渋谷区の税理士 中川尚税理士事務所

 

  ROA25%と13理論』

 

 

 

今月号も「中小企業の決算におけるポイント整理」を離れて、別の話をしてみたい。

 

 

それは、企業はどのくらい利益を出せば高収益会社と呼ばれ、そしてその利益をどのように使っていくべきかという話である。

 

私は、高収益会社であるかどうかの尺度つまり物指しは、ROA1本で考えて良いと思っている。つまり、他の物指しはいらない。

このROAとは のことを意味する。

経常利益は通常は税引前利益を指し、また総資本とは貸借対照表の資産の部の合計を指す。投下資本に対してどのくらいの利益を生み出しているかの指標である。

目標値は25%以上である。

少ない資本で多くの利益を出すと指標が上がる。ROAを分解すると次の様になる。

    ×    

ROAを25%にするためには一般的には  10%とし、 (回転率という)を2,5回転とする。

 

利益率が10%よりも高ければ回転率は2,5回転よりも悪くてもよいが、利益率が10%を切ってしまう会社であれば回転率を2,5回転以上にすることは言うまでもない

 

ここで大事なことは、売上高の絶対値はどうでもよいということである。

売上高は手段であって目的ではない。目的は利益。もっと正しく言うならば投下資本に対する利益これが目的である。また、利益というと売上高から必要経費を差し引いた残りというイメージであるが、これは会計上は正しいが、経営上は利益も必要経費の一つと考えるべきである。

つまり、利益は今後企業が生き残っていくための必要経費なのである。 

 

さて、次はその利益をどの様に使っていくべきかという話である。

この使い方を私は勝手に1/3理論と呼んでいる。これは利益の1/3を以下のものに割り付けることを意味している。

@  法人税等の税金

A  節税型貯蓄

B  借入金の返済等

 

@の税金であるがこれは法人税率が40%となっていてもAの節税型貯蓄を活用することによって、税負担率が33%程度まで下がってくるため問題はない。

Aの節税型貯蓄は、将来のための貯蓄つまり、トラの子である。

基本的には経営者が引退する時の退職金の財源となるものであるが、どうしても経営状態が悪化した場合には取り崩して使うこともあろう。

Bについては、先行投資に使ってもよいし、借入金の返済に当ててもよい。もちろん配当や役員賞与に当てることも可能である。

以上は会社サイドの1/3理論であるが社長サイドにおける1/3理論というものもある。ただしそれは、社長の給料を最低でも月額200万円以上にすることを前提にしている。それは、年間2,400万円の給料のうち1/3の800万円を以下のものに割り付けることを意味している。

@  税金、社会保険料

A  生活費

B  貯蓄

そしてBの貯蓄は毎年の増資の財源となるのである。




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