渋谷区の税理士 中川尚税理士事務所

年金未納問題について一言

 

 

 年金未納問題は、次から次へといろいろな問題が出てくるので、既に旧聞に属することかもしれない。

 マスコミ論調からは、この問題の本質は見えてこないので、私の意見を整理しておく。

 国民年金は、その支払いをしていない人が4割もいる。(ここ数年で4割になってしまったが、これはリストラ等で会社をやめさせられたり、正社員がパートになった人が多いことが主因)

その支払いをしていない人には、2通りある。つまり、そもそも未加入の人と加入はしているが、支払っていない人である。

 新聞の投書等には、政治家には督促が行かないが、庶民は2ケ月遅れてもかなりうるさく言ってくるのは、不公平であるなどという記事が見られるが、本当はちょっと違う。

 つまり、未加入の人には、何も言ってこないが、加入者にはうるさいのである。このことは、国民年金だけでなく、厚生年金についても同様である。

 日本全体の法人数は、ここ数年若干ではあるが増加している。しかしながら、厚生年金(健康保険も含む)に加入している法人数はドンドン減少している。

 社長1人の株式会社や有限会社でも、厚生年金は強制加入である。(つまり、すべての法人は加入しなければならない。)

にもかかわらず、こちらも4割近くの法人が未加入なのである。

 いやむしろ加入したくても、社会保険庁は赤字法人を加入させない。法律上は強制加入にもかかわらず行政裁量だなどと言って、加入を認めない。

 何故この様なことが行なわれるのか。

 年1回、会計検査院は、社会保険庁に調査に来る。そこで、厚生年金の保険料の回収率をチェックする。その回収率は、99%台である。

 この恐るべき回収率によって、会計検査院と社会保険庁という2つの役所の責任問題は回避されてしまう。

 

 4割近くの法人が未加入であっても、それは役所の責任ではなく、それぞれの法人の責任いわゆる自己責任となる。

 つまり、厚生年金にしても、国民年金にしても未加入者にはあえて加入する様な説得はしていない。

 なまじっか加入されて、未払いになり、回収率が低くなり役所の責任が追求されることがイヤなのである。

 これが次から次へと出てきた年金未納の問題の本質である。

 

最後に年金の利回りについて触れておく。

年金の利回りは、生命保険会社等の個人年金などよりも2倍も3倍も良い。

よって、公的年金をやめて個人年金に加入するなどというのは愚の骨頂である。

また、年金は仮りに支払った金額よりも取得した金額の方が少なくても税務上のメリットがあるため、損はしないのである。

 

 

 

 

 

  

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