申告納税制度とは
12〜13年ぐらい前からか、確定申告の封筒の表紙には、『申告はご自分で書いて提出はお早めに』と表記されるようになった。
『自分で書いて』と表記されているので、税理士に依頼してもいけないのかと質問をする納税者もけっこういる。これは、税務署では申告書はもう書きませんよ、という意味で、代理人たる税理士への依頼は当然OKである。
封筒に表記されるよりも、もっと昔から、具体的には30年ぐらい前から申告書は税務署では書かないという方針を納税者に対して打ち出していたが、それをより徹底させるために『・・・自分で書いて・・・』という表記になったと思われる。
本来、税務署は申告書を作成してはならないのである。ただ、簡単なものについては、相談・指導、つまり書き方は教えてもかまわないのである。(ただし、間違えた指導をしたとしても、税務署は無料なので、一切責任を負わないことになっている。)
しかしながら、現実には長年に渡って行なわれてきたため、税務署に申告書を作ってもらおうとする納税者は後をたたない。
制度上は、申告書の作成依頼は無料の税務署ではなく、有料の税理士に依頼しなくてはならない。
ここで納税申告制度とは何かについて整理しておきたい。
戦前は国家が税金計算を行なう賦課課税制度を採用していたが、戦後はシャープ勧告により申告納税制度に移行した。(シャープとはアメリカの学者)
申告納税制度の方が民主主義の理念(国民主権)に沿うだろうという考えからである。
本来の申告納税制度とは、納税者が帳簿を付け、それを第3者の専門家である税理士等がチェック(監査と言う)して、税金計算を行なうことである。
ところが、それを旧大蔵省の税法立案者達が、納税者本人が税金計算までやるものと誤解してしまった様である。日本では本来の申告納税制度とは異なったかたちでスタートしているため、納税者が申告書の作成を税務署やその外郭団体である青色申告会に無
料ないしは低額で依頼するということが行なわれ続けているのである。
では、申告納税制度において、何故第3者の専門家つまり税理士等が必要なのかについて説明しておきたい。これは次の2点の理由による。
@ 恣意性の排除
本人の自己申告では必ずといってよいほど、不正が行なわれる。だから、第3者チェックが必要なのである。日本の税法では性善説をとっているため不正が減らないのである。現実に税理士自身が自分の申告をする場合には、きわめていいかげんな申告をしている人が多い。
A 税法が複雑
資本主義社会が発展すればするほど経済取引は複雑化してくる。こうした状況において税の理念である公平性を保とうとするには、税法は複雑にならざるを得ない。
シンプルにしてかつ公平な税制というが現実には無理なのである。
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