事業構造とは何か
事業経営において一番重要なことは何かと問われれば、私は事業構造であると答えることにしている。
つまり、その事業がもともと儲かる商売なのかどうかなのである。もともと儲からない商売をいくら社長が一生懸命やったところで、たかが知れているのである。
まして、社員にハッパをかけてもムダである。
ところが、世間では事業の繁栄とは能率や合理化によって達成されるものと信じている節がある。本当はそうではなく、高収益型事業構造によってのみ達成されるのである。
そういう意味においては、頭もよく人格も立派な社長や社員のもとにおいても、構造に問題があり低収益型であれば、その会社の発展は見込めないものである。
それでは、そもそも事業構造とは何かであるが、それは次のように定義付け
することができる。
「どんな商品やサービスを」「どのようにして(販売方法)」「どういった顧客層に」販売するかということを意味する。
各々についての注意点を述べていきたい。
[1] どんな商品やサービスを
ここで一番注意しなければならないことは、低価格の商品やサービスを扱ってはダメだということである。
ところが、中小企業の社長の100人中99人までもが低価格の商品やサービスに着手したがるのである。これは、低価格のものだからたくさん売れる、売りやすいという考え方がその根底にあるのである。
ところが、低価格で売りやすい商品やサービスは必ずといっていいほどに大手や他の中小企業者が参入して、価格競争に巻き込まれてしまうのである。
つまり、低価格の商品やサービスはそもそも付加価値が付けにくいものなのである。付加価値が付けにくい商品やサービスはどうしても価格競争になってしまうものである。
低価格品でないとすると高級品となるのであるが、高価格品ではあまりにも取り扱う金額が大きくなるというのであれば、中級品あたりを狙えばよいのである。
もうひとつ商品やサービスにおいて重要なことは、商品数やサービス数を最低でも5つは持つべきであるということである。たいていの商品は必ずいつか市場が飽和状態となり売れなくなるものであるから、たとえ、どんなに今取り扱っている商品の売れ行きが良くても、新商品のことを常に考えておく必要がある。
ところが、たいていの会社は売れなくなってからしか次の商品のことを考えないものである。
ここで、多角化と多品種化の違いについて述べておきたい。というのは、多くの経営者は多品種化のことを多角化と考え違いしているからである。
多品種化とは、商品の数を増やしていくのであるが、販売する相手方が同じ業界である場合を意味している。多角化とは、販売する相手方の業界を増やしていくことをいう。
同じ業界にのみ販売していたのでは、その業界と運命を共にしなければならない。だから重要なことは、相手方の業界を増やすこと、つまり多角化させることなのである。
例えば、Aという商品をXという業界に販売しているとすれば、Bという全く新しい商品を同じX業界に販売していくというスタイルをとるのではなく、A’という、つまりAという既存の商品を若干アレンジさせて、それをYという別の業界に販売していくというスタイルが大切なのである。
そういう意味において、5つ以上の商品やサービスを開発する必要があるのである。
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