が本質を表しているのか。
3者の「同床異夢」用語が、7月までに収斂していかない公算が高い。有権者は、「騙し政党・マスコミ」によって、最後まで既成政党・既成マスコミに欺かれる。東方の島国における予党・野党の全既成政党にたいする不信と絶望観がエスカレートする。アメリカ有権者が抱く全既成政党にたいする不信・絶望が、太平洋を渡って、津波のように襲い掛かる。
無関心有権者の比率が上がる。投票率は下がる。日本の政治・既成政党全体に絶望した有権者は、どの方向に向くのか。戦争体験者の多くが危惧するように、戦前の戦争賛成の空気が高まるのか。「日本人は、ずるずる引っ張られる体質がある」という戦争体験者の指摘が再現されるのか。絶望しか残らないのだろうか。
3、学者文化人・有権者のイタリア史無知と幻想・錯覚
共産党支持の学者文化人・一時的軒下雨宿り有権者は、「野党共闘」成立→共産党宣伝の「選挙共闘」成立を鵜呑みにし、大喜びしている。(1)民進党の日本語「協力」と、(2)共産党宣伝の「選挙共闘」成立との隔絶度に気付かない、または、突っ込まない。(3)民進党・共産党の政党支持率推移データと、(4)自公政党支持率推移データとの格差=1 vs 3が縮まらない実態に気付かないふりを続けている。
学者文化人・有権者のイタリア共産党史への無知と幻想・錯覚が背景にある。小沢一郎の「オリーブの木」運動→日本版「さくらの木」構想に至っては、社民党以外の賛同政党が出るはずもない。民進党・共産党とも拒否している。
イタリア共産党は、(1)共産党を解党し、(2)左翼民主党に大転換をした。(3)レーニンの犯罪的組織原則や革命原理をすべて放棄宣言した。(4)「共産党アレルギー」「イデオロギーの壁」全面抜取をし、民主主義政党になった。(5)その大転換を見たので、他政党が「オリーブの木」運動に参加し、「政策協定」「選挙共闘」が初めて成立できた。
東方の島国において、資本主義世界で唯一残存しているレーニンの犯罪的組織原則や革命原理すべてを公然堅持表明し、また、隠蔽堅持するペテン政党とは、「合意」ができても、正式な「政策協定」・「選挙共闘」が成立できるなどは、無知と幻想・錯覚の空想的願望でしかない。
4、根拠1・2に基づく「選挙共闘」成立絶望?
たとえ、共産党支持の学者文化人・一時的軒下雨宿り有権者が、日本共産党の党内外犯罪党史・反民主主義体質を知ったとしても、どうにもならない。
(1)、イタリア共産党・フランス共産党のように、党改革・自己刷新・自己批判を発動させる幹部・党員は、除名・除籍・党内排除・離党・支部解党などの宮本・不破・志位らによる大量党内犯罪によって皆無になってしまった。
(2)、共産党支持の学者文化人・一時的軒下雨宿り有権者も、志位・共産党に党改革・自己刷新・自己批判をさせる強制力・影響力を持たない。
半日ゼネスト中止の誤りのとき、中国滞在中の宮本顕治指令?
(2)、核・原子力問題にたいする共産党3回の誤り・妨害分裂犯罪
(1)1963年→(2)1984年→(3)2011年
運動・理論面での反国民的な分裂犯罪史
(3)、それなら、どんな展望があるのか。まるでない。
(4)、根拠1・2に基づき、参院選・衆院選に向けても、志位・共産党が、党改革・自己刷新・自己批判をするとは、想定もできない。参院選・衆院選において「選挙共闘」成立は絶望であろう。有権者にはいかなる選択肢が残されているのか。
1、民進党に投票する。2、一時的軒下雨宿り有権者としてやはり志位・共産党に投票する。3、ばからしいから、「棄権」する。戦前への戦争コースへとずるずる飲み込まれても仕方がない。4、アメリカのように、「絶望からの希望」を掲げる人物・新政党が突然現れる現象がかもし出されないかと空想する。
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「政策協定」のみと「政策・組織協定」との違い
廃案運動への効用と党員参加へのマイナス面
『志位「新提案」想定通り=マスコミ注目度bP・2カ月間だけ』