7月28日(月)

 遅くなりました! 前回の日記を読んで、様子を見に来てくれた方、申し訳ないです。 やっと書き始めました!!! 何しろ色々あったので、長いです。

●7/20 山下洋輔スペシャルセッション at六本木ピットイン。

 ミミズはこの日は早番だったので、走って走って(いつもこんなんばっか!) 六本木ピットインに6時15分着。6時30分開場だからぎりぎりセーフ。 (ちなみに、六ピは時間通りに開場・開演します。新宿と同じつもりでいると大変なのだ。) 出演者は次の通り。

  山下洋輔(p)、向井滋春(tb)、津上研太(ss,as)、金澤英明(b)、東原力哉(ds)、八尋智洋(prc)

何度見ても、もの凄いメンバーだ....。八向山 DUO PLUS の合同コンサートだけど、 そこへ東原さん金澤さん両名が入ってもの凄さを助長してる訳だ。ヒョエー。
 予約してあったから20番目くらいには入れたみたい。最前列を避けて座ってみたら、 向井さんの目の前だった。Good!

 7時半(より少し遅れてた?)開演。全員で SPIDER 。え、最初っからこれですか!? 某軽乗用車のCMであまりにも有名なあの曲ですね。覚えてる?
 うんうん、津上さんが元気いいなあ。続く向井さんの柔らかな音が気持ちいいなあ。 で、山下さんのソロ。わはは凄い、これは凄い! b・ds・prc の3人を向こうにまわして、これでもかこれでもかの大騒ぎ。
 1曲目でもうこれだもんねえ。今日はこれからどうなっちゃうんだろう。

 2曲目以降、メンバー減って室内楽団八向山のステージに。(八向山のことは 山下さんを追いかけて〜その3にも少しだけ書きました。よろしければどうぞ。) まず向井さんの曲でサマルカンド。サマルカンドといえばシルクロード上の オアシス都市でしたよね(違う?)。でもこの曲は、乾ききった砂漠のど真ん中に 泉の湧き出るところがありまして....って感じじゃないんですよ。もうちょっと 爽やかでほのぼのした雰囲気もあって、ミミズのイメージでは 同じシルクロードでも草原地帯に羊の群れ、という情景。
 次が、ミミズの大好きな Echo of Gray (参照)。八向山の演奏はまた格別です。 この不思議な楽器編成で奏でるバッハ調のインプロビゼーションというのが、 たまらなく良いのです。音楽が次々と紡ぎ出される現場を目の当たりにしている、 という実感が、どんな編成で演奏するときよりも強い。 pとtbの掛け合いの場面は特にそう。
 1部最後の曲は Festival of Lights −光の祭典 。これも八向山の定番です。 名前通りのきらびやかな曲。楽器を変えるわけじゃないのに、 音色まできらびやかに変化する気がして、何度聞いてもどきどきします。 ああもう、八尋さんのパーカス、大好き!

 2部は山下・津上・金澤・東原のカルテットでスタート。曲は・・・・ええっと 4th Street Up だったと記憶してます。(あってます? >当夜、行かれた方。)
 津上さんが結構長いソロをとって、この時のb・dsの態度というのが、 どれ若い者にやるだけやらせてみようか、的突き放し状態。要所要所でしっかり 支えているけど、基本的には放任。何かとても厳しいものを見た気がします。
 ベースソロが圧巻でした。ウッドなんだけど、ハードです。骨太なんだけど よく響く良い音色がします。かっこいいです! で、続くドラムソロ。これまた 一筋縄でいかないというか、全然予測のつかないことやるので目が離せない。 でも、この時はまだまだ序の口だったんだよね。

 ここで! 新たなメンバー登場。ぬわあんとランディ・コナーズ! あのセシル・マクビーのCD UNSPOKEN のサックス奏者ではないか! うわー。
 カルテット+1の形になり、曲は After Blue でした。このセッションのために 2管用にアレンジしたとのこと。津上さんがソプラノに持ち替えて、As・Ssでハモる メロディーが美しかったです。先にコナーズがソロをとって、うーん、さすが、 達者だわ。とうならされたわけですが、わたくし、続く津上さんの方が好きだった。 当然、初めて演奏するコナーズにハンディがあるわけだけど、でも、津上さんの ソロは自在に音から音、フレーズからフレーズに移っていく感じがして、良かった。 うん、さっきの曲より全然良い!

 いったん、ランディ下がって残りのメンバー全員集合。向井さんの曲で Purple Field 。名曲です。もともとエキサイティングな曲だけど、 ま、この演奏の凄かったこと。
 向井さんが貫禄たっぷりで素晴らしかったのは言うまでもないです。 津上さんは勢いを持続してノリノリ。山下さんはどうやらdsをターゲットにして 過激なソロを展開し、もはやピアノは音が狂ってメロメロになって参りました。 が、これらの人々に輪をかけてとんでもなかったのが東原さん。
 見るからに体育会系のランニングシャツ姿、顔にはいたずらっこのような無邪気な 笑顔を浮かべ、しかし出てくる音は脳味噌に力こぶでは決してない。 むしろこの方はとてもナイーブな人なのかな・・・・違うーこの力技はやっぱ体育会だよー、お?・・・・何だ何だ急に8ビートなんか叩きやがって・・・・むむ、足技続けながら、 シャツ脱いで上半身裸になっちゃたぞ、ついでにタバコまでふかしてるぜ、 お行儀悪いなあ。こーゆー風に次から次へと色んなことをやり、最後に これがオチだ!とでも言うように壁まで叩いて見せて、やっと止まりました。 場内、爆笑の渦だったのは勿論です。

 最後に、コナーズ再登場し、フロントに3管を配した豪華な Kurdish Dance 。 やっぱりソロ1番手はランディでした。感想を聞いてみたいですね。 面白かったかしら。アメリカに帰ってセシル・マクビーに会ったら、当然 聞かれますよね、「どうだった? ヨースケのところは」って。何て報告するのかな。
 今回、割と八尋さんが脇役に徹してたような気がしますけど、 こういう変拍子の曲だとやっぱ目立ちますね。日本人ですけどねえ.... 国籍というものを越えてます、この人のパーカスは。

 アンコール曲、何度か聴いたことのある曲だけど、曲名忘れました。 和気あいあいの演奏で、そうそう、何かエンディングが変だったんだよね。 なりゆきに任せて終わっちゃった、って感じで。終わってから一瞬みんなが 顔を見合わせて、それから、あははははって笑って立ち上がっていた。 ありゃ一体何だったんだろう。ま、いっか。とにかく面白かった。

 山下さんが六本木ピットインでやるというのはかなり珍しいと思いますけど、 このスケールの大きさは新ピでは無理があったでしょうね。六本木で正解。
 ホント、実にスペシャルな夜だったことでした!


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