本書を読んでの感想を一言で言えば、ここまで気を使って銀行借入をふやす暇があれば、もっと利益を出すことを真剣に考えるべきではないかというものである。
本末転倒、つまり、利益を出すことよりもお金を借り入れすることにウエイトを置いているように思えてしまう。
新規で会社を興した場合、確かに最初の2年間は銀行借入には苦労するのは事実だが、その後の借入は案外簡単なものである。
顧問指導先について、私が今回借入は100くらいは融資が出そうだと考えていると、実際は120あるいは130、ケースによって150も出てくることが少なくないのである。
つまり、私が判断する経営実体よりも過大評価しているのでる。
その何よりの証拠は銀行の不良債権問題である。
実際のところ、銀行は貸しすぎているのである。
とはいうものの、うまい借入の仕方のコツはある。
私は2つあると思っている。
ひとつは、金融庁が銀行に中小企業への借入を増やせと打ち出したタイミングで必ず借入をすることである。
たとえ資金需要がなくてもである。
もうひとつは、最低でもむこう6ヶ月以上先に資金不足が予想される場合、今、借入を行ってしまうというものである。
要するに、2つのポイントに共通して言えることは、今の資金需要ではなく将来の資金需要から借入れを考えるというものである。
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