渋谷区の税理士 中川尚税理士事務所

在庫管理における注意点【2】

 

 先月号から在庫の基準の話をしてきているが、日々の実務においては『発注点』と『発注量』を決めることが重要になってくる。

『発注点』とは、在庫が何個まで減ったら、発注をかけるか、という最低限の個数を言う。

『発注量』とは、その場合の発注数を意味している。

 

また、在庫管理において、絶対にやってはならないことは、商品管理部門を設けてそれを行なうことである。

在庫管理にしても、債権回収にしても、それぞれの部門や店舗が責任を持ってやるべきで、部門の上に部門を設けてはならない。

 

さて、商品台帳の作成に話を進めていく。

これは、「発注欄」、「入庫欄」、「出庫欄」の3つからなる。

発注したら「発注欄」に書き入れ、入庫したら「入庫欄」に、出庫したら「出庫欄」に書き入れる。 ただ、それだけのことである。

大事なのは、単価を記入せず、数量だけにとどめることと、必ず累計欄に記入していくことである。

仕入単価は、変わるため、それを記入していくと、台帳がグチャグチャになってしまう。

 

商品台帳のポイントは、以下の3つである。

一つ目は、「出庫欄」の累計数により、1ヶ月当たりの販売数を推定し、『発注点』、『発注量』を決定していくことである。

二つ目は、「入庫欄の累計 − 出庫欄の累計」が帳簿上の在庫数を意味し、この数と実地の数をチェックすることである。

最後は、商品台帳を会計期間に合わせて作り、1年経てば、出庫欄の累計が当期の販売数を意味しているため、データとして意味を持ってくることである。

 

■商品台帳サンプル

 

 

品名:   

発注点:  3 

発注量:  7 

発注

入庫

出庫

在庫

月日

摘要

累計

月日

摘要

累計

月日

摘要

累計

 

 

 

 

 

4/1

繰越

8

8

 

 

 

 

8

 

 

 

 

 

 

 

 

4/10

A

2

2

6

 

 

 

 

 

 

 

 

4/12

B

3

5

3

4/12

z社

7

7

4/16

受入

7

15

 

 

 

 

10

3/12

Z

7

165

3/15

受入

7

173

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3/27

A

2

168

5

 

 

 

 

 

 

 

 

3/29

C

1

169

4


                                    

 




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