介護日誌
2002.12. 6
介護(介護保険・費用)

1.はじめに

このぺージでは、恩恵を受けている介護保険についてまた実際毎月かかっている費用に記してみる。 結論からいうと2000年4月から始まった介護保険を2001年5月からフルに活用させてもらっている。 介護保険の被保険者の方々(自分も含め)の、自治体の国の負担(結局自分たちの税金)のおかげでサービスを受けられている。
ありがたいと思う反面保険料が集められたところに新たな雇用が創出され いろんな業種の企業が進出していることを思うと・・・。

私の住んでいる八王子市の10月の市報によれば、高齢者(65歳以上)は約78000人、要介護認定者は約9900人。2002年の4月のデータである。2年前はそれぞれ70000人、6000人。 要介護認定者の割合が増えているのは介護保険の利用者が増えているからだろう。
市報では費用の平均額について次のように記している。                     
施設サービス 総額保険負担自己負担
利用 37.4万円32.8万円4.6万円
負担65歳以上の保険5.6万円
40〜65歳の保険10.8万円
市・都・国16.4万円
                    
在宅サービス 総額保険負担自己負担
利用 10万円9万円1万円
負担65歳以上の保険1.5万円
40〜65歳の保険3.0万円
市・都・国4.5万円


2.受けているサービス

私の母が受けているサービスは次の通りである。サービス名は市から送られて来た介護給付費通知書にもとづく。
(1)介護保険施設
 避暑、避寒のため2、3ヶ月入所させてもらっている。今年は1月から4月、8月から10月半ばまでなど。母は入所当初は、帰宅したいのか荷物をまとめていることが何回かあ った。
私は週2,3回面会にいき洗濯物を持ち帰る。私自身の負担がもっとも軽い。

(2)通所介護
在宅時、月曜日、木曜日、土曜日に送迎されてデー・サービス・センターに出かける。入浴、レクレーション、食事などがある。最近は欠かさず通っているが、以前はしばしば拒否していた。
私は昼食の準備も必要なくのんびりでき負担がある程度軽い。

(2)短期入所生活介護
在宅時のショートステイであるが5〜8日施設に入所する。在宅介護のときケアマネさんが日にちなど要望を聞いてくれる。この期間私の負担は二番目に軽い。自分のスケジュールの調整とショート・ ステイのスケジュールの背など調整などが必要。入所のための服用薬など持ち物の準備、入退所時の送り迎えをする。自分の負担を軽くするためだからやむをえない。

(3)訪問介護
在宅時、火曜日、水曜日、金曜日ヘルパーさん3人の方が午前中1時間、午後1時間、それぞれ分担して訪問してくれる。午前中が「お話し相手」「散歩の相手」。午後は本人の希望で「入浴の介助」。最近は自宅で入浴させて貰っている。在宅介護が始まったとき、私は通所介護の時に入浴するから それでいいだろうと考えていたが、ある夏の夜、自分でシャワーを浴びようとしていたことから自宅での入浴を考えるようになった。このため「特定福祉用具購入」などのサービスを受けた。
私は毎日顔をあわせているだけでストレスがたまる。まして毎日話し相手など苦痛である。耳の遠い年寄りの話し相手など大変だろうと思うがお願いしている。また入浴介助をやっていただいてほんとに感謝している。

(4)居宅介護支援
ケアプランの作成サービスでケアマネさんが要望を聞いてくれる。(全額介護保険から支払われる)

(5)福祉用具貸与
歩行器をレンタルで借用している。

以上が恒常的に受けているサービスである。臨時に受けたサービスについて記そう。

(6)特定福祉用具購入
工事を伴わない福祉用具を購入するサービスで、浴槽手摺、浴槽の中に入れることができ底に吸盤が付いている台を購入した。
介護保険では用具の購入は年に10万円の制限があるそうだ。

(7)介護住宅改修
住宅の一部に改修の手を入れるサービスで、手摺を取り付けてもらった。場所は玄関の上がりかまち、廊下、トイレの中、寝室の出入り口、浴室の出入り口である。
介護保険では介護住宅改修は介護者一人に付き生涯20万円の制限があるそうだ。介護度が2段階上がると適用されると聞いた記憶がある。
母は廊下の手摺については喜んでいるがそのほかについては何もいわないからあまり望んでないのかも。玄関の手摺を取り付けたときにヘルパーさんに「いづれ息子(私のこと)が使うだろう」 といったそうである。私はなぜ「ありがとう」の一言が出ないか不思議である。このあたりの神経が私のストレスを上昇させるのである。


3.自己負担額

ここでは後学のため月当たりの費用の大まかな数値について記しておきたい。
今年の春受けたサービスについて市から送られて来た介護給付費通知書にもとづく。月により変動があるので2ヶ月の平均値を記した。
介護保険により9割を負担していただくので自己負担額は1割ではあるが、施設でのサービスを受けると保険適用外の費用もかかり表の「実際支払った額」の欄に示すお金が必要である。

この数値はあくまで介護関連の費用であり、在宅中の食費、光熱費などは含まれない。  
サービスの形態 サービスの種類 総額保険負担自己負担 実際支払った額
施設入所 3、4月介護保険施設35.7万円万円3.6万円 6.2万円
在宅介護5、6月短期入所生活介護5.1万円5.1千円 1.9万円
通所介護3.9万円3.9千円 6.5千円
訪問介護9.2万円9.2千円 9.2千円          
居宅介護支援7.2千円7.2千円−         
福祉器具貸与2千円.2千円.2千円   
小計19.12万円1.82万円 3.7万円    


4.結論

介護保険の恩恵を受けているのは確かである。よりよいサービスを受けたければ、お金をもっと出してグループ・ホーム、有料老人ホームを利用すべきだろう。費用対効果を考えてみると満足すべき制度といえる。 このような制度が有効なのは都市型の生活をしているところだけではないだろうか。過疎の地域では対象者はいても支えるものがいないのではないだろうか。昔は大家族で年寄りの世話を誰かが持ち回りでやっていたと思う。 家族の単位が小型化しそこで高齢者となったものの面倒見るのはこのような制度が必要なのだろう。今この制度の恩恵を受けることができるものは幸せかもしれない。支えるものの負担が大きくなればやがて破綻するのかもしれない。

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