自信過剰気味の人間であるためか、こういった自己啓発ものの本は正直に言って苦手である。
にもかかわらず読むことにしたのは、青木社長のアチーブメントという会社に私が以前お世話になった方がナンバー2として勤めているからである。
「本当にしたいこと」に正直に生きるというくだりがあるが、このことに関して私の意見を少し述べておきたい。
「本当にやりたいことをやっている人は、絶対に食いっぱぐれない」という主張が私にはある。
大事なところは、本当にやりたいことである。
私が見ている限りだと、中途半端に好きなことをやっている人は多い。
そしてうまく行かないのである。
ひとつだけケチを付けておきたいくだりがある。
それは、愛読書について述べたところで、経営者が自ら経験した「事実」を書いたものは評価し、評論家が著したものはあまり好まないと主張されている。
こういう意見は経営者からよく聞かれる言葉であるが、その都度私は反論している。
経営者は「成功体験」は語れるが「成功原理」は語れないものなのである。
「成功体験」は同じ時代環境においてのみ意味のあるもので、時代が変わると役に立たない。
原理を尊重しないと時代の変化の中で会社をつぶしてしまうのである。
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