本書でもっとも参考になったのは「役員の条件」のくだりである。
東川氏は6つの条件をあげているが、以下簡単にまとめてみる。
@ 「誰もが認める人であるか」
赤字事業を黒字に転換したとか、誰もが認める明確な実績があることが条件の一つになる。
A 「不採算事業からうまく撤退できるか」
経営者は「情」を持ちながらも「非情」の一面もなければならない。
B 「社長の考えをブレークダウンできるか」
ここでいうブレークダウンとは、社長から与えられた「大目標」を「中目標」から「小目標」へと掘り下げていって、具体的に動けるようにして成果を出すことである。
C 「会社全体を見ることができるか」
多くの場合、部長が役員になるケースが多い。
部長と役員とは立場が違う。
部長であれば任された部の利益だけを考えればよいが、役員となれば会社全体の利益を考えなければならない。
D 「将来の展望をもっているか」
一年先ぐらいまでは現実のことなので、それより先のことについて未来指向・戦略発想があるかどうかである。
E 「人望と品格」
部課長までは仕事が出来て数字が上げられれば、少々人物にクセがあっても問題はない。
役員になれば、人望や品格あるいは教養といったものまで問われてくる。
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