著者の主張は端的に言えば「次の世界経済覇権を握るのは日本である」ということである。
世界経済覇権とは要するに、世界経済の主導権を持つことにほかならない。
以下、本書の要旨をまとめてみる。
近代市場経済が確立されてから覇権国家となった国は、オランダ、イギリス、アメリカの順番である。
それぞれの国が覇権国家となった最大の理由は、エネルギー効率の高さだと指摘している。
具体的には、オランダは「風車」、イギリスは「蒸気機関車」、そしてアメリカは「自動車」である。
では、日本のエネルギー効率がなぜ高いかというと、三大都市圏への人口集中度の高さと大都市圏における旅客鉄道網の機能性の高さをその理由にあげている。
鉄道網の機能性とは、一つの駅に色々な電車が乗り入れていることを意味するが、それは日本以外の諸外国には見られないことである。
すなわち、鉄道を発明したのはイギリス人だが、鉄道網を発明したのは日本人であるということになる。
以上の話の前提として、鉄道で人間1人を運ぶのに必要なエネルギー消費量は、自動車の6分の1にすぎないという事実を押さえておく必要がある。
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