『 CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)とは何か 』
CDSとは、2008年9月のリーマンショック、つまりリーマンブラザースの倒産によって知られるようになった金融派生商品(デリバティブ)のことである。リ−マンショック以前は、金融の専門家でも限られた人しか知らなかった商品である。
リーマンの負債総額は約30兆円であった。ただ、それに派生したCDSが約40兆円もあったのである。
つまり、リーマンの倒産によって70兆円にのぼるお金に影響が出たことになる。
ここで、一番問題となるのは、CDSという商品の中味である。それは、一言で言えばリーマンを被保険者とする保険商品である。人でも物でもなく、会社を被保険者としたのである。
つまり、リーマンが潰れたら保険金を払いますよという商品で、それが40兆円も売られていたのである。
一般的には、保険という商品は、被保険者の了解なくしては成り立たないものである。
しかしながら、CDSは被保険者の承諾なしに勝手に売られていたのである。まさに金融バクチの世界である。
リーマンを被保険者とするCDSを売りまくっていたのは、米国のシティバンク銀行やAIGグループである。
つまり、リーマンの倒産によってシティバンクやAIGは、40兆円ものお金を支払う義務が生じたのである。
しかしながら、そんな金額は払えるわけがないため、シティバンクやAIGは事実上、倒産したのである。
ただし、商業銀行や生命保険会社を倒産させると、米国の一般国民への影響があまりにも大きいため、現状においては米国の国家管理下に置いて、業務を継続しているのである。
さて次は、ギリシャ危機のはなしである。
ギリシャという国は経済規模つまりGDPは約25兆円、つまり日本の神奈川県や愛知県と同等である。
神奈川県が潰れたところで、何故世界の金融、経済に大きな影響を与えるのだろうか。
一般的にはわかりにくいはなしである。
ここにもCDSの問題が出てくるのである。
ギリシャの国債残高は約35兆円である。これは公表されたものだから実際はもっと多いであろう。
今回のCDSの被保険者は、なんとギリシャという国家なのである。人でも、物でも、企業でもなく、国家を被保険者とした保険が世界で売りまくられていたのである。
CDSの総額は、すでに確定しているところで約100兆円ある。さらにもう200兆円あるという情報まで出てきている。
前述したとおり、リーマンショックの影響は70兆円にのぼるが、ギリシャ危機では低く見積っても135兆円、つまりリーマンの2倍以上の被害が出ることが推定されるのである。
リーマンのCDSは米国の金融機関を中心として売却をしたわけであるが、ギリシャのCDSは米国のモルガンスタンレーやゴールドマンサックスのみならず、日本の野村證券などの金融機関も売却しているため、日本の金融・経済への影響は計り知れないものがある。
ギリシャという国家が破綻すれば、野村證券等は数兆円から数十兆円程度の保険金を支払わなくてはならないが、ガリバーの野村といえども、それは無理である。
日本の経済論壇でも、2012年は戦後最大の不況になるだろうというはなしが持ち切りであるが、その根拠は今まで述べてきたとおりである。
ただ、大手メディアつまりTVや新聞では、CDSのはなしは政府により緘口令が敷かれているらしく、全くと言っていいほど報道がなされていない。
それどころか、御用学者たちは、ギリシャ危機は神奈川県の倒産レバルなのだから、たいしたことはないと情報操作をしているようである。
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