介護日誌
2002.11.21
介護(退院・入所・在宅)

1.退院と入所

骨折した部分もほぼ接合し、あとは歩くことができるようにリハビリが待っている。
病院としは手術という処置が済んでしまったのだから治療は終わったのである。退院してほしいようである。患者本人も自分の状態におか まいなしに帰宅を希望する。 患者の家族は今の状態で帰宅されても面倒を見ることができない、せめて自立して歩けるようになって帰宅してほしいと願う。

「老人保健施設」(以下老健と言う)を紹介していただいた。5月はじめの連休明け、ある日の午前に退院したそして一旦家に帰り、夕刻には その老健に入所した。 施設には病院が併設されているところもあるが、そこにはなかったが医師、リハビリ専門の医師、看護師、保健士、介護師がおり家にいる より安心であった。何はさておき歩けるようになってくれないと こちらも困る。
突然の入所希望だったもで個室しか空きがない。費用も4倍はするがなんとかなるだろうと思った。 私はまだ勤めていたので、とりあえず安心して家を留守にすることができた。

入所中の母には週に2、3回面会し洗濯する物を持ち帰り次回面会時もって行くという生活を繰り返した。 このような生活を今も続けている。
月曜日、木曜日は入浴が設定されている。私は火曜、金曜に行くことにしている。洗濯するものは施設のほうで、 汚物室に箱を用意して入れておいてくれる。母の場合きれいなものと混ぜてしまうからである。看護婦さんから「本河さんは夜のお仕事が忙しいよネ!」と言われる。 着替え・下着などをベッドの上に並べたり、しまったりしているらしい。何人もの人に言われるのでいつもやっているのかもしれない。
あるとき看護婦さんから家に電話がかかり「下着が無いと言っている」、母も「濡れて着替えるものが無い」。5,6枚用意していたのにと思いつつ、取り合えず3、4枚もって駆けつけてみると 収納ケースの中に下着はあった。面会の間隔がちょっと長くなったからかもしれない。やれやれ。

日中は食堂や談話室てテレビを見たり、ナースステーションのカウンターの前にたむろし、たまに会話をしている。私の見たかぎりではどの入所者もジ〜っとして時をすごしている。
レクレーションとしてお絵かき、歌、工作、ボランテアによるお話会などもあるようだ。 入所して間もないころは、先行きに不安があった。もともと老健は在宅介護をできるようになるまでの間リハビリする施設だそうである。したがって入所したままというわけには いかないのだそうである。


2.退所・在宅介護

入所した年の秋になると「そろそろ在宅介護を考えて!」と言われる。あらゆることが初めて体験するわけであるから次は どんな生活が舞い降りてくるのだろうかと心配になるものである。

在宅介護が始まるとき、ケアマネさんからいろいろとアドバイスを頂き、廊下、トイレなどに手すりを取り付けた。後日、玄関の上がり、降りのため入浴時のための手すりなどを追加して取り付けた。 歩行器をレンタルにて借りているが、最近は杖だけで歩いている。 私の勤務の関係上、12月後半から年度末までは忙しくなり、出張しなければならないこともある。在宅介護中は出張が決まると、ケアマネさん、老健の相談員の方に話してショート・ステイを入れてもらう。 幸い骨折の方は、夏のあいだに手術した医師に診察してもらい完全だと言われた。X線写真を見たがボルトのねじの山谷がみえる。

施設での生活と自宅での生活を比べてみると、施設が有利な点は、室温、食事(栄養、量、時間)、仲間がいる。施設は冷暖房完備、通路はバリアフリーなど老人には快適な環境が整っている。自宅は木造であり、 部屋にエアコンをつけていても施設と比べると劣る。夏の特に暑い間、それに冬の寒い間は、老人にはこたえるだろうと思う。在宅の有利な点は本人が自宅にいる安らぎだろう。 自分が昔から使用している家具、その他を使えると言うのはある意味で安らぎなのかもしれない。
施設では同じようにお年寄りがいるから、同年代の人と話ができたりしてよいだろうと思っていた。しかし 現実には「耳が遠い方」、「痴呆のある方」、年代も60代と70、80、90代とさまざまでは話があわないようにもみえる。

老健の相談員の方が避暑、避寒のために入所できるよう配慮してくれている。したがって今では2,3ヶ月毎の施設と自宅で生活することが定着している。 私の先行きの不安は、寝たきりになった場合、痴呆が進んだ場合のことである。とても一人で面倒見ることができないと思う。

「介護(一週間の生活)」のページに記したとおり、週に3日はデイサービスで別の施設に出かけ、3日はヘルパーさんが来宅する。 自宅に戻った当初は、昼間はほとんど眠ったりしていることが多かった。毎日デイサービスがあると思っているらしく予定のない日でも出かける支度する。 またデイサービスの迎えが来ても「行かない」といって断ったりした。
写真のようにスケジュール表を作って自室の入り口に貼り付けている。見てくれることを期待した。

玄関の手すり
風呂の手すり
歩行器
ベッドに座って
週間スケジュール表



最近はテレビ・新聞を見たりしている。先日、クロスワードパズルの雑誌を買ってきてほしいという。
私は老人はいかに「刺激」に接することが重要かと思う。しかも自分の意思で。施設に入っているといわゆる「ぬるま湯」につかっているようであり刺激がないように感じる。 痴呆の方が多い中に初期の痴呆の者が加わると、より痴呆が進行するように感じる。


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