渋谷区の税理士 中川尚税理士事務所

事業構造とは何か(再論)【2】

 

  今回も事業構造についてである。【1】で言い足りなかったことを補足させていた

だく。

 

 「事業構造」とはどんな商品・サービスを、どういった販売方法でどういった顧客層に販売するかという事だが、順番に各々の注意点を述べていく。

 

 

【1】   商品・サービスについて

 

 昔からたくさんの商品を持つか、少しの商品に絞り込むかの議論はあったが、私は断然絞り込み派である。

 

例えば飲食店であれば20種類のメニューを3種類程度にまで絞り込んでしまえということである。

 絞り込まなければ味に磨きをかけていくことは絶対に不可能である。

 また、絞り込むことにより無駄な在庫も削減できるのである。よって売価を下げても利益が出せるのである。

 

価格帯については中級品から高級品を狙う事である。

低価格のものをたくさん売るという発想を中小企業は捨てるべきである。低価格のものは必ず大手との価格競争になる上に、どうしても付加価値が付けにくくなるからである。

商品についてはどうしたら安く仕入れられるか、どうしたら安く作れるかということばかり考えて、商品そのものに磨きをかけていくことには、昔から日本の企業は関心が低い。

 

販売力の前に商品力なのである。商品力が無ければ、高収益型事業構造は作れない。

 

【2】   販売方法について

 

 販売方法については、次の3段階で行っていく。

 

第一段階・・・低コストで見込み客を集める

 

 ここで言う見込み客とは自分の会社の商品に興味を持っている人のことである。

 この集客の事をマーケティングと呼ぶ。

第一段階においては費用をかけすぎる傾向があるため、いかに効率よくできるかがポイントである。具体的には、チラシ・DMの作り方そのものを考え直す事であるが、ここでは詳細は述べない。

 

第二段階・・・見込み客に対して販売を行う

 

この段階が、いわゆるセールスになる。

見込み客に対してのみ販売活動を行うため、効率は良くなる。

第二段階で大事な事は、すぐに購買決定しない人にもフォローをし続ける事である。

 

第三段階・・・継続的な顧客(リピーター)を作る

 

この段階については、自分の会社は一生に一回しか購入しない物を扱っているから関係ないと考える人もいるかも知れないが、紹介や口コミはこの範囲に入るのである。

 

増客というものは、紹介型と非紹介型に分かれる。紹介による増客とは、前述したとおり第三段階の延長線上にあると考えてよい。

それに対して非紹介による増客とは、チラシ・DM・看板・ホームページなどの広告宣伝のことをいうが、これは第一段階や第二段階に当たる。

今日のような不況期においては、紹介・口コミの増客だけでなく非紹介型の増客が非常に重要になってくる。

 

【3】 顧客層について

 

 法人であれば、大企業よりも財務内容の良い中小・中堅企業をメイン顧客にすることが重要である。

 実際は大企業中心へと、自社よりも大きな企業と取引を拡大していってしまう。

 しかしそれでは高収益事業は作れないのである。

 自社の商品では大企業にしか販売できないのであれば、商品構成を変えていかざるを得ないのである。

 これこそがまさに事業構造を変えていくことなのである。

 

 また、個人であれば富裕層を中心にする事、さらに年齢も中高年をターゲットにした方が利益は出るし、経営は安定するのである。

 

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