本書はウソの被害を訴え出た女性と警察官によって作り上げられた痴漢デッチ上げ事件について書かれたものである。
その女が何故、人を落し入れたかの理由であるが、それは電車の中で携帯電話の使用を注意されたことへの腹いせである。
これが、この事件の第一の問題である。
第二の問題は、女の言い分を聞いて逮捕してしまった若い警察官の行動と、一方の言い分のみで逮捕できてしまう制度そのものである。
第三の問題は全く沖田氏の言い分を聞こうともせずに恫喝する検事の取調べ方法である。
当然これは取り調べの可視化(弁護士の立会権を含む)の問題とも絡んでくる。
ちなみに、法務大臣になるまでは可視化に積極的であった千葉景子議員は、今ではビビッてすっかりトーンダウンしてしまっている。
ウソつき女の証言があいまいなために、不起訴となったため、この流れにおいては裁判官は登場して来ない。
ただし、その後、国家賠償訴訟(つまり一個人が国家を相手に公権力の違法や不当な行使をただし、賠償を求める訴訟のこと)を起こすが、その過程の中で顕在化する裁判官という人種の世間知らずさが第四の問題と考えられる。
第一のバカ女はめったにいないと思いたいが、第二から第四は構造上の問題で、たまたま運が悪かったというレベルの話ではない。
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