渋谷区の税理士 中川尚税理士事務所

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 まずはミクロで国民負担率を考えてみる。年収500万円の独身サラリーマンは所得税を年15万円、住民税を年25万円、年金、健康保険、雇用保険料(これを広義の意味で社会保険料という)を年66万円ほど負担している。

 

つまり国民負担率は、

 

15万円+25万円+66万円(合計106万円)

 500万円             =21.2%

 

となる。

さて、この計算方法は本当に正しいのだろうか。実はこれはトリックである。

年金などの社会保険料は労使折半である。つまり会社が66万円を負担しているのである。

このことから正しい国民負担率は次のように計算すべきである。

 

15万円+25万円+66万円+66万円(合計172万円)

500万円+66万円=566万円       =30.3%

 

年収は500万円ではなく、566万円で、その中から所得税、住民税、そして社会保険料との総額を負担していると認識するのが正しい。

 

 実際はその他の税金も負担しているため、国民負担率は 40% 程度になっているのである。

その他の税金とは何か。まずは消費税。これは税率5%で13兆円ある。就業者6,000万人で割ると1人あたり 20万円 である。毎日ビールを1本飲めば酒税は年間 3万円 である。たばこ1日1箱でたばこ税は年間 6万円。自動車税 4万円 自動車重量税 2万5000円 、ガソリン税 3万円 さらに宿泊税、ゴルフ場利用税、電源開発促進税、地方道路税、石油石炭税、空港使用税などなどである。

 

次はマクロで考えてみる。国の予算は、一般会計80兆円、特別会計160兆円の合計 240兆円 である。

地方自治体の予算は、一般会計80兆円であるが、そのうち国からもらう交付も30兆円あるため、自主財源は 50兆円 である。

つまり国の240兆円、地方の50兆円の合計約300兆円が予算である。

そして300兆円のうち100兆円は国債の借り換え分に当たるため、200兆円 が毎年政府に使われていることになる。

 

日本の名目GDP(国内総生産)は、ここ数年は 500兆円 前後である。

よって、

200兆円

      500兆円 = 40% が国民負担率となり、ミクロから見たケースとも一致してくる。

 

平均的日本人(富裕層ではない)が、収入の40%も税金を支払っているという事実を日本人の多くは知っているのだろうか。いや、知らされているのだろうか。

 

 

 

 

 




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