本書は2009年3月20日号から2010年4月16日号に掲載された週刊朝日の記事の採録である。
「検察批判」の論陣を張る週刊朝日の編集部には、現役の検察官の方からも複数応援メッセージが届いているそうである。
例えば「週刊朝日の批判はもっともだと思う。しかし、あれは特捜部だけが異常なのだとわかってほしい」というのは地方のある検察官である。
本書の最大の眼目は、無条件に検察をイコール正義と信じてはいけないということであろう。
確かに日本では諸外国と比較しても、検察や警察を絶対的正義と信じている人の比率はかなり高いと思う。
また、上杉氏は「一連の小沢問題を『犯罪捜査』と考えるから真実が見えなくなる。これは人事と既得権を死守する検察＝記者クラブメディア連合体と小沢一郎との『権力闘争』と見るべきだ」と主張しているが全く同感である。